【5.8億円調達済み】GitPOAPって何?
この記事は…
今回は【GitPOAP】(ギットポープ)というサービスを紹介します。
最近はシードラウンドで約5.8億円もの莫大な資金を調達したことでネットニュースにも取り上げられていました。まさに今波に乗っているといった感じですが、「そもそもどんなサービスなの?」とお思いの方もおられるでしょう。
そんな方にもわかりやすいようにまとめてみました。
GitPOAPって何?
GitPOAPとは何なのか。
GitPOAPのホームページには以下のように記載されています。
「GitPOAP は、POAP 発行を GitHub に統合する貢献者認識プラットフォームです。」
定義的にはこれがGitPOAPの説明のすべてになってしまいますが、少し端的すぎるのでかみ砕きます。
簡単な文章にいいかえると、
「GitHubで頑張った分、それ相応のPOAPを贈呈します。それをもってレポジトリ所有者はコントリビューターの貢献度を判断できます。」というプラットフォームです。
これにより、GitHubを使用して何らかの成果物をつくる際、プロジェクトのリーダーが、作業者(コントリビューター)の貢献度を可視化された状態で、公平、適切に判断できるようになります。
しかし、現状はまだGoogle上にも情報は少なく、企画内容よりも資金調達が衝撃的なニュースとして取り上げられているというようなイメージです。
通常のPOAPとの違い
通常のPOAPはWeb3社会において、イベントや集まりで記念品のように配布され、「その場にいた証明となるバッジ」として価値を示します。
しかしGitPOAPは形式としては通常のPOAPでありながら、プロジェクトへの貢献をあらわすという点で独特の境界線を作っています。
この独特の境界線を売りに、これから発展するであろうPOAP界隈での"オンリーワン"を目指しているようです。
GitPOAP側の目的
GitPOAPのCEOコーファックス・セルビー(Colfax Selby)氏は以下のようにコメントしています。
「POAPは、あなたが行ったことの記念品としての役割を果たすだけでなく、ソーシャルアプリケーションやプロフェッショナルアプリケーションの活発なエコシステムへのゲートウェイでもあります。人々の現在のオンラインでの評価は非常に限定的ですが、Web3においては、より深く、ニュアンスを含んだオンライン評価が必要とされています。私たちはPOAPの能力を進歩させることによってこれを促進することを目指しています。」
ゲートウェイとはIT分野において、プロトコルの異なるネットワークを中継する機能を指します。
コーファックス・セルビー氏は今後のWeb3時代において、GitPOAPが、GitHub上のみならず、様々なプラットフォームで正当な評価対象となることを目指していることがわかります。
また、とあるプラットフォーム上で得たGitPOAPが、他のプラットフォームでもオープンソフトウェアの枠を超えて一般化し、あらゆる組織で利用されるような可能性を秘めている仕組み(それぞれのプラットフォームの垣根を超えた橋渡し的存在)でもあります。
個人的には今の現実世界でいう「資格」かなと思いました。
「どこの会社にいってもある程度自分の能力として証明になる。」
Web3時代のそんな存在になるのではないかなと感じます。
ちなみに、GitPOAPはパブリックAPIを公開しており、Web3社会での構築でGitPOAPのサポートが必要であれば問い合わせてほしいとしています。
GitPOAPの利点
GitPOAPは公式ページで、コントリビューターに対して従来の評価方法(A法)よりもGitPOAPを活用した評価方法(B法)のほうが、主に5つの論点においてメリットがあるとしています。
①検証可能性
A法では成果物から遡って実際の貢献度合いを確かめるのは困難だが、B法では暗号化された証明とともにPOAPが発行され、改ざんされることなく保存される。
②不変性
A法では貢献が行われた事実から時間が経過すると、その影響を明確にすることは難しくなるが、B法では人々の記憶に依存することなく、貢献の記録が永久に持続する。
③オープン性
A法では、組織内で貢献した人が、その成果による世間一般からの評価を受けることは少ないが、B法ではPOAPの発行と所有権は本質的に公開されており誰でも照会できる。
④構成可能性
A法ではそれぞれの組織における評価基準が異なり、貢献度合いの相互運用ができないが、B法ではPOAPが貢献度合いを表すので、他のアプリケーションでも使用、構築できる。
⑤比較可能性
A法ではさまざまな貢献の価値を比較することは困難だが、B法ではコントリビューターが行った貢献度合いを標準化して表すことができるため、簡単に比較できる。
以上の5つは、Web3のメリットとして考えると当たり前といえばそうです。
しかし、Web3のメリットをダイレクトに評価に反映しており、GitPOAPがこれからの時代のニーズに合わせたサービスと改めて感じました。
ユーザー体験
まだリリースして間もないですが、2022/8/31現在、439人のコントリビューターと、688人のレポジトリ所有者が登録しています。
ユーザー(コントリビューター)は公式サイトで、貢献している項目別(ウェブやウォレットなど)でランキング付けされたり、項目関係なく、合計の貢献度だけで「名誉ある貢献者」として紹介されたりしています。
現在合計で1位のコントリビューターは21個のGitPOAPを所有しています。
将来性
GitPOAPは今後「プロの技術や貢献、成果が認められるための主要な手段となること」を目標に展開していき、シードラウンドで調達した5.8億円という莫大な資金はチームとプロジェクトの拡大に充てるようです。
今後に期待が持てるサービスと言えるでしょう。
調べて分かったGitPOAPの不完全性(課題)
調べていて、素人目線ながらにGitPOAPの不完全だなと思う点を見つけたので記録程度に残しておきます。
それは「1つのGitPOAPが示す貢献度の範囲が広く、貢献の具体性が不明確」という点です。
GitPOAPでは、現状、同じプロジェクトで同程度の作業を行ったコントリビューターには同じPOAPが渡されるようです。
試しにホームページからPOAPを見ましたが、以下の画像のように記載されていました。
これでは貢献の内容が抽象的で、貢献した度合いはわかってもどのような貢献をしたのか、その内容があいまいになりすぎてしまうのでは、と思いました。
「一目で貢献度合いがわかる」整合性や合理性と、正当な評価にはパラドックスがあり、議論の余地がありそうです。
その他には目立った弱点は無いように感じました。
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