読んだ本の話その7


具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ(細谷功)

評論。

内容は少し堅いが、極力噛み砕いてくれているしページ数も少なく読みやすい。

タイトルのとおり、具体と抽象の概念について語られる。

主に、「わかりやすさ」と対比される概念の「抽象」に光を当てた本。

自分が大学生の頃、ゼミの教授が「抽象と具体を何度も反復することが一番大事」と繰り返し言っていたので、その言葉は記憶に残っていたが、まさにそれを詳しく書いてくれている。

本編を一部引用する。

抽象度の高い概念は、見える人にしか見えません。抽象化というのは、残念ながら「わかる人にしかわからない」のです。だから本書の目的は、読者に「わかる人」になってもらうことですが、あくまでもそれは最終目標で、一度読んだだけで習得できなかったとしても、「自分の見えていない世界が存在している」というイメージをつかんでもらえればよいと思います。

周囲に「わけのわからないことを言っている」と感じる人はいませんか? もしいたとしたら、こんなふうに考えるだけでも、仕事のやり方や世の中の見方が変わってきます。
「もしかしたら、私には見えていない抽象概念の話をしているのではないか」
「表面的なことではなく、そこからつながっている本質的なことを語っているのではないか」

具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ(細谷功)

抽象的なものを理解することは難しいが、自分の理解できないものだからと言ってそれを切り捨ててしまうのは、自らの未熟さを知らしめているようなこと。

そうならないように意識をするだけでも、生き方が少し明るくなる気がする。


前書きはやめました。

書きたいと思って書かないとなかなかやる気にならないので、書く方はやはり不定期になります。

今は読む方が楽しい時期です。