醒めた眼で見てみる 絶えることのないこの世の殺戮を 愚かしく幼稚な権威者達の煩悩を 引いて見てみる この現実を 自然科学の一現象として どうしたって消せない 無力感と虚無感と絶望感を伴いながら 人も地球も含めた あらゆるすべての存在が 宇宙と呼ばれるものの一部であるならば 宇宙全体のエネルギーバランスを保つために それらは絶えないのかもしれない そうでも思わなければ そうでも思わなければ 私という一現象も そのバランスの渦に 巻き込まれてしまいそうだ いずれにせよ
「野心」という言葉に 否定的な意味を感じていた そこにはある種の「あさましさ」が あるような気がして それゆえ 自分の中にある「野心」を あさましいものとして 恥ずかしいものとして 封印しようとしたり ごまかそうとしたり いや 「野心」は善でも悪でもない 「リソース」だ
腹立たしい人に対して 「怒り」ではなく 「憐れみ」を感じること 若い頃は それを一種の 「傲慢」だと思っていた むしろ 「憐れみ」を感じている人に 腹立たしさを感じるほどだった それが なんとか半世紀以上を生き延びて 「憐れみ」の感情が いつの間にか自分の中に宿っていて それに気づいた時に 「安堵」を感じている 自分がいた