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IRONMAN HAMBURG '24

2度目のIRONMAN HAMBURGに挑戦してきました。前回はSUB9目標で、8:52。今回はSUB 8.5目標で8:32という結果に。旅程-当日-やって良かったことという順にまとめたいと思います。

鎖骨骨折 3月24日

6月2日Hamburgなのに、人生2度目の鎖骨骨折をしてしまいました。慌てて手術できる病院を探し3月30日、レース64日前に鎖骨手術落車2日後から入院前日までローラーは実施。そして、競輪選手御用達、川崎の第一病院で手術しました。ここは電話で予約できるので便利でした。しかも同室は競輪選手だらけ、急患で運ばれてくるのも競輪選手と言った感じでした。

ビスではなく、針金を通すため傷が最小限だそう

手術翌日には退院、さらに翌日からはローラーを再開できました。ローラーというものがこの世に存在してくれて本当によかった(グロすみません)。擦過傷もあったけど、何故か汗がまったく染みずに助かりました。暑熱順化進めていたので、最低限ヒートブロックして過ごせました。

汗が何故か染みない!!

宮古島には間に合わせたくて、前日までできることをやりましたが、スイムが片手しか泳げない上、人をバイクコースで大量に追い抜くことになるため最後尾から片手スイムと、サイクリングへ切り替え。鎖骨が段差度に、痛すぎたけど、総合17位まで追い上げ、バイクラップは2位になれた。ベースはそこまで落ちてなくて安心。

また骨折したんじゃないかってくらい痛かった

旅程

去年は100%1人だった旅程だったけど、今回は大樹(パイキ)と一緒。GREENMANもエントリーしたものの、今回は回避で2人の旅程に。また土田さん、神谷さんもエントリーしていて、なんとも賑やかなメンバーとなりました。誰のオッズが一番高かったんだろう。

レース翌日の朝。この後すぐビールを飲みいった。

木曜日

現地入りし、地上に降り立った瞬間嫌な予感がする。すんごい夜の街で、かなり治安が悪るそう。夜になると、目の前にある、ナイトクラブ(地方のヤマダ電機くらいの大きさ)が重低音で街中に音楽を轟かせていて、とてもじゃないけどレースどころのお話になっていないことに気がついた。

布団に着いた時にイメージ

ただ、自分以上にダメージを食らっている大樹を前に、弱音を吐いても仕方ないので、耳栓して寝てみたら大丈夫で入眠。ここで過ごせたら、どのレースもいけると自信になった笑。

金曜

金曜日は、バイクの組み立て。アスリートチェックインのみ。帰ってきて荷物の準備。前回との変更点は、ドリンクにPRECISIONを入れたこと。着てみたかったHUUBのSUB 7 SUIT(空力改善を一番期待している)の導入。ランのゼッケンベルトにポーチ(Running Mate PRO)と、冷感素材のアームカバーを導入したこと(ヒラメさんの真似)。前回ビニール袋にギアを全部入れて飛び出す作戦に成功したので、今回はさらにベルトにしてみた。

補給は全部食べた。エイドでもMaurten CAFを6本摂った。

土曜日

現地在住のルイさんの運転で、バイクコースの下見。新コースはクランクやカーブが追加されており、スピード自体は出しにくいかもという印象。帰ってきて、バイクを準備。ストレージやチューブ内ハイドレ、カウルが輪行で壊れてしまい、意気消沈。テープで補強したりでバイクチェックイン。
過去にもバーが折れたり、前輪ブレーキなしで走ったり、完璧な状態で走れた試しなんてないので、そんなもんだよねと。4日前から右膝がしゃがむとキーンと痛みが走るようになったり。レース前の夜は気にしたらキリがないので、シャワーして、2合ほどのチャーハン、モルテンDRINK MIXを500mlで一袋、PRESITION 1500を500mlで一本。カーボと電解質をローディングして小粋なユーロビートが響く中就寝。

