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商品デザインと背景

日本の家屋にとけ込んだ木工の美

TONBIYA WORKSでは、海外から輸入した商品が安く売られたり、大企業が機械を使って大量生産して販売されたりする状況が、てづくり職人の廃業に影響をあたえていると感じておりました。

平城宮跡などから出土した曲物の井戸枠は1300年前のものであってもその作り方の7~8割は現在手で作っている曲物と変わっていません。それだけこの方法が効率的で理にかなっているから伝統技術として残っているのでしょう。

継承されてきた職人の技術が途絶えてしまうと同じものが作れず、文化が途絶えてしまうということがあります。例えば、昔はどこの家にもあった和室は、生活の西洋化によりなくなりつつあります。和室には、床の間や欄間など「わびさび」といった文化を日々の生活の中におくことで、自然を慈しむ日本文化の思想を育て、伝統的な職人の技術を育ててきました。

欄間にはさまざまな彫刻やデザインが施され来客の目を楽しませてきました。家によって欄間のデザインが違いその家のオリジナル性を表していましたが、今はほとんどの家で見ることがなくなりました。

暮らしの中のデザイン

日本の歴史において、昭和初期までの生活空間は、独特の美学が息づいていました。和室を中心とした日本家屋では、欄間や床の間など、さまざまな木工品が暮らしの中にデザインされていました。これらの木工品は、日本の伝統的な美意識を象徴し、暮らしに彩りと潤いをもたらしていたのです。

欄間は、部屋を仕切る際に使われる横木の装飾で、独特の彫刻や絵画が施されています。これらのデザインは、風景や季節感を表現するものから、神話や伝説を描いたものまで多岐にわたります。欄間は、空間の美しさを高めるだけでなく、風通しや採光を調整する役割も果たしていました。

床の間は、和室の一角に設けられた、掛け軸や花を飾るための空間です。床の間には、繊細な木彫りや金具が施された調度品が配置され、美術品や家族の宝物が展示されることもありました。床の間は、部屋の中心となる場所であり、訪れる人々をもてなすための空間でもあります。

日本の生活空間では、欄間や床の間などの木工品が重要な役割を果たしていました。これらの木工品は、職人たちの熟練した技術や独自の美意識が生み出すものであり、日本の伝統文化を伝える貴重な遺産となっています。

日本の生活空間には、木工品が美しくデザインされており、日本の伝統的な美が息づいていました。現代においても、これらの木工品や空間の美学は、私たちが日本の文化を理解し、継承していく上で大変重要な要素です。現代の生活スタイルや建築様式が大きく変化している中でも、日本の伝統的な美を再評価し、それを取り入れることで、私たちの暮らしに新たな価値を見出すことができるでしょう。

商品のデザイン

昨今の生活スタイルは複雑でありながら制作がシンプルになってきているものも多くあります。ネットが復旧し、数多くのデザインを探すこともたやすくなっている中、類似品が多くなることも多々あります。

一番初めに制作した人はその背景に多くの時間と投資を重ねてきたものもあります。
写すのは数分。でもできてしまうのが昨今の状況です。

TONBIYAWORKSの商品も出展後に残念ながら類似品が多く出てくることがあります。
しかしそのデザイン一つ一つには出てくるまでのストーリーがあります。
これから商品を発信する中で少しずつお時間がある方に「こういう背景とコンセプトがある」とわかってもらえるように一文追加していけたらと思います。

今後の課題として、販路の開拓やお客さまの反応を受けて商品をブラッシュアップし、伝統も継承しながら新しい商品を作り続けていきたいと考えています。


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