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「眠れない夜に」ミャンマー非日常日記No.3


3月18日(木)
4:20
眠れない夜は眠らなければいいんだ。
確かピーターパンの言葉だ。

てっぺんを越えてから飲んだコーヒーが原因か、はたまた最近は気がついたら舐めているカフェオレ飴のせいか。
夜飲んだほうじ茶のせいか。
そもそもカフェインのせいなのか。

原因はハッキリしてる。
毎日必ず人が亡くなってしまうのをこんなに感じる生活で規則正しく眠くなるというような事はないだろう。
私は日本人としては珍しいであろう、ミャンマーのクーデタ―禍の中にいる。

外では半野良犬が鳴いてる。
半というのは野良犬には間違いないんであろうが、地元の人たちによって完全に飼いならされているからである。

飼いならされている事には間違いないのだが、あいつらは家の中で飼われている訳では勿論なく小屋だって与えられている訳ではない。
その辺の地面で寝て生活している。
でもご飯は誰ともなく近所の人から必ずもらっている。

ミャンマーでは当たり前のどこにでもある話である。
どう表現して良いかわからないので、とりあえず半野良犬としている。

因みにここまで書く間に蚊を4匹殺した。
テニスラケットのような網状の金属に電気が流れる「チンヤイバトン」と呼ばれる蚊を撃退する電気はたきで。
熱帯の気候らしくミャンマーは蚊が多い。

避難先の現在の家は2階というのもあると思う。
催涙弾が撃ち込まれた自宅は5階だったので今思えばここより全然蚊が少なかったと思う。
家の中には蚊が発生しそうな原因も特に見当たらなかったので恐らくすぐ外で水が淀んでいるところがあるんだろう。

そうこうしている内にもう一匹。
体調が良い時であれば私は蚊に刺されてもあまり痒くならない。
どうやら父親の体質を受け継いでいるらしい。
父と母は同じ部屋に寝ていたのだが、複数の刺された後を書いている母に対して父はいつも平気そうな顔をしていたのを思い出す。

刺されて痒くなるのは身体の調子が悪い証拠だ。
刺され過ぎているというのも原因かもしれない。
パッと見ただけで足に5ヵ所程刺されているのがわかった。
布団のシーツが今、白なのだが、ところどころに血の跡がついてしまって目立つ。

蚊を殺した時に既に私の血を吸われた後だった時はこうなってしまう。
その時は素手で叩き落として布団の上でトドメを刺したからだ。
ああ、紛れもなくミャンマーだなぁと7年親しんだミャンマー生活だと確認しつつも、心身ともにすっかり疲れてしまっている自分に気づく。

そんな、深夜なのか早朝なのかよくわからない時間帯に書く何気ない日記です。

4:43
少し窓の外を覗いてみる。
こんな時間だが人気が全くないかというとそんな感じもしない。
現在ヤンゴン近郊やヤンゴン市内でも戒厳令が出ているところがある。

さらっと言ったが、戒厳令である。
良ければちょっとググってみて欲しい。
そんなものが出ているミャンマーヤンゴン。
正式にはどういうものかは知らないが、現在のミャンマーでの戒厳令は。

出歩いているものには発砲しても良いものとする。
そんな指令が軍から出ている状態である。
出歩いているのはテロリストか何かか?
そんな訳はない、ただの市民である。
ただの市民であるが、現状、ミャンマー軍政府を認めないデモを起こしている人々である。

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