仏壇・仏具にも使われる銀箔の魅力!
最近、作品に対しての装飾で銀箔押し(貼り)の話があり、少し勉強させていただきました。
銀箔はそのままでも大変美しいのですが、金箔やプラチナ箔と違ってそのまま放置しておくと酸化、硫化し、色のトーンが落ちてくすんできます。
コーティングなどで抑える工夫もありますが、やはり銀箔そのものの表面の輝きは
なくなってしまいます。
銀箔を加工することで様々な色に変化します。
昔から使われる技法で有名なのは、硫化銀箔(燻し箔)。
銀箔は硫黄の燻しによる硫化反応によって色が変化していきます。
銀から金、赤、青、グレー、黒と、燻す時間によって変色していくのです。
特に赤は赤貝箔、青は青貝箔という名称で呼ばれ、芸術作品やパネル、内装工事にも使われます。
一枚一枚表情が違うため、予測できない仕上がりの楽しさを味わうことができます。
その他、銀箔には染料、顔料による着色技法もあります。
さて、これらの技法はもともと京都・西陣織の引箔(ひきばく)技術に取り入れられていました。
先日、この引箔の紙加工をしている職人さんを訪ねました。
引箔というのは目止めした和紙(原紙)をベースに色漆やラッカーなどで彩色し、この上に金銀箔で模様をつけたもの、蒸着で金銀を転写したものをベースに着色、加熱、箔などによって模様表現をしたものです。
(説明は非常に難しいです)
この工程の一つに銀箔表面を焼いて(硫化させて)色を表現する技法があります。それが先述の色として美しい製品につながっています。
そしてさらに、この和紙を裁断職人によって0.5mm前後の細さに糸のように仕上げ、織機による作業によって一本ずつ織り込んでいきます。(気が遠くなりますね)
西陣織の技術の素晴らしさと奥深さを垣間見た感じがしましたが、和紙に様々な表現をしていく工程と仕上がりは、引箔のためだけの技術ではなく今後の異分野への可能性を大いに感じました。
さて、これから我々が作る製品に対して銀箔がどのように活躍してくれるでしょうか。楽しみにしておきます。