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友安製作所のものづくり【金属加工編】

こんにちは、広報のCuminです。
今回は、友安製作所のルーツでもある金属加工、主に鉄の加工について。自社で工場を持ち、溶接から塗装までほとんどの加工を行っているので、作れるものの自由度が高いことが私たちの強み。そんな製造の現場を、写真もまじえてご紹介します。

金属加工は友安製作所のルーツ

友安製作所は、もともと金属製のカーテンフックを製造する町工場でした。当時はカーテンフックの製造はもちろんですが、カーテンフックを作る機械まで作っていて、さまざまな金属加工の技術を培ってきました。
そんな技術を応用して現在行なっているのが、家具や建具といったインテリア用品の製作です。
今回は家具製作の中でも中心となる、溶接と塗装について、どのように行なっているのか、工程やこだわりポイントをご紹介したいと思います。

溶接について

溶接は、金属と金属をくっつける加工のこと。家具には主に、鉄を使っています。
美しく質の高い製品をつくるために、職人が一点一点丁寧に加工を施します。特に友安製作所の家具は、細くて繊細なデザインのものも多いので、それだけ細かく丁寧な加工が必要になります。

①材料カット

ひと言で「鉄」と言っても、角パイプや丸パイプ、Lアングル、H鋼、鉄板などなど、多種多様の材料があります。こうした材料の中から、最適な材料を選び、カットするところから始まります。
ものづくりは下準備が肝心。カットから精密に行い、コンマ5ミリでもずれたらやり直します。

材料カット
寸法を図るときは慎重に

②穴開け、曲げ、開先加工、面取り

材料をカットしてすぐに溶接ではありません。面取りと言ってカットの際にできる鋭利な角を落としたり、作るものによっては穴開けや曲げ、開先加工といった加工を施します。
開先加工というのは、溶接をする際の接合部分に溝を作る方法です。手間のかかる作業ですが、強度を高く美しく仕上げるためには欠かせません。

穴あけ加工
曲げ加工

③仮付溶接(点付溶接)

ここからようやく溶接ですが、いっきに全てを溶接するわけではありません。実は溶接すると、熱によって鉄が反ってしまいます。そのため、まずはポイントとなる部分を点で溶接して固定します。
特に一点もので治具(部材を固定する装置)がない場合などは、必須の作業です。元の素材や、作りたい形状によって、都度ポイントになる部分や、仮付溶接をする順序が異なるので、美しく仕上げるには経験や勘なども必要。職人の腕が試される工程です。

点付け溶接
点付け溶接をするとこんな感じに

④本溶接

仮付溶接で部材が歪まないように固定できたら、本溶接をします。溶接にもいくつか種類がありますが、当社で家具などを制作するときは、主に仕上がりが美しく、繊細な加工ができるティグ溶接という方法を用いています。

本溶接
本溶接をするとこんな仕上がり

⑤グラインダー仕上げ

溶接をすると、接合部分に盛り上がりができます。当社ではこの盛り上がりをグラインダーという機械で研削し、フラットにします。こうすることで溶接の跡が分からなくなり、まるで元からその形だったかのように仕上がります。美しい製品を作るために、この手間は欠かせません。
ただし、ただ削れば良いというわけでもありません。例えば角パイプの場合、まっすぐに見えて実は少し外側に膨らんでいるので、その微妙な膨らみに合わせて削らなければなりません。溶接部分だけまっすぐに削ってしまうと、その部分だけ少し凹むことになります。よーーーく見たり、触ったりしないと気づかない部分ですが、そんな細かいところにもこだわっているんです。

グラインダー仕上げ
グラインダーで仕上げるとツルツルに

塗装について

当社の鉄製品の塗装は、主に「粉体塗装」という塗装を施しています。粉体塗装は、粉体を静電気で付着させ、焼き付け乾燥させることで塗装を施す方法で、一般的な液体での塗装に比べて環境や体にやさしく、耐久性が高いことが特⻑です。
この粉体塗装の工程についても、ご紹介します。

①シンナー洗い

塗装においても、下処理が重要です。
鉄は材料として入荷する際、錆びないように多量の油が塗られています。まずはシンナーでこの油をきれいに洗います。油が残っていると、塗装をしたときに油ジミができてしまいます。

油を拭き取ります

②スコッチ磨き

溶接などの加工をする際、どうしても細かな傷が付いてしまいます。こうした傷も、塗装前にきれいに磨き上げます。

傷がなくなるようクマなく磨きます

③エアー

傷を磨いたら、最後にエアーで粉を落とします。ここで塗装時のゴミの混入を防ぎます。下処理をどれだけ入念に行うかで、塗装の美しさが左右されるので、丁寧な作業が求められます。

エアーで汚れを払います

④粉体塗装

下処理が完璧にできたら、粉体塗装を施します。粉体の塗料を吹き付けていくのですが、全体を均一に塗るのは簡単ではありません。一見きれいに塗れているように見えてもコンマ数ミリ厚みの差が出ているということも。薄ければ錆の原因に、厚ければ剥がれの原因になります。これを防ぐため、当社では専用のチェッカーを使い、定期的にムラが出ていないかチェックを行っています。
また均一に塗れるように、手の動かし方や塗る順番などを工夫したり、練習を重ねることも欠かせません。

粉体の塗料を吹き付けます

⑤窯入れ

粉体を吹き付けたあとは、約2時間、窯に入れて塗料を焼き付けます。
はじめの30分でいっきに180度まで温度を上げ、粉体を溶かします。その後1時間30分かけて60度まで冷まし、塗料を固めます。こうすることで、強くて美しい塗装が完成します。

窯入れが終わったあと

製品の紹介

友安製作所では現在、金属加工を用いてさまざまな製品を作っています。雑貨や家具、ディスプレイから、建具やキッチンといった大型の製品まで、自社デザイナーがデザインし、製造まで一貫して行なっています。

TEKKICRAFT

「TEKKI CRAFT」は、友安製作所オリジナルのアイアン家具ブランドです。
古木との組み合わせ、武骨なものから曲線が繊細なものまで、鉄のもつ様々な表情を引き出しています。

アイアンフレームソファテーブル orizuru
アイアンフレームチェア shisui
アイアンスタンドサインボード tate

オーダーキッチン・建具

完全オーダーのキッチンや建具、什器なども製作しています。サイズはもちろん、設備やデザインなど、お客様のイメージに合ったものをお作りします。他とは違うものが欲しい、イメージに合うものが見つからない、という方は、ぜひご相談ください。

オーダーキッチン Irosh
オーダー建具 Clofice

こちらのオーダーは、友安製作所工務店にお問い合わせください。

今回は、鉄の加工についてのおおまかな流れをご紹介しました。少しでも私たちのこだわりを知っていただき、ものづくりってかっこいい!と思っていただけると嬉しいです。
そして友安製作所では他にも、木工やプリンティングなど、さまざまな加工を行っているので、また別の記事でご紹介したいと思います!

つづく

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