見出し画像

コーヒーが飲めなくなった私に残るものは。




コーヒーが大好きだ、と思っていた。



3年くらい前から体調にもよるけど

コーヒーを飲むと頭が痛くなって、

胃がキューっと痛くなるようになった。



あれ、でもこの感じ、
本当は昔から味わったことある。




コーヒーを飲むと体がスーッと寒くなって、

少し体がだるくなる。

けど、なんかドキドキして、

それで誤魔化されて

気が付かないフリしてた。


コーヒーが飲めなくなると、

すごく寂しい気持ちと、

どうしようって焦る気持ちが湧いてきた。




なんで焦ってるんだろう。



なんで寂しいんだろう。


なんで焦ってるんだろう。


だって

コーヒー飲めなくても日常生活に支障はない。


なんでだろう。


......母だ。

いつもいつも仕事に家事に忙しい母は、

コーヒーを飲む時だけは手を止めて、

おしゃべりしてくれた。

その時間がすきで、
しあわせで


それが永遠に愚痴だとしても。


ずっと続けばいいと思っていた。


でもコーヒーは飲めば減り、

冷めて、

ただの冷たくて苦い飲み物になっていく。



コーヒーが無くなると

母は席を立ち、

また慌ただしく家事に戻っていく。






そっか。


コーヒーが飲めなくなった私は、


母との時間がなくなりそうで、
怖かったんだ。


母の「コーヒー飲む?」の誘いは、ワクワクした。

本当は、今飲みたくなくても、次はいつくるのか分からないから、「飲む」と答える。


そっか。


こわくてもいい。

さみしくてもいい。


母の誘いを断ってもいい。


コーヒーの代わりに、紅茶でもお茶でもお水でもいい。





そう思える様になった私は、

母との会話が、前より増えている。


そして、愚痴はできるだけ、嫌だと言えるようになった。


それでも目の前の母は、笑っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?