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志の吉さんだった頃のこと

笑点の大喜利の新メンバーが、立川晴の輔さんに決まった、と言うニュースを聞いて思い出したこと。

大昔のことだけれど、ご縁あって当時二つ目・志の吉さんでいらした頃のこの方を、心から応援している方が主催する、小規模な独演会のお手伝いをしていたことがある。

その頃私は、柳家喬太郎ガチ勢の先輩から、余分に取れたチケットのおこぼれを回してもらって、月に数回、喬太郎の独演会に足を運んだりしていたので、
「落語好きなんでしょ?」
という漠然としたイメージで白羽の矢が立った模様。

何もかも手探りの独演会、座布団なんてものは存在しない会場だったので、志の吉さんに事前にご自身の座布団を送っていただき、翌日送り返したりしていた記憶がある。
舞台の高さが足りなくて、ステージの下に古雑誌を敷き詰めて底上げをしたり、まあ、色々。

迎えた初回、失礼ながら全ての演目は覚えていないけれど、「井戸の茶碗」を演じられたのはよく覚えている。
上品でクセのない、とても聞きやすい落語だなぁと思ったのと、とりわけ女性の登場人物の演じ分けと、その時にほんのりと立ちのぼる色気が、
「見事だなぁ・・・」
と、思って、主催の方にそう申し上げた記憶がある。

小規模とはいえ、毎回50名以上のお客さんが来ていたと思う。
落語初めてのお客さんが8割くらいだったと思うけれども、そういうお客さんも落語好きも、志の吉さんの落語の世界に気持ちよく、安心して身を委ねていられた、良い会でした。

初回のマクラで、
「こういう個人主催の独演会は、だいたい4回目くらいで主催者が力尽きて自然消滅してしまう。この会はそうなりませんように」
と言う趣旨の話のクスグリをされていたのですが、案の定というか・・・。
確か3回目終わったところで、私が遠くに引っ越したり、同じくお手伝いしていた人も仕事の都合で続けられなくなったりで、ウヤムヤのまま消滅したのが、申し訳なかった。

その後もなんとなくご活躍ぶりを気にしていましたが、今回の笑点の大喜利メンバー就任は、ニュースの扱いなども大きくて
「おおお」
と、思い、色々思い出した次第。

地方に住んでいると、まあ地方でもたまには落語会がありますが、都内のように「毎日そこら中で落語をやっている」という環境は望めず、気になる落語会もスケジュールが合わなかったり(そもそも子供が生まれてから夜の外出がムツカシイ)で、すっかり遠ざかってしまいました。
今度子供連れて東京に行ったら、寄席の昼の部なんかに行ってみてもいいかもしれない。

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