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オレンジフレーバー #1#2

 はじめに

 興味を持って頂いたようで嬉しい限りです。映像ではなく、脚本の編集版のような形ですが少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

 この作品は2013年に函館で実際に公演したものです。

 自分は脚本を書きながら、マスター役を演じました。当時いろいろあったことを思い出しますが、それはいくつかに分けて、書ける範囲でこの先の前書きとして書いていこうと思います。

 保存版のつもりでなるべく当時のままの文章にしていますが、ここでは文章で伝える以上、状況が分かりづらいと思った箇所など少しだけ加筆修正してレイアウトもnote用に編集しました。

 何故このタイミングでと言われれば、自分にとっての何か一つきっかけになればと思ってと言ったところでしょうか。

 それでは前置きはこのくらいにして

 オレンジフレーバーの始まり#1は主人公にして喫茶「鈴の音」の看板娘であるユウリの夢の中から始まります。


 明転

 オレンジの電球色で舞台が照らされると喫茶店の店内が現れる。下手側に木製のカウンターとその手前にカウンターチェアが並んでいて下手奥側にキッチンがあるようだが暖簾で仕切られていて見えない。暖簾の横には木製のシェルフがあり、古めなコンポが置いてあったり高そうな食器類が飾られていたり。上手側には小さめなテーブル席が1卓2席あり奥には様々なポスターが貼られている。上手側の袖がこの店の入り口にあたる。

 #1 ユウリの夢の中

カウンターにてこの店のマスター(見た目は30~40代ほど)が慣れた手つきでグラスを拭いている。テーブル席ではこの店の娘ユウリ(中学1、2年生くらい)が椅子からシュガーポットやナプキンなどを整えている。
 扉の開く音(ベル音 カランコロンみたいな)が鳴り、OL風の格好をした一人の女性が入ってくる。

