ここからが始まりである。PENTAX 645D
今回は特別なnoteとなっているためかなりボリューミーな文章量になっていますがなにとぞご了承いただければと思います。
241107
現在新しくレンズに対してアプローチをかけた新しい2つのnoteを作っています。そちらにはより画像作例に対するコメントも多く行っていますので作例をより多くご覧になりたいという方はそちらもぜひご覧ください。
とある現Twitter(旧X、あれ逆?そんなことはない)でフォロワー様からとんでもないお友達良心価格でお譲りいただけた中判デジタル機PENTAX 645D。皆さん暗黒のHOYAとか言われてますがK-7も645DもこのHOYA時代に生まれたものなんです。(構想は2006年だから違うって?)
茶番は置いておいて、フォロワー様曰く「重さと図体が若干合わなかった」とのことでわたくし脳筋に譲ってくださいました。何てありがたい縁でしょう。まさに粉骨砕身、身を挺してでも私は意志を受け継ぎ、存続させる使命が出来上がりました。
仕事柄、重労働の仕事を行っているのでおそらく筋肉関連(?)は大丈夫だと思いますが、問題はその中判を扱える技術と知識、学を備えているかって話になってきます。
Ⅰ. K-7とともに生まれるはずだった?二大巨頭のPNETAX。
今でこそ有名なK-7ですがその裏には同時に645 Digitalという名で中判デジタル機としてデザイン開発が2006年にできていた645ですが、一度は2008年に開発を中止、K-7への開発注力という背景が存在していました。平行開発は厳しい状態であったということになります。
お世辞にも大きいメーカー(ここでは開発資本力等を指す)というには言えないPENTAXは、そのころ初の中判デジタル一眼レフと上級、フラグシップ機K-7を同時に開発するということは至難の業だったのです。(PENTAXはこの時から次世代レフなし機=ミラーレス型プロ機を作るという思想はあまりなかったようです)
K-7と645Dの開発についてマイナビの645D開発秘話をたどったURL内の記事ではこのように語っています。
もともとK-7用に開発されたと思われていたPRIMEⅡエンジンは実は645D用であったなど今では驚きの小ネタが多く語られています。
ただAFモジュールは進化したSAFOX Ⅸ+を採用。中判デジタルカメラでこのAFモジュールが相性が良かったのか、これが思いのほか測距精度が高く、よくAF精度に関して疑念を持たれがちなPENTAXにしては少々異名を持つ「ピントは外さない、中判645D」でもあります。だいぶ現代と比較してもレンズの相性が良ければ合焦までが速いそうです。
もちろんボディも超フィールド性能に特化したまさに風景写真を置く撮る写真家にとっては外せないマグネシウム合金とシーリング処理からの信頼性がある。
ライブビューに関しては
個人的にはおそらくライブビューに関しては「搭載できそうなライブビュー機構搭載のセンサーはあったが、まだ技術的にも映像として美しい状態ではない、途上にあるセンサー」ということだったのではと推測します。
その後、本当にローパスレス機となったため結果的にこれが高解像へとつながり満足度を上昇させている所以にもつながっています。
ファインダーに関してはだいぶこだわりの強い新開発ナチュラルブライトマット、プリズムはガラス製のケプラーテレスコープ式トラピゾイドプリズムのもの。上記URLでは
と説明しています。後はロマンでしょう。
造形に拳銃リボルバー、いわゆる回転式弾倉をモチーフされて作られたというデザイン、当初は一番人気がなかったデザインだったそうですが、今のところ好評は好評のようです。
それ以外にも特徴はあります。例えば記録関連はダブルスロットSD。ファームウェア次第ではSDXCも対応。マイクロSDも行けますね。意外と128GBを2枚挿しとかでも容量パンクは起きないそうです。同時書き込みも可能です。
Ⅱ. 現物を受け渡ししてもらい入手。
現物は都内某所で直接受け渡し。初めて触った時の感覚は「これ、意外と軽いな」です。反面「なのにバカでかいな…」です。
レンズもボディも完全防滴の645D。雨の際に撮っていてもかなりシーリングが強いらしく、想定では「三脚で冬の雪山で立てて凍ってしまっても正常に記録ができるようなシステム」にしているとのこと。強いなあ
Ⅲ. 特徴やスペック、使い勝手を体験しながら語る。
やはり見た目のインパクト、持った時の重厚感、圧倒的な暴力性まで感じ取れるレンズとその図体はさすがは中判デジタル一眼レフ。え、4433機だから本当の「中判」ではない?またまたー。中判にはフォーマットのカスタム性、っていうのが魅力なんですよ、エイトバイテン、66、シノゴ。いろいろあるじゃないですか。いいんですよ細かいところは。
スペックは公式情報にもありますが一応出しておきましょう。
みなさん大好きデュアルスロット。一個がやられても何とか撮影は続行できる環境ではあります!
