読んだ本の話その4

本の紹介をしています。

今回はエッセイです。エッセイは読みやすくて面白くて読んでて楽しい感じがしますね。

これまで読んできたエッセイはだいたい小説家の人が書いてるエッセイでしたが、どの本もとても面白く、やはり人に文を読ませるプロなんだなと読むたびに思います。

以下本文です。





とりあえずお湯わかせ 柚月麻子

1児の母である小説家の作者が、食生活、はじめての子育て、そしてコロナ禍での閉鎖的な生活についてあれこれ語るエッセイ。

「きょうの料理ビギナーズ」という雑誌で連載されていたものを編集したもの。

考え方の豊かな人間の思考に触れると、周りの人間も明るくなるような気がするが、そんな感覚が得られた。なにより読んでいて楽しい本だった。

エッセイなので題材が読みやすいのと、読み進めていくことで新しい発見ができたり、心が前向きになったり、あるいは現在の社会構造の在り方について考えさせられたり、読後に自分の変化が感じられた。

あとは食べ物や料理の話が度々出てくるので、これを読んだ週は料理をしたくなった。普段作らないような料理とかを。

生活を送る中で執筆した文章なので、生活の知恵みたいなものがいくつか出てくるが、その一つが秀逸なので紹介する。

今回から始まったこの連載、タイトルは母の口癖だ。何も手につかない時はお湯を沸かせ、そうすればお茶を飲むなり、野菜を茹でて一品つくるなり、最低でも部屋を加湿できる、いわば停滞を脱するとっかかりを最もハードルの低いところでつかめ、という家訓のようなものだ。
私自身大変な面倒くさがりなので何かを簡略化するセンスはある方だと思う。この連載が忙しい読者のみなさまがへとへとな時、重い腰を上げる手助けになればいいな、と思っている。

とりあえずお湯わかせ 柚月麻子

やる気のない時はとりあえずお湯を飲むという習慣のある自分にとってはなんだか共感できるし、なにより停滞の様子とその時の気持ちのせめぎあいの様子が浮かんでくる。

個人的には後に出てくるスマホ依存症克服への取り組みも好きな話だが、それは本編で。



連載の途中からネットに媒体が変更されたので、本編に収録されていない記事で好きな回を参考に一個貼っておきます。


今回の記事を書いている途中で別の記事を書き出したりそっちに気合が入ったりして更新に時間がかかりました。

やる気のあるうちは頑張りたい。