マスター「いらっしゃいませ・・・君か」

アイ(夢の中の母親像)「お疲れさま、マスター。・・・ ユウリもね」

ユウリ「うん、お帰りなさい。今日は早かったね」

 ユウリは自分が整えたテーブル席へアイを座らせようとし、アイもいつものことのようにユウリに言われるがままテーブル席へ座る。

アイ「今日はいつもより早く終わったの。マスター、いつものコーヒーお願い」

マスター「いつものだな?了解。ユウリはどうする?」

ユウリ「え?いいの?」

マスター「(まだ寝るまで時間あるから)今ならいいぞ」

ユウリ「やった!じゃあホットミルク!ハチミツ入れて!」

マスター「なんだ、またミルクか?そろそろコーヒーも飲めるだろう」

ユウリ「だって苦いもん。ねえ?お母さん」

アイ「そうね。ユウリもきっと大人になったらコーヒーの良さがわかるようになるわよ」

マスター「なんだ、ユウリはまだまだお子ちゃまか」

ユウリ「うるさいうるさい、今はまだホットミルクが飲みたい気分なの!」

マスター「わかったよ。じゃあ今日は、まだまだコーヒーが飲めない可愛い娘のために、喫茶オレンジのマスター特製カフェオレを作ってあげようか」

ユウリ「・・・でも(やっぱりコーヒーにする)」

アイ「マスター、私もそのカフェオレ飲もうかしら」

ユウリ「お母さん?」

アイ「美味しそうじゃない?ユウリはどうするの?」

ユウリ「じゃあ飲んでみる」

マスター「よし!じゃあ今いれてくるから、お客さんが来たら頼むぞ」

 マスター奥のキッチンへ

ユウリ「はい!」

アイ「ユウリ・・・大きくなったわね」 実年齢のユウリを見て

ユウリ「え?」

アイ「でもコーヒーが飲めないんじゃ、子供かしら」 夢の中のユウリを撫でる

ユウリ(実年齢)「お母さん!」

アイ「冗談よ。あなたはもう私が居なくても平気じゃない」

ユウリ(実年齢)「それは・・・」

アイ「ユウリ。優しい子・・・頭のいい子に育つように」 夢の中のユウリを抱きしめて

 ゆっくりと明かりが消える中、ユウリ一人を残して上手袖へアイは出ていく。

#2 喫茶「鈴の音」の朝

 朝、まだ明るくなりきらない時間。テーブル席でユウリが寝ぼけている。

ユウリ「う~ん・・・私、頭悪くないもーん・・・」

 マスターがカウンター奥から登場。タバコに火をつける。

ユウリ「これなんて言うん~?」

 誰も居ないと思っていたマスターはユウリの声にビビる。

マスター「・・・ユウリ、おい風邪引くぞ。おい」

ユウリ「カフェオレってコレめちゃくちゃ美味いな~」

マスター「まったく・・・朝だぞ!!(ユウリの耳元で)おはよう!!」

ユウリ「わっ!!・・・あ、お父さん」 現実に引き戻される

マスター「おはよう。早く起きろよ」

ユウリ「おはよう・・・」

マスター「・・・ったく何寝ぼけてんだか。早いとこ開ける準備するぞ」

ユウリ「はい・・・おはようございます!!」 耳元で言われた仕返し込みで

マスター「お、おう。今日もよろしくな」

ユウリ「はいマスター!」ちょっと寝起きで不機嫌な感じ

 ユウリは一旦裏へ戻りエプロンを付けて出てくる。そのまま自分の寝てたテーブル席を整理する。
 マスターがコンポのスイッチを入れ、BGM(朝のラジオ)を流す。そのままキッチンへ。

ユウリ「マスター、タバコ変えました?」 奥に叫ぶように

マスター「まあな」 奥から

ユウリ「やめないんですか?」 

マスター「・・・」

ユウリ「タバコを吸ったことないし、やめる辛さを知らない私が言うのもおかしいと思うけど・・・マスターあの」

 マスター、奥から出てくる。

マスター「お前は気にしなくていい」 目は合わせない

ユウリ「お父さん」 こっち向けの視線

マスター「煙が気になるなら別の場所で吸おう」 目を合わせず外へ

ユウリ「あのそうじゃなくて」

奇抜な恰好をしたカッコいい(?)常連の女性ルミが出ていくマスターとすれ違いで登場。酒臭い。

ルミ「おはようござい!(上手袖を眺めて)・・・ました。あれ?(指をさしながら)今出ていったのマスター?」

ユウリ「もう・・・」

ルミ「朝からどうしたのユウちゃん?可愛いお顔が台無しだぜ?」

ユウリ「いえ、なんでもないです」 それなりにルミの扱いは心得てる

ルミ「・・・そっか。(外のマスターに聞こえるように)またマスターと喧嘩でもしたのかと思ったけど、そうじゃないならいいかー」

ユウリ「別に喧嘩はしてないですよ」  プイッと

ルミ「ふーん?」

ユウリ「(ため息)マスターがタバコ吸ってるのいつも気になってて、でも私はタバコとか吸ったことないからやめる大変さも知らないけど、マスターの身体をちょっと心配して「やめないんですか?」っ て聞いたのに「お前は気にしなくていい」とか「煙が気になるなら別の場所で吸おう」とか・・・いや 確かに気になりますよ!一応空気清浄機とかありますけど!ありますけどね!だいたいこの距離 なら直で当たりますから!だけどそうじゃなくて!(こちとら父親が心配で物申してるってのに!)・・・もう、あの頑固おやじは・・・」