使い勝手の話に写りましょう。
使い勝手はダブルスロットによる別媒体ごと記録やRESERVE記録が可能。どちらかが満タンになったら切り替えるのも利点ですし、RAW、JPEGごとでカードを分けれるのも魅力です。
重さは…正直破格の重さってほどではないものの、かなり重量物ではあるため、長時間は辛い。スナップに持ち出したものの、だいぶしんどくなった。
レンズはAFこそSDMでまあまあの速さではあるためストレスは感じません。合わないことも時々ありますが結構合う方ではあります。
三脚の運用はManfrottoの055CBを使っていますが雲台が通常の3点雲台でよく支えられはするマンフロットの144RCなのですが、若干使い勝手が悪かったため自由雲台を購入です。ちょうど645Dが使えるぐらいのスリックかベルボン製のPH-163。後者を導入しました。古いHandy ACE用の雲台から外されたものでロゴシールにもその名前で書かれていました。
Ⅳ. 作例
お待たせいたしました。作例です。超へたくそ初心者状態でこれはかなり私の技術を磨く必要があると感じながら撮ったり、、いえそんなことは考えずとにかく楽しい撮影でした。何とは言いません。良い。
追記(240423)
現在ある作例に加えてさらに撮影し現像を行う予定です。
4000万画素。A fork of RAWtherapee、通称ARTを利用して現像を行うのがほとんどです。このARTは現像後の写真ファイルサイズが肥大化する弱点があり、データ量は現代のカメラと遜色ないため現像をかませると1枚200MBもザラ。なかなかの大きさです。ここに挙げるだけで4GB使ったのでは…
イメージサークルからくる奥行きを視覚的に感じさせるものがある。実際にはフルサイズのF値が低いレンズのほうがきれいで空気感も出るかもしれないが、、
おそらくこのCCDセンサーの特性ともいえるダイナミックレンジはハイライト側に極端に狭くローライトの粘り、シャドウの粘りが強いタイプ。本来は暗いところを持ち上げるのはノイズが出るためあまりよろしいことではありませんが、色情報が破綻するよりはましでしょう。
ということは使い勝手は基本「三脚を使って撮影するのが一番望ましい使い方」ということになってくるのがわかると思います。
自分は極力エフェクト系フィルターは使用しないため水の動きとかは滑らかにするにしても絞りで調整できる範囲での滑らかさにしてNDフィルターなどをあまり使いません。というかNDフィルターを使ってとる写真がだいたい「これND使ったんだろうなあ」と思われるのが少々苦手で、、という私情があります。
もちろん使わないわけではありませんが、、
天バン撮影のサンプルも掲載しておきます。あまり参考にはならないかもしれませんがタイプライターを撮影した際のものです。研究用で撮ったものなので特に構図とかは見ておりません。全てJPEG。
追加の作例ができたのでまた追加しておきます。
その後ようやく使いこなしが徐々にできるようになってきた後の作例です。ここまで来るのに大体3か月ほどかかっています。
コンタックスは過去に「フィルムの夢。デジタルの力」とキャッチコピーを入れてましたがその逆転の発想がここで近年生まれてくるのはなかなか面白いものを見ている気がします。
現像耐性でノイズがないのは常々書きましたが、手持ちでちょっといじればすぐにこれが出せます。ISOは400ですので特段高くないですが、デジタルバックと比べたら相当高い方でしょう。なんならあの世界では400がMAXかもしれません。そうしたところでは645Dはなかなか面白いですね。
え?GFXがすべてにおいて上位互換だよって?あんなんミラーねえからカメラじゃねえ(暴論)
※水族館内ではルールに従いほかの方の迷惑とならないように配慮して撮影を行いました。
こちらは拡張ではないものの最高感度1000です。どうでしょうか。
ここからはお待ちかね、未編集画像たちです。
未編集の作例
Ⅴ.より細かい話
防塵、防滴と何度も言っていますが自分のスタイルに合わせるなら地元周りをサイクリングしながら撮影、というパターンです。ただ三脚があほみたいに重いものなのでそこだけかなり応えます。
例えばモノ撮り撮影。自分はカメラを撮る場合は撮影カメラを三脚に取り付けて被写体カメラも別の三脚に取り付けてバウンスで撮影することが多いです。
645Dにも当然リモートコード用接点はついていますしホットシューもシンクロコードもついています。その場合は被写体に対しての質感や空気感を表すのが得意になるので重宝できます。
ただやはり35mmフルサイズと比べて何か違う?と言われればそこまでではなくむしろボケに関してはあちらが上。これに関しては完全に好みの域なのでしょう。
先述した現像耐性。
12bitで組まれるRAWは正直あまりダイナミックレンジが広いといえない。
またノイズに対する耐性も800ぐらいまでは割と耐えてくれる印象はありますが1000を超えると(拡張感度)途端にきついものになってきます。
ただこれがRAWから作り出すとものすごく除去できる。画素ピッチの問題なのか、センサーサイズの余裕なのかD700よりも軽々と消えてくれます。
ただD700との比較はそもそもの感度自体が変わってきてしまうのでなんとも。
これから様々書いて行ったり作例を載せたりすることになると思います。場合によってはK-7や*istDなどのPENTAX機と比較しても面白いのではと計画しています。
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