Nikon D700という一眼レフ
どんなフォーマットであれど最高の写真はその人の感性の下で生まれる、感性写真をモットーに撮影行為を行っています。昨今イメージセンサ―理論やフラグシップ理論などいかにもな「不毛な論争」が起きているのを見かけますので一応ここに打っておくことにします。
おかげさまでこのブログがいいねを20以上いただけるなど好評をいただいていることに際してより濃密なブログ内容にするために編集を重ねています。ぜひご期待ください。
新しく追加された項目、目次には☆マークがついています。ぜひご一読いただければと思います。(現在は1項目のみですが今後拡大していく予定です。)
0. 前置き「利き手とカメラとマウス」
なにも普段自分は左利きで一眼レフを使うときも左向きの構成をしているのが自分の少し人と違う特徴です。レンズは左手で添えることができるので利き手が大きく使える点は楽なのですが、操作系は少し右手に沿った親指ボタンなど使いづらい点もあります。再生ボタンなどが左にある機種に関しては今回のD700も同様使いやすいです。
実はこれを打ち込んでいる際のマウスも普通のマウスではなく両利きに対応できるトラックボール型のマウスを使っています。普通のマウスを外や他の場所で使うときは左が主クリックで右利きの人と構成も変わらず同じなのですが、トラックボール使用時は右が主クリックになり反転します。同様、フォワード、バックも反転します。左手で使う時は左利き仕様、右手で使う時は右仕様ということです。
回転方向は時計回りで下へスクロールします。これを伝えたら知り合いは変態だと言っていました。文字や日常生活は左右関係なく両方の手で読み書きや生活ができるのですこしだけ自慢できる点でもありますが反面、運動能力はもっぱら左利きになっているという点もあります。
ちなみに万年筆はどうかって?これが万年筆は英語と数字のみ右手であとは左利きなんです…左手だとだいぶ特殊な使い方になります。
前置きが長くなってしまいました。始めます。
Ⅰ. フルサイズデジタル一眼レフの登場
フルサイズのデジタル一眼レフの登場は当初コダックとCanonがOEMで供給でもしない限り難しいといわれていたものです。それをプロ用カメラとしてデジタルカメラとして登場させたNikon。その機がD3。そのD3のセンサーを使って新しくD300の筐体にフルサイズのD3センサーを載せて一部改良したのが今回紹介するD700。同時期にはどんなカメラがいたかな。。それこそα900だがあれは価格帯が少々気が入りすぎていて比較するには、、という点もある。でもそんなに変わらないか。
Ⅰ-ⅰ. 同時期の名機α900との違い
ちょっとだけお話ということで小ネタを挟みます。
CMOSですが画素数は2400万画素のα900に対しD700は1200万画素。一見少ないように見えますが、ノイズ量がα900は画素数上多く、また拡張範囲では最大が6400、D700では拡張で25600までが利用できます。
当時から見ても性格があるかもしれませんがやはりこのクラスとなると感度を上げて画素数はそこまで上げないと言う選択、をニコンは行ったようです。
ただ時代なりと言えるぐらいこの時期は1200万画素があれば十分引き伸ばしが出来るレベルの(A2サイズぐらい)範疇でした。(と言うかそれがワークフロー的に限界だったのでは?)
まあどこまでを実用とするのかは、、人それぞれ。
視野率はα900は100%の大型ではあるものの、D700は上下左右95%。重さはそれでもD700のほうが重く、どちらも周辺機器、バッテリーなどを除いてもα900は850g、D700は995gというヘビー感を感じる重さ。堅牢性はD700に軍配が上がるよう。
連写はα900はMAX5コマに対しD700はバテグリ使用時のみではあるものの8コマであまりここには現代のスペックから見るには大差がないようにも見えますがちょっと違いますね。
シャッターもどちらも8000まで切れて後ろも30sと変わらず。もちろんバルブはあります。
一番の違いはおそらく性格の違いからくる手振れ補正機能。手振れ補正機能はD700にはありませんがα900にはあります。ただしこの頃からニコンはすでにレンズ側の手ぶれ補正を乗せていたのでレンズに振る(レンズを資産にするよりカメラ本体を資産にすることに重きを置いたのかも)ようになっています。
Ⅱ. 当時のハイエンド機
プロ機を別としてくくるのであればD700は登場当時ハイエンド機種(ここでの定義はD3クラスをプロ機と定義してD700をハイエンドと定義します)としてNikonの威信をかけたプライドのあるものでした。
フルサイズセンサーは先述の通りD3のセンサーを使用。そして改良を加えて一般の方からハイアマチュア、プロのサブ機にも使用できるものとして制作されました。
それでも当時レンズ込み40万円台とお世辞にも安いといえる価格ではありませんでした。(ソース)
非常によく売れたといわれたD700、その後2012年まではかなり主力のフルサイズ機として販売され続けその後は後継の24MP機などに明け渡されて姿をひっそりと消しました。
今では低画素フルサイズ一眼レフ機として人気が再燃しそのルックスと重厚感にロマンを覚え再購入する方も増えています。
Ⅲ. ☆スペックと特徴を見てみる
スペックはα900との比較でも説明したように上級機と変わらない性能を誇っています。
特徴はやはりD3同様のフルサイズセンサーでありながら画像処理技術を向上、そしてダイナミックレンジの改善など細かい進化が施されています。
AFは51点、3D-RGBマルチパターンにシーン別の測距プログラムを兼ね備えて、さらにAFロックオン感度などを設定して被写体がフレームから外れた後にどれだけのスパンでAFを再度合わせるかまでの時間を決めることができます。
液晶が曇るのはこの時期のNikon機の持病ともいえる液晶曇りで、主に濡れた状態での保管や長期間使用による結露が背景に挙げられます。気密性が非常に高いため液晶とガラスの間に結露が発生することがあるようです。
もちろん、出来上がる写真には影響しませんが少し見栄えや利便性には劣るかもしれません。
防水なのか?