ルミ「うんうん、全く困った頑固クソじじいよね。ホントいくつになっても・・・っていくつだっけ?」

ユウリ「え?」

ルミ「マスターって結構年齢不詳なとこあるからねー。あれで二十代とか言ったら面白いんだけどな~」 

ユウリ「それじゃ一歩間違えたら私と同い年じゃないですか!」

ルミ「ユウちゃんとあのおっさんが・・・ぷっ!あっはっはっは!ハッ!(どっかに頭をぶつける)」

ユウリ「ちょっ!ルミさん!大丈夫ですか!?」 この辺からテンポよく

ルミ「(突然の真顔)あたしはマトモよ。酔ってなんかないわ」 酔ってます

ユウリ「いや誰も聞いてないです」 水でも出しながら

ルミ「それにしてもこの店開くの早いから助かるわ~」

ユウリ「まだ開店してないんですけどね」 

ルミ「夜遅くまでやってるしさ~」

ユウリ「入り口にはcloseって書いてあるハズなんですけどね」

ルミ「すごく綺麗な、いかにもユウちゃんが書いたよっていう字で オー・ピー・イー・エヌ(全身でO・P・E・Nを表現してほしい)って書いてあったと思ったんだけど?もう、なんていうか、字を見てるだけで この子きっと可愛くて、綺麗で、一目惚れしちゃうようなそんな女の子が1時間かけて書いた オー・ピー・イー・エヌだと思ったら入らずにいられないじゃない!」

ユウリ「(どこかで遮って)あれ書いたのマスターです」

ルミ「汚くて読めなかったの」 即答

ユウリ「ルミさん・・・」

ルミ「お、おおー!!」 お腹鳴った

ユウリ「ど、どうしたんですか、いきなり?!」

ルミ「ルミお姉さんは今、ユウちゃん特製ブレイクファーストが食べたいな?食べたいな??(迫って)」

ユウリ「特製って・・・ただのホットケーキですよ?」

ルミ「いいのよ!それで!!あたしにはユウちゃんが作ったっていうだけで最高の調味料だから!」

ユウリ「ルミさんなかなかクレイジーなこと言ってますよ?」

マスター戻ってくる。

マスター「・・・また朝から酔っぱらいか」 相変わらず目も合わせず

ルミ「・・・別に酔ってないわよ」

マスター「そうか、吐くならトイレ行けよ」

ルミ「だからホントに酔ってないの!もう、人の顔見れば酔ってるとか酒臭いとかばっかり・・・。もっと「可愛い」とか「10代に見える」とか「・・・君のためにこの特別スペシャルな紅茶を用意したんだ!」とか言えないの?」

ユウリ「紅茶飲みたいんだ・・・」

マスター「そんなに飲みたいなら、ユウリにでもいれてもらえ」

ルミ「今ユウちゃんにはキラキラブレイクファーストを作ってもらうの」

ユウリ「ただのホットケーキなんですけどね」

 ユウリ、キッチンへ。

マスター「全く・・・(朝っぱらから騒がしい)」

ルミ「いいじゃない。こんな古くさくて、小さくて、頑固おやじがマスターやってる店にくるようなイイ女、そうそういないわよ?」

マスター「お前が原因で客が減らなきゃいいんだけどな」

ルミ「あたしが増やしてあげてるくらいだと思うけど?」

マスター「どうだか」

見た目は好青年なケンイチロウ登場。

ケンイチロウ「こんにちは~・・・」

ルミ「あら」

マスター「・・・お客さん。外の札が見えなかったかい?」

ケンイチロウ「え?」

マスター「まだ店を開けてる時間じゃないんだが」

ケンイチロウ「いやオープンって・・・」

マスター「・・・」 ルミへ鋭い視線

ルミ「ね?あたしのおかげで増えたでしょ?」 全く悪びれない

ユウリ、ホットケーキを持ってくると客が居ることに気づく。
そしてホットケーキを物凄い勢いで食うルミ。

マスター「(ため息)すまなかったな。どうぞ、好きな所に座ってくれ」

ケンイチロウ「あ、はい。どうも」

ユウリ「こちらメニューでございまーす」

ケンイチロウ「ありがとう。どうしようかな・・・」

ユウリ「(小さく)カフェオレなどもありますが」 今日こそは頑なにコーヒーにミルクを入れたがらないマスターに一度だけ飲んでとても美味しかったあのカフェオレを入れさせたい