レース当日

アジア料理のお店からテイクアウトしておいた、チャーハンと米を1合食べる。昨晩と同様、モルテンDRINK MIXを500mlで一袋、PRECISION 1500を500mlで一本。これにて、電解質とカーボローディング完了。準備しておいたストリートバックを持ってホテル出発。
朝4時なのに、すごい人の量。フラフラ歩く朝帰り人たちを交わしつつ会場へ。電車で3駅。落ち着いて準備していると、この旅程最大のトラブル。ウェットスーツ忘れた。スタート25分前。ホテルまで2.2km。説明不要の圧倒的ヤバさ。慌ててトランジを出ようとするも閉門。まずい。反対側からでて、ダッシュ。交通規制でタクシーも車も走ってない。なんとかホテルでウェットスーツをピックアップ。タクシーがいたので乗り込むと225ユーロ。約38,000円。
高校生ぶりくらいに、車内が膨張するほど大きな声でよくない発声をし、乗車拒否。元気よく飛び降り会場へダッシュ。往復4.4km走るハメに。
戻る途中ゲートが閉じられてないかなと不安になりながら、スタート地点を目指す。6:25。スタートには間に合った。人混みに入る前に陰でウェットスーツに着替え、キャップも着用。何食わぬ顔でゲートに近づくと開けてくれた。よしよし。これで出走できる。6:30。手荷物を預け、スタート地点へ。かなり並んでる。そして、いよいよ6:41。レーススタート

スイム  57:42 (1:31/100m)

ウェットはHi-RIDGE。

レース15日前から再開できたスイム。ウェットの締め付けに鎖骨が耐えられるか心配だったが、とにかく頻度上げで1時間切って泳げれば満点だと思っていた。1:30/100mで57分くらいで行ければなおよし。
片手スイムで安定しない右手の改善と距離慣れ(300m*3*3、600m*3)など長水路でほぼ毎日泳いだ。
Hamburgスイムコースはまず橋を3回潜るコース。手前のブイをいちいち見なくても真っ直ぐ泳げるのでとても便利だ。集団とは10mくらい横に離れたりもしたけど、マップ上最短距離を1人で淡々と泳いだ(4人くらいいた)。その甲斐あってか、去年と+1分でスイムを上がれた。

BIKE  4:26:30 (avg 39.97/km)

NP225W。平均心拍152bpm。ケイデンス80rpm。
長い長いT1の直線を走り抜け、バイクへ。今年はAWAのブロンズに引っかかったので、割といい位置にバイクがある。大樹のバイクはない。先に行ったか。スタートで10分、スイムで2分程度差が開いている可能性があるのでバイク中は、会えないかもなと思う。街中区間を丁寧にこなすけど、本当に人が多い。抜かしても抜かしても減らない。縦に伸びた集団を抜かす時や、抜かし返してくる人達をかわすために、ペースに上げ下げが生じてしまう。

この長さの集団がめちゃ大変

50km地点、1周目終わりに、この感じだと辛いかもな〜なんて思っていた所、大樹とすれ違う。3分差。ということは、大樹もスタートが早くなかったか。どのみち、かなり抑えて走ってることだけは伝わってきて、身の毛がよだつ。タイムガチだなこの男。
自分も向かい風の帰りは抑えて抑えて、2周目へ。235WNPで40km/hアベくらいしか今日は出ない。サブ8.5はかなり厳しくなるけど、気候ばかりはしかたない。ランでサブスリーという挑戦も控えてるし、今日はしっかりまとめてどこまで成長できたのか証明したい。

ポジションの割に、向かい風で特にパスできたのは、スーツの空力が大きそう

2周目はマイペースを取り戻して、筋肉的にも内臓的にも、快適さが戻ってきた。60kmまでいくと、あと1/3しかないのか、と思ったし、本当にあっという間だなという感覚だった。2回目の大樹とのすれ違い。変わっていない。うん、今日バイクで40km/h以上はやめておいたほうがいいよな!と無言で言葉をかわす。「今日はこのままラン勝負だな。」そう言っている声が、聞こえてくるようだ。最後の向かい風も我慢して踏まない….、つもりが、少しビルドアップしてしまったらしい。2分ほどバイクで大樹との差を詰め、バイク終了。距離が2kmほど短いから4:26:30。

ラン 2:58:22 (avg 4:15/km)