結論から言うと防水というわけでもなくメーカー自体も簡易的な防塵防滴はそなえている、適合や何かをクリアしたものではないというものにはなっていますが、おそらくCIPA規格とかで検査すれば通りそうな気もする気密性の高さを誇っています。
雪、雨ときてまだ海、海水や塩には触れていませんが時期にチェックすることになるのでしょう。おなじみ私の過酷なしばきを行います。今のところしばいてる途中で死んだカメラはデジタルでは一台もいません。ただ熱暴走したカメラにD70がいます。しばいて死んだレンズはいます。
50度を超えるあたりでやられるらしいので基板の寿命とかも考えて真似するのはやめましょう、僕のは特殊な訓練を受けています(いません)
濡れた後は必ずよく乾燥させておきましょう。どんなカメラでも。大体自分は乾燥剤に入れてぶち込むよりもミニファンを全力で2台回して乾燥させてそのあとに防湿庫にぶち込みます。結局ファンで回した後に乾燥剤パッケージにぶち込むので手順が増えてるイメージ。
接眼レンズまでしっかり外しましょう。意外とあそこが曇るのはそうした時にきちんと乾燥できてないとかの場合でそれがプリズム腐食にもっていかれるというフィルムカメラも多いのです。
低温で最も強かったのは磐梯山周辺の山に持ち出したK-7。公称値でも-10℃に耐えるものですので今度D700も挑戦することになるでしょう。でも多分大丈夫ですね。剛性感がおなじですので。
もしかしたら645Dも同行するかもしれませんが、あれは化け物なので全く心配していません。
メーカーの説明自体や、当時のアサヒカメラのプレスリリース等を参照してもやはり各ボタン部にシーリングゴムが処理されてそこにマグネシウム合金ボディですのでおそらく防水機構自体は余裕でしょう。
経年でそれが劣化してくることもお忘れなく。完全防水カメラというのは比較的コンパクトなものしか実現ができないぐらい意外と難しいものなのです。(現場監督、HD-M…あれニコノス?)
AF機構とレンズ装着
AF機構は当時の最新D3と同じセンサーを積んでおりクロスセンサー搭載で51点と11点を選択できシーン別測距プログラムが先述の通りあります。機械式AFレンズを使う際は遅いわけでもないですが速いというわけでもない何とも言えない普通さです。
基本鳥ぐらいなら技術があれば自分は追えましたが鳥を撮影と言ってもそれは300mmのでしたのでもっと本格的に鳥を撮るのなら600mm、800mm級を使うのでしょうし、レンズの深度を考えると少し微妙かもしれません。
そこは最新のレンズを使いましょう、ってことですね。
自分の場合F値を個別に設定するマニュアルレンズのEXIF設定で登録をほどこしてAiレンズなどを使用することもあります。
基本登録しなくても露出値連動レバーから今どこの絞りにあるのかはD700が読み取ってくれるので、あまり困ることはないでしょう。もちろん露出計も動作します。
非AiレンズはAi改造していれば装着可能です。改造なしでの非Aiレンズもつくものもありますがほとんどつかないので無理につけて壊さないように。壊すと保証切れてるんで痛いですよー
AFロックオンのレベルはいつも自分は3に設定しています。とはいってもマニュアルレンズばかりなのでそこまで使わないというのが自分なりです。
電池持ち
電池はEN-EL3eです。一世代ぐらい前の電池です。自分のカメラ特性のうちの一つになってしまいますが純正のバッテリーがもう電圧が持たないのか全然起動してくれません。
いや、起動自体はするんですがシャッターが持ちません。劣化度は0と表示されますが明らかに劣化している動きをします。
液晶がシャッターを切る瞬間、一瞬グレーアウトして表示が消えミラーアップしてしまいます。多分ミラーを戻すまでの電圧が足りないんだと思います。
じゃあほかの互換電池はどうなのか?それが全く別のサードパーティ製の電池は普通に動くし連写も規定値通り叩き出します。
電圧も容量も少し上のモノですが劣化を感じさせない長持ちさを誇ります。もともと一眼レフ用なのであまり電池をフルに使うこともなくそもそもカメラの消費電力が少ないのもあるので何個も買うということはせず、自分は3個装備して動いています。大体3個あればどれか死んでも持ちます。
とはいってもサードパーティ製のものは純正には絶対何かが違う安さの理由というものがありますのであまり信用しないようにしましょう。さすがにジャンクでも。
Ⅳ. 自然な色合いを好きになる
