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さるびあ丸の電波状況

さるびあ丸(東海汽船)のインターネット環境について乗船時の様子が残っていたので参考としてメモ。何度か乗船した状況を総合的に。



☆Starlinkの運用について。

 さるびあ丸では2023年11月27日~2023年12月27日に衛星通信サービス「Starlink」のトライアル利用を行っており、根元回線がStarlinkに接続されたwifiが6階レストランと4階案内所に設置されています。6階レストランは営業時間のみ利用可能ですが、Starlinkのトライアル導入に合わせてレストランの営業時間外の一部時間帯でスペースの開放を行っています。コロナ禍で中止されたスペースの開放が復活した形です。
 KDDIがStarlinkの海上利用プラン「MARITIME」を提供しており、おそらくこれが使われています。免許の制約により日本の領海内でのみ使用が可能となっています。神津島航路では常時接続が維持されますが、12月中旬から下旬にかけて同様にトライアル利用が行われる八丈島航路では領海外を出る時間帯があり、使用ができません。2024年2月14日より使用可能領域を領海外まで拡大し、接続水域、排他的経済水域、公海まで使用可能となりました。

海上保安庁HPより日本の領海等概念図

 従来のwifiでは東京湾内にいてもまともに使えない状態だったところ、航海中ならいつでも動画サービスが見れるくらい安定的にインターネットが利用できるようになりました。多数の人が利用している状況でも数十Mbpsが出るくらいの太さがあります。
 提供されている場所は6階レストランと4階案内所ですが、4階案内所の電波は中央付近の共用部であれば接続が可能で、PCのような電波を拾いやすい機材なら3F自販機前の椅子(4階案内所とは逆位置)でも接続可能です。船室での利用は4階案内所の近辺のみです。
 なお、下船前など多数の乗客が4階案内所に集まる時にはおそらくwifiの方の限界でほぼ接続不能となります。また、従来のwifi(ssid:tokaikisen)の方がwifi電波が強くなりがちでそちらの方が優先接続される傾向にあるので、従来のwifiは自動接続されないように設定しておいた方がよさそうです。
 トライアルだから無料、のような感じを受けましたが、有料化するとしたら太平洋フェリーのソフトバンクwifi(衛星回線)が24時間1,078円であるところ、12時間500円くらいで採算が取れそうな感じがします。下り便は不通の時間帯は深夜なので、需要は上り便の方になりますかね。

簡易的に電波を調査。PCならもう少し入るかもしれません。

⓪繋がる時間帯。

ドコモ回線の電波状況についての情報となります。他社(特にau)はこれよりも酷くなります。格安simは利用している回線に依存するので、ドコモの回線を使っているものなら同じように繋がります。
東京湾内ではそこそこ速度は出ますが、湾を出てしまうと全般的に回線が安定せず、不通になる時間帯もあります。サービスマップには電波が出ているように書いてあっても、島から出ている電波は弱くて遅くて細いので、あてにはできません。

ドコモ回線の繋がらない地点間
①東京湾外~伊豆大島手前まで(下り深夜時間帯、上り16時頃~17時頃)
以上の区間です。上記以外でも東京湾内に入るまでは電波は安定しないと考えた方が無難です。

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ドコモのサービスマップと航路を合成


①wifiはありますが。

さるびあ丸はwifiが設置されています。
wifiにはちゃんと接続しますが、ネットワークに繋がらないことが多々あります。想像するに、各wifiはその場のドコモ電波を拾ってwifiに変換するような仕組みではないかと考えられ、よってwifi設置場所でドコモが繋がらなければwifiも繋がりません。根元の回線の帯域が細そうなので、乗船者が多い時は湾内でもwifiは繋がりにくくなります。あてにできません。繁忙期はまず繋がらないでしょう。
wifiが実質的に利用できるのは多くの乗船客が寝静まった深夜以降となるでしょう。


②上階層でないとモバイル回線は届きません。

2~4階は窓がなく、鋼鉄製の船内は電波の通りが非常に悪いです。4階は中央階段まで出てくればなんとか電波が飛んでいますが、船室の方は弱くなります。階段付近ではwifiを拾おうとウロウロしてる人がいます。2~3階は絶望的で、モバイル回線にほとんど繋がらない他、wifiは接続できても前述のとおりドコモの電波が飛んでいないため、ネットワークには繋がりません。
2等~1等船室はどの階に当たるか分からないため、当たり外れがあります。
船室以外で電波があって椅子がある場所といえば、5F自販機前ベンチ、6F船外となり、椅子に加えてテーブルがある場所となると、6Fレストランと5F船外だけになります。それ以外は本当に座る場所がないです。夏なんかは船外で床に座って(宴会して)いる人がいっぱいいます。レストランは込み合い、かつ結構値段が高いです。船室以外に居場所がなく、仕事をするには向かない船です。

③auは厳しいです。

各通信会社とも、海上での電波の目安をサービスマップで公表しています。既出のドコモと比べるとauは大島北側に飛んでおらず、行程の多くで電波が期待できません。

auのサービスマップより
ソフトバンクのサービスマップより

④上り欠航の場合。

海上の状態が悪い場合は利島~式根島間の上り便が欠航(=寄港しない)となることがあり、特に冬期は多く発生します。東京行きの乗客も下り神津島行きに乗って折り返すことになります。
この場合、上りの航路は⓪で示した島の西側ではなく、東側を通って大島(多くは岡田港寄港となる)に向かいます。
電波はドコモサービスマップを見ると東側の方が良さそうに見えますが、比較的良く繋がります。ただしauは通常航路より更に繋がらなくなります。

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