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2023-01-14: 24時間の使い方(平日編)

ひと月遅れの商業原稿を脱稿したものの、週末は切迫した二次創作同人誌のゲスト寄稿にかかっていた。といっても、休日は幼い子供が家にいるので、日中自室に籠もってばかりもいられないのだが。

ある程度余裕のある〆切を頂いているのに、どうして毎回ラストスパートになってしまうのだろう。
いわゆるパーキンソンの第一法則(仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する)に華麗に従ってしまう。

マイクロソフトでの活躍が有名なエンジニアの中島聡さんが、『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(文響社)において以下のように書いていた。

ラストスパート志向の一番の欠点は、最後の最後までそのタスクの本当の難易度がわからないという点にあります。
(中略)ラストスパート志向で仕事に取り組むと、仕事の後半に予想外のアクシデントが発生して、完了までの時間が延び、ほかの人に迷惑をかけてしまう可能性が出てくることを忘れてはいけません。

中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』

これは本当にそう。
なにごともそうだが工期中、まったくアクシデントが生じないなんてまずあり得ない。作業に内在する不確実性に起因する場合もあるし、アンコントローラブルな外的要因(たとえば、自分の病気や家族看護、重要な別件差し込みなど)に見舞われる。

そんなの経験的にわかってるんだから、爆速スタートダッシュをキメればいいだけの話なのに、できないんだよな。私は。見えてる地雷を踏む男である。


時間術の話をしたついでに、せめて私の平日の時間の使い方を棚卸ししてみよう。

たまに「塀さんって何人いるんですか」と聞かれるが、質問者の動機に応えられるアメージングな時間術の用意は私にはない。
ブラックジャックが自分の手術について「いやあ、ヤクザのチャンバラですよ」と語っていたが、私も完全にそれ。ブラックジャックにはなれないのだが。

  • 6:00 ~ 8:00

    • 起床。夕食の皿洗い、洗濯、ゴミ出し、子供の朝食用意、保育園への連絡帳記入や持ち物準備など行う。奥さんとの明確な役割分担はないが、連絡帳は任せがち。

    • 時間が余れば、原稿作業や会社の仕事をする。6時起床だとほぼそんな余裕はないが。

  • 8:00 ~ 9:00

    • 子供と奥さんを起こす。子供の着替え、食事、登園を分担して行う。

    • 基本的に、大人の朝食を用意する余裕はない。

  • 9:00~12:00

    • オンサイト勤務がある場合、保育園への送迎の都合で9時過ぎに自宅を出て11時前にオフィスに着く。この場合、朝食はスキップになる場合が多い。

      • もともとフルリモート前提で現職に入社した際に住居も郊外に移したため、ドアドアで2時間弱消費してしまう(その後オフィス回帰の大号令が発布され、2023年1月現在は週2でオンサイト)。

    • リモート勤務できる日は、9:30くらいまでに朝食を摂って勤務開始する。

  • 12:00~13:00

    • 昼食。リモートの場合、締め切り前は原稿を進めたりもする。

      • 余談だが、TYPE-MOONの武内さんも月姫開発時代、コンパイル勤務だったので昼休みに帰宅して原画作業を進めていたらしい。奈須さんがまんだらけのインタビューで「月姫の塗りが甘いって感想を目にするけど、武内大変だったんですよ……」って言ってた気がする。

  • 13:00~17:30

    • 17時半までに保育園へ子供を迎えに行かなければいけないため、17時半目処で退勤することが多い。

      • ちょっと早いため稼働時間調整が(完全裁量労働制でない場合)難しくなるが、やむを得ない。開始を早めたり、夜再稼働するしかないが、育児ネックにより両方容易ではない。

      • 子供が帰宅したら、奥さんが夕食の準備をしてくれている間世話をしたり(あまりできてないのだが)、夕食後の入浴や寝かしつけが間髪入れず発生する。

      • ビジネスインパクトの高い差し込み対応が生じた場合、奥さんにお願いして17時半以降も業務継続する。この場合奥さんに家庭的ワンオペを強制することになるので、どこかでフォローしないといけない(できているとは言ってない)。

    • 子供すぐ鼻水ずるずるになるので、そういう場合は降園後に通院させる。病院によっては朝連れて行くケースもある(そういう場合、デイリースタンドアップをスキップさせてもらうなど、会社と都度調整が必要になる)

  • 17:30~20:30

    • 夕食(準備含む)、入浴、寝かしつけ。

      • 今年は寝かしつけもっと頑張りたい。現状、奥さんに高負荷を強いている育児タスクの筆頭であるため。

      • うちの子供は睡眠下手くそなので、夜間結構目が覚めて都度親がオンコール対応を要求される。私も奥さんも夜はめちゃくちゃ仕事をしているので、外部要因によるスイッチング・コストがここ2年くらいずっと高い。

        • 今冬でこの課題はなんとかしたくて打ち手を講じる予定。

  • 20:30~25:00

    • 育児差し込みを除くと、夫婦でだいたい仕事してる。

    • 会社の残務がある場合、子供が寝たあとに再稼働する場合もある。

    • 上伊那ぼたんの原稿や落書きはだいたいこの時間で進めてる。

    • 25時には寝たい。20代のときは朝4時まで仕事しても数時間寝れば出勤できていたが、今それをやると体と精神が崩壊する。

      • ある程度心理的・身体的余裕がないと育児対応や差し込み(子供の突発的看護とか)に対応できないので、自分ごとだけで消耗しきることはもうできない気がする。リスクが高すぎる。

  • 25:00~

    • 寝。締め切り前やノッてたらもう少し睡眠時間を削る。


こんな感じだ。
「映画見たり本読んだりはどこでしてるの」という話になるが、映画についていえば1ヶ月のなかで比較的余裕がある時期や、インプットをしないといけない期間に意識的に観てる(この期間を取りすぎるとラストスパートになってしまうんだなあとは思っている)。
本については、常に読んでいる(キルア感)。室内移動中もkindleを読んでるし、子供を入浴させて奥さんにパスした後も風呂で読んでるし、通勤中の電車で読んでる。空いた時間があったら基本的にkindleか物理本を読んでいる。これはもう習慣みたいなもの。

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