セラピー

物の量や出来高でその人自体の良し悪しが決定されるようなことだったらそれは動物と同じだからそんな人類は滅んだほうがいいと物心ついたころから思っていた。見た目がよくてモテるほうがいい、足が早いほうがいい、勉強ができるほうがいい、お金があるほうがいい、世話しないと死ぬ犬のことはかわいがるくせに、世話しないと死ぬ人間のことはかわいがらない。

でも 私もやっていることの根本は同じだった。私が人間について美しいと思っている部分をすべて台無しにするようなことをされて深く傷付いたとき、同じだけおまえも苦しめとおもった。苦しめる方法はなく、あとは殺すしかなかった。殺しても無駄なのだ。今殺すのではなく、遥か昔に遡って殺さなければいけない。こんな魂の堕落した人間は時間を遡ってまでも殺すしかないと、心底見下した。