銀河鉄道の夜 宮沢賢治 読書感想文

幻想的な世界観に浸れる作品。

作者による造語が多く使われており、更に執筆された時代による言葉も加わることで、今読むと分からない単語が頻出し少々読みにくく感じた。後者は調べれば答えに行き着くが、前者は更にその時代における言葉のニュアンス、作者の感性を鑑みる必要性がある。それでも友人との思いをはせる神秘的な経験、もの悲しい結末を感じることができるので、意味を細かく追求せず雰囲気を感じることさえ出来ればいいんだろうなと思います。

特に印象に残ったのが、中盤、鳥を捕る人の場面。何が描かれているのかさっぱり分からないけれど、妙に心に残る場面。この辺り、抽象的な空間に読者を引き込むことができる作者の言葉選び、言葉造りの技量なのだなと感じます。

文字だけで読者が色々と想像するのもいいけれど、絵本や映像作品等、世界観が補完された媒体で楽しんでもよい作品だと思います。

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