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10年後クイズ

僕には高校の時からの友人グループがある。卒業後の長い年月が過ぎても、いまだに集まっては飲んで遊んでいる。
その中のメンバーの一人が先月亡くなった。
3年間の闘病生活の末、力尽きてしまった。

2001年の時に、このメンバーで「10年後クイズ」なるものをした。メンバーで10年後にどうなっているかをクイズにし、解答を10年後に開封しようと決めていた。しかし諸事情があり、10年後の2011年に開封することができず、そのまま開封することがなく今に至っていた。
先ほどのメンバーが亡くなったことがきっかけで、そのメンバーの奥さんの了承をもらい、「10年後クイズ」を開封することになった。

このクイズをしてから20年以上たち、内容はすっかり忘れていた。
この「10年後クイズ」を作ったのが、亡くなったメンバーだったことも。
クイズの内容は、○×で解答する設問30問と、記入形式の10問で構成されていた。
自分が答えた内容は全然覚えていなくて、当時そんなことを思っていたのかと懐かしく思った。自分の解答には、仕事が大変で悩んでいたことが書かれていた。現在の自分から2001年の自分に伝えたいことは、「悪いことばかりは続かないよ」ということである。

秀逸なのが、○×問題の設問の一つだ。
その設問がこれだ。

「電子マネーが普及した(条件:10年後の飲み会で、全員が紙幣やコインを使わずワリカン精算できる)」

2001年に電子マネーなどあったのだろうか?
スマホはまだ登場しておらず、当然PayPayなどない。僕がSuicaを使い始めたのが2008年だ。
10年後にあたる2011年の時には、みんなが電子マネーでワリカン精算はしていなかったが、2023年の今では当たり前のことである。(僕の年代では飲み会の精算を電子マネーでワリカンすることはまだないけれど・・・)
その慧眼に驚いた。

残念に思うのは、亡くなったメンバーとこの「10年後クイズ」についてあれこれ語り合うことができないこと。
それが永久にできないことが本当に悔しい。


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