プロ機、いわゆるハイアマチュア機の系統は基本的に色が薄め、と言われることが多いです。逆にエントリー、小型デジタル機はパッと見た時に写りがいいとある種、魅せるように写真の色付けやコントラストがエンジンごとに調整されています。
ママさん、パパさんは特にRAWで一から編集をしたりすることは多い話ではないと思いますので、エントリー機が子供の写真を撮った時にパッときれいに見えるのはここが背景にあったりします。意外と馬鹿にできないからD40のJPEGが素晴らしいと再評価されるわけですね。
ハイアマ機は逆に編集をしないと色味がなくなんかパッとしない地味な色を出しがちです。色が薄いので編集のしやすさは後者ですが、前者はスナップとかには向いているかもですね。
ちなみにこの機種にはD2X Modeが搭載(後付けで導入していれば)されています。このモードがあるだけでもありがたみの強く感じる方もいるかもしれません。私のはすでにがっつりと導入されていました。
Ⅴ. ☆撮りやすさ、作例、編集
☆更新。新たに撮影情報を掲載しました。モードはすべてD2X ModeⅢです。一部はRawTherapee、またはART(A fork of Rawtherapee)で編集しています。
独特な臨場感を醸し出せる石とその立体感。素朴かつ主張が少ないシンプルな写真が惹かれる方もいるのでは。
35-70mm f2.8Dは非常にシンプルな2倍ズームの大三元の始祖的存在。お世辞にも逆光は強いとは言えませんが、順光時のコントラストはしっかりしています。
次に千夜一夜玉の50-135mmです。開放でf3.5通しと使い勝手は意外によくDXにしても換算が70-200mmと汎用性は高め。ただしあまり売れず販売期間も短かったため中古であまり出回りません。また中玉が曇りやすく整備性もあまりよくないためそもそもあまり人気がないという悲しいレンズでもあります。幸い自分は光学のみ整備済みを購入できたのが良かったですが。。(ヘリコイドはスカスカ)
ただこのレンズ。特殊なレンズ構成故かはわかりませんがあほみたいな立体感を平面で出してくる時があります。そのせいで逆に絞らないとすぐぼけますがよくできているいいレンズだと思います。
こちらは開放。それでもしっかりと中心は解像しコントラストも出ますが周辺減光は開放時少し強め。これをどう活かすかはスキルにかかってきます。
関係ないですが普通に寒かったです。かなり厚着してたのに。都内でも寒いときは寒いですね。
D700は初期のフルサイズセンサーながら高感度耐性にも比較的優れていてDライティングはアクティブでも可能でISOも拡張ではありますが25600までは利用できました。常用するなら甘めに見て12800、厳しめで3200-4000ぐらいが限度だと思います。自分はブレを作りたくないので容赦なく上げます。ブレは基本直せないという根拠からです。
こちらも開放です。画質は多少落ちていますが川の立体感や空の色味はなかなか自分はDXフォーマットで再現しようするとできるものかと感じている部分があります。できるとは思うんですけどね。わたくし風景でのボケの表現が苦手なもので、、
にじみがあるのでカリッとはしていませんね。鉄塔の写りなど。
D700にはAFが51点、D3時代のAFセンサーですがしっかりと食いつき、この写真ではありませんが飛び立った鳥を300mmの機械式ボディAF駆動利用のレンズで追い続けて連写した時の食いつきは余裕で写真もボケていませんでした。このころからそれぐらいは余裕だったんでしょう。ただD4にはかないません。
撮りやすさ、シャッターフィーリングはボタンの反応性もよく使いやすく、自分はとても小さい手で指も短いため浅いといわれているグリップは意外によくなじみます。まあなんせK-7で指が余らずジャストですからかなり小さい方です。大きい方、男性やD610あたりやD800あたりを多く使っていた人にはあまりなじまないかもしれません。
重く、使い勝手は左右されることがあるかもしれません。プロ機に慣れていれば余裕ですが、慣れてないとだいぶ重量が体に来るレベルです。というかD3とは200g程度しか変わりません。小さいのに。そこでフットワークは多くかかわってくると思います。
私は普段から645Dをスナップに持ち出す部類の人間なのでそこは皆様ご自身でご判断を、、ついこないだそれを下げてママチャリで65kmサイクリングしてきました!普通に首、死にました!
