天才を殺す凡人②才能とは#2
凡人が天才を殺す理由
天才は、この世を良くも悪くも前進させるが、変革の中で殺されることが多い。その理由のほとんどが、
”コミュニケーションの断絶=大企業がイノベーションを起こせない理由”
にある。この両者は同じ構造であり、組織には、天才が率いる時代がある。
そのとき組織は、凡人が天才を管理する時代に突入する。すると、天才は死んで、「イノベーション」起こせなくなる。企業は、安定期に入ると天才を捨て、秀才と凡人で成り立たせていくため、ビジネスモデルが変わってしまう。
大企業でイノベーションが起きない理由
天才・秀才・凡人の3つの軸を1つのKPIで測るから。革新的な事業というのは既存のKPIでは、「絶対に測れないもの。」すべての偉大なビジネスは「作って➝拡大させ➝金にする」というプロセス。それぞれに適したKPIは異なる。
拡大=事業KPI(訪問数、生産性など)
金=財務/会計KPI
ここで問題なのが、革新的な事業を生み出す創造性のKPIである。
創造性➝測る指標がない
創造性は直接観測できる指標がないが、社会の反発の量で測ることができる。AirbnbやUberはリリースされたときは社会から強烈な反発を受けた。
企業が破壊的なイノベーションを起こすとしたら、反発の量をKPIに置くべきだが、ほとんどの大企業が多くの凡人によって支えられているビジネスなので現実的には不可能。
”凡人は成果を出す前の天才には冷酷。成果を出した途端手のひらを返す。
その後、失敗すると「あいつは終わった」と途端に意見を変える。”
アートとサイエンス説明能力の違い
経営はアート(芸術)、サイエンス(科学)、クラフト(ものづくり)この3つが重なって、強い経営ができる。最大の問題は、天才が生み出すサイエンスとアートの説明能力の差。どのくらい他者に対してその価値を説明できるか。
一方、利益や売上は数字が出ているため、説明ができる。ここで大事なのがアートとサイエンスには説明能力に差がある。つまり、サイエンスの説明能力が圧倒的に高く、アートは説明できないため、直接ディベートを支えてしまうとサイエンスが勝ち、アートが死んでしまう。
ここで一番厄介になるのが「共感性」である。現在の世の中、共感されるものが強い。しかし、それによる意思決定は危うい。
共感性=多数決の原理
・皆がいいと言っている
・みんなが悪いと言ってるものは悪い
・みんなが良いと言っているものはいい
新しいことを始めたり、やったりする場合、筋を通すためには理屈と共感の2つの方法がある。まず、理屈は秀才が得意であり、秀才は皆がいいと言っているものにケチをつけ、売れているのに全然いらないものに対して理解ができない。売れているというだけでその価値は証明できているにもかかわらず、アホな人たちが騙されているように見える。
共感は凡人が得意であり、流行に乗るのが早く、皆の気持ちがわかる強さがある。流行っているというそれ自体に破壊的なパワーがある。
”皆が信じていること”それはそれだけで価値がある。「貨幣」がその例を最も示している。
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