ケンイチロウ「え?」

ユウリ「カフェオレなども」

マスター「ユウリ」

ケンイチロウ「あ、じゃあカフェオレを」 せっかくお勧めされたんだし

マスター「すまない。別のにしてくれないか?」

ルミ「いいんじゃない?マスター、出してあげたら?」 助け舟

マスター「お前はしゃべるな。悪いが別のにしてくれ」

ユウリ「なんでですか?ウチにはミルクだってあるのに」

マスター「・・・」 嫌な思い出が蘇る

ケンイチロウ「あ・・・じゃあ、この日替わりブレンドで」

マスター「すまない」 ユウリに“水出してないぞ”の合図

ユウリ「あ!ただいま水をお持ちします!」

ケンイチロウ「あはは、どうもー」 

 ルミ、ホットケーキを食べ終われない。

ルミ「あ、時間やば。ユウちゃんあたし行くねー!(外へ)」

 水をテーブルに置くユウリ。

ユウリ「こちらどうぞー」

ケンイチロウ「どうもー」 メニューを眺めながら

ユウリ「いえー。あれ?ルミさんは?・・・ホットケーキ」

ケンイチロウ「あ、あのー」  思い出したように

ユウリ「いかがなさいましたかー?」 ニコニコ

ケンイチロウ「ここにユウリって人が居るって聞いたんだけど・・・」

ユウリ「ユウリは私ですが・・・何か?」 警戒

ケンイチロウ「君がー!よろしく!僕はケンイチロウって言うんだけど・・・どうだろう?このあと時間あったりしない?」

ユウリ「ナンパですか?」 物凄い距離離れる

ケンイチロウ「いや、そんなんじゃないんだけどね」

ユウリ「じゃあ、ここで用件言ったらいいじゃないですか?」

ケンイチロウ「用件って・・・」

ユウリ「用事ないんですか?」

ケンイチロウ「用事はある!」

ユウリ「じゃあここでお願いします」

ケンイチロウ「いや待って。ほら、時と場所ってあるでしょ?」

ユウリ「何言ってるんですか。今初めて会った人に対して時と場所も何もないじゃないですか」

ケンイチロウ「うっ・・・」

ユウリ「ナンパならお断りなんで」

ケンイチロウ「そうじゃないんだけどなあ・・・」 ポリポリ

ユウリ「ここはあくまでもコーヒーを楽しむお店です。それ以外の用なら他のお客様のご迷惑なので帰ってください」

ケンイチロウ「他にお客さんいないけどね」

ユウリ「・・・私が迷惑だって言って(んだっての空気読めやー!)」

マスター「お待たせいたしました。・・・なにやってんだ?」

ユウリ「マスター!この人!(ナンパ野郎…!!)」

ケンイチロウ「あ、待ってましたー!」180度方向転換して座席へ

マスター「ほら、運んでってやれ」

ユウリ「・・・」無言でカップを受け取り、機械仕掛けのごとく荒っぽく置く

ケンイチロウ「うっ」ちょっと跳ねた

ユウリ「マスターの日替わりコーヒーです。熱いうちにどうぞ(いっぺん火傷しろ)」 

マスター「どうかしたのか?(客に対して失礼だぞ)」

ユウリ「あのお客さんは嫌なんです」

マスター「知り合いか?」

ユウリ「違いますよ!ついさっきあの男・・・(ナンパしてきやがったんです!)」

ケンイチロウ「おいしい!これは素晴らしい!!」ユウリの台詞を遮って

ユウリ「ちっ」

マスター「こら、客に舌打ちするもんじゃない。何があったのかは知らんが、ここではあくまでも客 だ」

ユウリ「その客がナ・・・(ンパしてきやがったんだってば~!)」

ケンイチロウ「ごちそうさまでした!!」またも遮って

マスター「あいよ!元気がいいな!」飲みっぷりが気に入った

ケンイチロウ「めちゃくちゃ美味しかったです!」ユウリに話す隙を与えない

マスター「良かったら、また来てくれよ」

ケンイチロウ「はい!是非ともまた来ます!」

ケンイチロウお金を置いて外へ。 

ユウリ「もう来るな」

マスター「ユウリ」 

ユウリ「ありがとうございまーす!またお(咳き込む)しくださいませー!」(「お越しくださいませ」の一言が喉に突っかかるくらいには来てほしくない)  

