落ち椿

朝、揺り起こされる夢をみた、
あなたの手じゃなかった。
水たまりの上に落ちて波紋きれい。
ほどけたリボンをよくみたらネガ。
これまでのことが暗く透けている。

靴紐ならば
固くむすべば固くむすぶほど
よいとおもっていた。
脱げなくなってもいやだというから
妙に納得した。
靴は脱ぐから靴なのだった。
ほどけるから糸なのだった。

楽しくもないのに生きているなんて
馬鹿げているように思う。
楽しくないなら
死んだほうがいいように思う。
生きているだけで美しいなんて
しょせん学校の道徳なように思う。
あなたが馬鹿にした、
死なせた、
破戒した、
楽しさのために、
それが正しい
生きるということは
それが正しい。

私にはこれからのことがわかる。
わかることばかりが起こってきた。
生まれて死ぬまでのことを
いろんな人たちが見せてくれました。
私にも同じことがこれから
繰り返されるしかない。
同じことがもっと虚しい歩調で
繰り返されるしかない。
花を踏んでしまった
砂糖菓子みたいなやつ。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