ランは10.5kmの4周回。サングラスも、ヘッドバンドも補給も全て入っているポーチだけを取り出し、シューズを履きスタート。SUB7 SUITは空力優先のポケットレスなのでこの運用がよい。
去年とは打って変わって全く攣る気配がないけど、地味に1.5ヶ月全く走れてないのが不安要素。入りは3:55。今日の目標は1km 4:15平均でサブスリー。どうしても最初は速くなるけど、内臓のコンディションや筋疲労と相談しつつ、今日最適な動きとペースを探す。4:10がとても心地いい。ジョグの感覚で進む。去年は4:30だったので、1周が短く感じる。
大樹とすれ違う。2分以内になっている。

去年よりストライドがかなり大きくなってる

2周目。相変わらず筋肉の疲労も持ちそうだし、糖質も電解質も足りている。が、なにか普段感じないような不快感がある。ペースも4:15に落ち着いていい感じだ。大樹との差変わらず。お互い目指すのはサブスリーだと理解。アイコンタクトを送る。21km地点終わりの3周目、寒さを感じ始める。アームクーラーをとり、かけ水をやめた。すると次第に謎の不快感が消えていき発汗し始めた。よしよし、これだ。筋疲労が溜まり始めて心拍数が上がる。25km地点、4:26。やばいやばいやばい。いよいよ始まった。頑張ってペースを上げることはできないので、何か探す。脇を小さくたたんでピッチをあげてみる。4:19。これじゃ凌げないか。その時男子総合3位のMiao hao選手に抜かれる。おそらくペースは4:15。ここで乗らない手はないので、楽についていける動きを探す。接地の時に腰を乗せてがんばらず推進力を得る。あとは、ピッチをあげ、接地を軽くする。心拍数が170台にあがり、途端に辛さが増した。筋疲労も貯まるペースが早まっているのを感じる。
しかし、Miao hao選手の背中が段々と近づく。目を瞑って動きに集中する。28km地点4:26。やばい….。本格的にやばい。Miao hao選手が遠くなってる。集中力を切らさずピッチ載せる、固めるを繰り返す。もう離れない。32km地点まで一緒に走り、Miao hao 選手はゴール。ここからは1人だ。

Hoka Celo x1を考えたが、結局今年もEndlphin Elete。

また4:10くらいのペースの人にパスされる。あと30分耐えられる動きではないが、耐えてみないとサブスリーは絶望なので、追いかける。36km地点みえなくなる。しかし、ここで大樹とすれ違うと差はもう1分もなくなっていた。
自分が一番苦手なのはランである。まさかランで追い上げる日が来るなんて。もう追いかける相手はいないけど、いよいよサブスリーまでのカウントダウン。4:15を崩したら終わり。
ただ冷静に、「ここで歩いてたら終わりだ」とも思っていた。残り20分をフルに使い、自分自身を死に追いやるマネジメント。39km?地点ついに大樹をパス。何か声をかけたいけど、背中をタッチだけ。あとはダッシュ。スプリントした。何を考えてたのかラスト定かではないけど、SUB8.5に近づきたい一心だった。

ゴール直前サブスリーできたことがわかり安堵


大樹は8:40:44

別でまとめたいけど、IRONMANでタイムを狙うためには事前に最適なペーシングを見つけ、それがどれくらい現実的なのか複数回テストする必要があるし、トレーニングも進捗を図る必要がある。そのためのメソッド作りに成功したことが、前回のSUB9、今回のタイムに現れたと思う。本当はもう1人Greenmanがいてセルフでお互いコーチングして、渡良瀬遊水地でレースみたいな緊張感で進捗をはかり、切磋琢磨してきた。彼らに出会えたことは言い難い幸福だった。

また、いつも練習をサポートしてくれる方のおかげで、特にCore江尻さん、PRECISION愛川さん。サプライヤーとなってくれた、MAURTENさん、HUUBさん、CORE BODY TEMPERATUREさん、Team One dayさん。
また一緒に練習してくれている、荒瀬さん、雨宮くん、星秀さん、各務さん、のりこさん、ヒラメさん、修平くん、寺澤、嶺さん。まだまだ書ききれないくらいサポートいただいてるおかげで、Hamburgというハレの舞台で、嘘のない1日を終えることができました。本当にありがとうございました。

いつもありがとうございます。

この先のことをよく聞かれますが、とりあえずしばらくは自分がどこまでいけるのか、成長を楽しみたいと思います。こんな楽しい遊びまだ手放すのはもったいない🍺


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