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春
2022年11月2日 20:32
時間のことをすっかり忘れてにこにこしていたら、電気街からの交通手段を失った。気分がよかったのでその夜を三里ほど離れたわたしの町まで歩くことにした。ひとつ川を渡り、相撲の駅を通り過ぎる。環状の道に連なるタクシーの尾灯。不安になりはじめたのはこのあたりからで、いま歩いている道というのは首都と私の町とを繋ぐ古くからの幹線であるが、駅と駅のあいだは車もまばらで、孤独です。それでも歩いたことのない道