ケンイチロウ高速で戻ってくる。

ユウリ「げっ」高速で這い寄る黒い物体でも見たように

ケンイチロウ「あ、これを君に(手紙を出す)」妙に落ち着いて声のトーンから紳士的に 

ユウリ「・・・なんですかこれ」突然変わった態度に脳が追い付いてない

ケンイチロウ「なんていうか・・・外のポストに入ってました(としか)」まあどこにポストがあったかも覚えてないけどねー

ユウリ「・・・そうですか。それはわざわざありがとうございます(え、人んちのポスト見たんか…)」やっぱり脳が追い付いてない 

ケンイチロウ「それじゃまた来ます!」やることやったしなんか上手いこと飲まれてるうちにさっさと立ち去る 

マスター「・・・オープン前だってのに朝から騒がしいな(ちゃんと準備できなかったし多少開店遅らせてもいいか…)」奥へ

ユウリ、手紙を眺めながらカウンターへ行ってだらだらするが、とある名前を見かけて跳び起きる。

ユウリ「なんだったんだろう(今朝はヤバい人しか見てない気がする)。(そういえばあの変態、人んちのポスト勝手に開けてったのか…次やったら現行犯逮捕…ってあれ?)私宛?・・・カオリ?」

手紙を読み上げるユウリ「ユウリ、お元気です か?風邪はひいていませんか?ちゃんとご飯は食べていますか?お父さんは元気にしています か?・・・お久しぶりですね。ユウリにとっては初めましてかな?突然のお手紙で驚いているとは思いますが、今日はあなたにどうしても話しておきたいことがあったので送らせていただきました・・・」
独り言が聞こえて表へ戻ってくるマスター

マスター「ユウリ、どうかしたのか?」

ユウリ「う、ううん!なんでもない!手紙とか初めてだからビックリしちゃって!」

 咄嗟に手紙を後ろ手に隠してカウンターから出て舞台面中央へ。マスターの目を気にしつつ見えないように読む。
 ゆっくりと地明かりが落ちていきユウリにピンスポが当たっていく。

マスター「なんだ、男か?」

ユウリ「ち、違います~!今時手紙とか送らないし・・・」

マスター「なにが今時だ。手紙ってのはいいもんなんだぞ?」この辺でマスターの顔がほぼ見えないくらいがいい(ユウリの意識が手紙に集中していくイメージ)

ユウリ「はいはい・・・(もうほとんど聞いてない)」

カオリ、上手袖から登場。淡々とゆっくりと歩いてユウリの横へ。ユウリは読みながらゆっくりとしゃがむ。歩きながらユウリに近づくほど徐々にハッキリと手紙の台詞を被せていき、ユウリはそれに比例してゆっくりと声を落としていきユウリの隣(厳密には隣より少し奥)にたどり着く頃にはユウリの声はオフになり、カオリだけがオンになっているようなイメージ。
着いたらユウリの読んでる手紙を覗き込んでいるような姿勢になる。後ろから子供に絵本を読んであげているようなイメージが近い。

カオリ「ユウリ、お元気ですか?風邪はひいていませんか?ご飯はちゃんと食べていますか?・・・ お父さんは元気にしていますか?」

「元気にしていますか?」でユウリはカオリの存在を意識する。立ち上がり、手紙を大切に抱きしめる或いは握ってカオリがいる方向とは反対側(下手袖)にいるケンイチロウを見つめる(そこからケンイチロウは二人を見つめている)。

 カオリ、観客側へ向き直って。

カオリ「お久しぶりですね」

台詞終わりで暗転

暗 

 カオリ以外はける。

#3『マスターとユウリとカオリ』へ

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