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人に伝わる強力な表現の技術~対比の存在を登場させる~

人間の脳は、比較対象がないと
モノゴトを認識できません。

だから、人に何かを伝える時には
必ず比較対象を登場させると良いです。

悟空の対比として登場したクリリン

例えば人気マンガのドラゴンボール。

連載当初(4週目以降)は
打ち切り候補に名前が上がるほど
人気が下がって来たそうな。

「これはマズいぞ」
「人気が下がっている原因は何か分析して
その原因を改善しなければ…」

と編集の鳥嶋和彦さんと作者の
鳥山明さんが話し合いをした。

その結果、たどり着いた答えは

「主人公(悟空)の存在感がない」

ということ。

最初のドラゴンボールで
目立つキャラは確かに
ブルマや亀仙人。

悟空は彼らに巻き込まれる形で存在していて
自分から動いてはいない。

では、悟空とはどんなキャラなのか。

鳥山明さんが出した答えは

「強くなりたいキャラ」

じゃあ、強くなるための修行をして
その後の天下一武道会で強くなったことを
読者に見せよう。

そんな話になった。

ただ、悟空が一人で修業をしても
キャラクターが深掘りされず
悟空の存在感は薄いままになる
可能性があると。

悟空の存在感を際立たせる
ためにはどうしたら良いのか。

答えは「対比の存在」を登場させて
一緒に修行させることだった。

対比の存在として
出て来たのがクリリン。

彼は悟空とは真逆の存在で

・ずる賢く
・要領がよい

彼と一緒に修行をさせることで
悟空のキャラが際立つハズだと。

結果、どうなったかというと、
ドラゴンボールの人気はジワジワ上がり
天下一武道会編のときにはトップを取れるほどの
人気マンガになっていたとのこと。

当時のジャンプの絶対的
人気ナンバーワンは北斗の拳。

ドラゴンボールはその北斗の拳を抜き去り
第一位になった。

悟空のキャラを際立たせるために
真逆の存在であるクリリンを出した。

こうすることによって主人公としての
悟空のキャラが伝わり、結果ドラゴンボールは
大人気マンガに。

比較対象がないとモノゴトを判断できない

人の脳は、何か比較になる対象がないと
モノゴトを判断できない。

だから、対比を出さないと
伝えたいことが伝わらない

人に何かを伝えたいなら対比となる
存在や概念を登場させよう。

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