わがまま

一番重い荷物が横倒しになるときは積み木のようにみえて、一瞬のあいだにぼくのなにが悪かったのか頭が勝手に思考した。自分が悪いのになぜか気に入らないことがいくつか浮かんできてそのあと気分がふさいだ。

その日は行けなくなりました、そう送ったばかりだった。その日はというか、ほんとうは今後一切関わりたくない。ぼくはおろかなので、ものの本質より写真映えばかりに惹かれるような人とはもうそれきりにしたかった。断った理由は正直相手の見た目だったので、もうこれから覆ることはないのに、諦めませんとかいうふてぶてしさも不愉快だった。他者に対して失礼だとおもう。

ちょうど同じころ、あんなに親しく歩いた人との数か月が終わった。きっとぼくの本性に気づいたのだとおもう。
「あなたはひとの心を見ているのですね。ぼくにはできません」
いいえ、見た目で選んでいます。

きれいなものが好きだ。でもそんな世の中はいや。わがままで救いようがない。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