全面アルミニウム合金で武装しているD700に怖いものはありません。水、砂、場合によっては雪、氷。すべて大丈夫です。プロ機の信頼は厚いですがこちらも負けていません。とんでもない堅牢性ではこちらは相当です。(ただこれは主観なので参考程度に)
低速、絞っての撮影もやってみます。解像感は減りますがさらにシャープにはなっています。
暗所での粘りがすごいです。どちらかというとこちらのD700は暗い方の現像耐性に強い、(ハイライト耐性は弱い)部類のモノなので気持ち暗めに撮って暗所を持ち上げるやり方のほうがいいかもしれません。
追加作例
名の通り追加の作例です。情報が少し減りますがご容赦を。
TAMRON 02B 28mm f2.5 BBAR MCです。
少しだけAF zoom NIKKOR 80-200mm f2.8Dの鴨3枚を挟みます。
以降はいろんなレンズの作例が混ざっています。
Ⅵ. 魅力を語っていったうえで。
男心くすぐるかなりごつめデザイン。
その中に主張しすぎない大きさと小さすぎるとは感じさせないマイルドさ。
多少粗雑な扱いもへっちゃらボディ。
この時代(2008年前後)の技術でありながら乱雑なISOでも耐えるセンサーサイズの信頼感と粘り。
やっぱり丸窓。でも95%視野率。愛嬌。
頑張れば耐えうる秒8コマ(グリップ使用時)
一応フラッシュ付きで即座の利用もできる。
まだまだ自分は買ってからここに打ち込むまで1か月程度で真価を見いだせていないです。そうしたうえでも感じられる「あふれ出るロマンと名機の面影」。決してほめまくっている回し者ではありません。弱いところも現代に照らし合わせたりすると多くあります。ただこのカメラ、このD700でしか感じられない養分とビタミンがあると思います。
それでもやはり時代を感じる性能はありますし使いにくさを感じるISOボタンなど不満点はあるかと思います。ただそれを超える満足感と性能としての評価がこのカメラにはあると思います。
Ⅶ. 強烈な自分の個体の宿命
単刀直入に言いましょう。
なんと購入時でカウント数は驚異の307%。総シャッター回数は46万回の異次元機種でした。これぞまさに耐久性の境地…もしユニット系の交換がない状況なら相当持っていると思いますが、背面液晶のクモリを見るにたぶん交換されてないですね。博打です。鉄の方でも鳥の方でもここまで使うことはまれというので、おそらく報道関係の方が利用されていたのではと考えています。違うか…
ネットでは30万回越えは見ていますが45万回越えは見ていません。50万回を超えている猛者がいれば教えてください。
Ⅷ. 背面液晶を修理
長らく曇った状態の背面液晶を修理しました。自己責任ですがもし同様のD300やD700、それらのカメラで背面液晶のクモリを撮るのに挑戦してみたいという方、やり方だけ記しておきます。ですが本当に自己責任ですし、第一メーカー保証なんてありません。やる際はお気をつけて。
①電池、レンズ等を外し記録媒体を抜いておきます。
②ヒートガン、ドライヤーなど熱を発生させる類のものをガラスに当てます。
③65℃前後になると一気に緩くなった接着剤がガラスと外れやすくなるので吸盤などでガラスを吸い上げます。この際絶対ゆっくりとやってください。無理にやるとガラスが割れるか本体の部品が取れるかのいずれかになり死にます。まじでゆっくりね。
④はがしたらレンズクリーニングペーパーなどの類でクモリを取り除きます。
⑤逆の手順で戻すか、気になる方は瞬間接着剤系統を内部に入らない程度の微量を塗布して接着します。(瞬間接着剤は基本塗る面積が大きいほどよく接着する特性がありますので面積が狭いと外れてしまう場合もあります、詳しくは各接着剤の説明を参照してください)
⑥背面液晶の防滴性を保ちたいのであればここでシーリング材や液晶にコーティングを入れるのも一つの手ですがまあ、そのままが一番でしょう。
といった具合です。相当きれいになったのでやった甲斐はありましたが、基盤イカれないのかなってぐらい熱くなったので本当にお気をつけて。
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