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おかん留学/My life is an adventure

11月と12月はなんだか別れの月です。クリスマスや正月を前に帰国する人がたくさんいます。今までよく一緒にいた仲間たちが続々と母国に帰国していきました。私が留学し始めた頃に知り合った仲間たちの帰国は本当に寂しいです。楽しい思い出がギッシリ詰まりすぎています。

日本人もほとんど帰国してしまって、マルタで日本語を話すこともずいぶん減りました。

日本人やヨーロッパ人ならこの先もまだ会える可能性はありますが、南アメリカ人ともなると「この先会えるのな?会いたいけど、(日本の反対側に住んでいる彼らとは)もう会えないかもしれない」と思うと、本当に寂しい気持ちになります。毎日当たり前のように一緒にいたから忘れていたけど、実はとても遠くの人だったんだなと思い知らされます。日本の反対側の人達とこんなに仲良くなって、色々なところに一緒に行って、いろんな楽しいことやハプニングを味わって、それを乗り越えて、それらが全ていい思い出になって、留学というのは本当に毎日が冒険というか映画のようです。

彼らが母国語を話している時や、私の話す日本語がわからなかったりする瞬間に「あ、そうだ。この人と私は違う国の人だったんだ」と思います。そして逆に私が日本語を話すと「あ、そう言えば、おかんは日本人だったね」という風に相手も感じていました。お互いが、この友達が全く違う世界で暮らしていたことを忘れているような気がします。


そうだ、私は「ただのおばちゃん」だった

マルタで留学するようになってだいぶ忘れてかけていますが、私は立派なアラフィフ。この前まで、日本のどこにでもいるフツーの主婦でした。仕事帰りにスーパーに行って、毎日ご飯作って洗濯とかしてました。息子や娘と電話したり、日本の友達と話をすると、それを思い出します。

今はすっかり学生気分になっているけど、私も日本に戻れば、この魔法も溶けてフツーのおばちゃんに戻ります。「あ、あの1年間は夢だったのかな?」って思うかもしれません。

だからこそ、ちょっとしたことも全て感謝になります。こんなおばちゃんと「一緒にご飯を食べてくれてありがとう」「旅行してくれてありがとう」「いつも誘ってくれてありがとう」「英語を教えてくれてありがとう」と思うのです。相手はそんなことをこれっぽっちも思っていないかもしれないけど、私は感謝の気持ちでいっぱいです。この気持ちって、日本にいたら気づかなかったかもしれません。

○○ちゃんママって呼ばれてたのに

自分が平凡な主婦だったという感覚だけでなく、最近はファーストネームしか使わないので、ファミリーネーム(苗字)すら忘れそうです。みんないつでもファーストネーム、しかも呼び捨てです。

「Hi Okan. How are you?」これが当たり前の挨拶だけど、日本にいるときはほぼ苗字しか使っていませんでした。呼び方も「○○さんちの奥さん」「○○ちゃんのママ」「○○事業部の○○さん」でした。

下の名前で呼び捨てされるなんていつぶりだろう??

日本にいるときとは全く違う呼ばれ方をするようになって、これも不思議だなと感じます。日本にいたときの呼ばれ方がいいとか悪いとかではなく、それが日本の文化なんだなと思います。


小さなことで幸せを感じられる

日本にいたらなんなく出来ることも、マルタにいると簡単ではなかったりします。例えば、修理の依頼だったり、車の運転だったり、仕事をするとか、言いたいことをサッと伝えるとか。日本で当たり前にできたことが、マルタにいたらできなくて当然なんです。

だから、お店に行って、欲しいものを注文する、違ったら変更する。知らないところに行く→無事に到着する。こういうほんの小さなことができただけで、いまだに嬉しかったりします。伝えたいことがちゃんと伝わったり、目的のものを探しに行って見つけられたりするだけでルンルンになるんです。

日本にいたら言葉が通じるのが当たり前だから、できないとイラッとしちゃったりしますが、マルタでは通じないのが当たり前だから、イライラすることはありません(あれ?もしかして私がイライラされている?)


いつの間にかできることが増えていた

マルタに初めて来た頃の私は、本当に何もできませんでした。初めて1人でいく海外、知り合いも全くいない状態できました。そんな頃に比べると、買い物も1人でできます。バスはもちろん、1人で飛行機に乗ることも平気です。海外旅行をするとEU-PLFとか提出書類がなんやかんやあるのですが、それも忘れずにできるようになりました。バスを乗り間違えても乗り直すことや、バスの運転手さんに行き先を確認することもできるようになりました。知らない人に話しかけられても(オドオドしちゃうけど)話せるようになりました。映画も見ました。全部英語だし、字幕ないけど、なんとなくストーリーがわかりました(把握できたのは多分35%くらい)。

何より私の夢だった授業中に先生が言ったジョークに笑うこと。これができているような気がします。

自分の語学力アップの速度が遅すぎることに凹みはするものの、こうして考えてみると色々できるようになっているものだなと思います。

そんなことを思うと、改めて私は毎日冒険してるんだなと感じるのです。冒険が始まってから半年が経ち、折り返し地点になりました。同様に人生もちょうど折り返し地点(人生100年時代というのなら)まだ半分。私は本当に人生のど真ん中にいるのかもしれない。これからが楽しみです。

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今、マルタにシルク・ドゥ・ソレイユが来ています。

日本で見るチャンスを逃したので見れて嬉しい。
あの人たちの身体能力は偏差値80越えだなと思うパフォーマンスでした。
夜のバレッタは本当に美しい。


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