見出し画像

中国語の母音①単母音 - 中国語の基礎講座2

こんにちは、Tomです

中国語マガジンを読んでいただきありがとうございます

前回は中国語の基礎知識について解説しました

今回の講座からは、中国語の発音について解説していきます


今回は、中国語の母音を解説していきます

少し深い話も交えながらやっていくので、読み応えのあるものになると思います


(波線の内側の内容は音声学・音韻論などの話を交えた解説になっております。難しくて興味のないかたは飛ばしていただいても問題ありません)

~~~~~~~~~~

中国語の音節体系について

中国語は漢字一文字が一つの音節を表す、音節文字の言語です

これは日本語や韓国語と同じです(どちらの言語も一つの文字が一つの音節を表す)

基本的に子音だけの発音というのは中国語にはありません

子音をC、母音をVとしたとき、中国語の音節は次のパターンがあります

①V
②CV
③VC
④CVC

ちなみにVの母音は、単母音、二重母音、三重母音が存在します

そして、③と④の最後のCは「n」、「ng」、または「r」の音価のみが来れます

~~~~~~~~~~


中国語を勉強する第一歩は、発音です

まずは、単母音を勉強しましょう

単母音とは、母音一つだけで一単位の音を構成するものを指します

単母音には、次の6つがあります

a   o    i(yi)   u(wu)   e   ü(yu)

一つずつ見ていきましょう(スラッシュで囲まれたアルファベットなどは音声記号を表します)

a /a/

日本語の「ア」の音です

日本語より舌が前に出るので、明るい音になります

o /o/

日本語の「オ」の音です

日本語より少し口を狭めて発音します

i(yi) /i/

日本語の「イ」の音です

「i」の前に子音が来ない場合、「yi」と表記します

u(wu) /u/

口を丸くして日本の「ウ」の音を出しましょう(暗めの音が出ます)

「u」の前に子音が来ない場合、「wu」と表記します

e /ɤ/

/(スラッシュ)で囲まれた文字は見慣れないものだと思います

この音は日本語にも英語にもない音です(ちなみにエストニア語にはこの音があります)

ただ、音を出すのはそこまで難しくはありません

日本語の「エ」の口で(唇を横にひいて)、「オ」の音を出してみてください

その音が、中国語の拼音でeと表記される音です

細かい微調整は、実際に音声を聞きながら慣れていくのがいいと思います

(少し口の開きを小さくしたほうがよりネイティブの発音に近づきます)

ü(yu) /y/

この音も日本語と英語には存在しません(ただ、ドイツ語やフランス語にはあるなど、メジャーな言語の多くで使われています)

こちらもあまり難しい音ではありません

この音を発音するには、「u」の音を出すときのように唇を丸め、「イ」の音を出すだけで大丈夫です


(「e」及び「ü」の発音練習法について、音声学的な根拠をもとに解説します。飛ばしていただいて問題ありません)

~~~~~~~~~~

「e」と「ü」の発音を練習する際に、以下のように解説しました

・「e」は、「エ」の口で「オ」を発音する

・「ü」は、「u」の口で「イ」を発音する(ここで「ウ」ではなく「u」と表記しているのは、標準日本語の「ウ」の発音が非円唇で行われるため、練習にふさわしくないと判断しているためです)


このような解説は、音声学的知識を根拠としています

拼音の「e」は、発音記号では「ɤ」です

この音は専門用語で「非円唇後舌半狭母音」といいます

それに対して、標準日本語の「エ」の音は「非円唇前舌中央母音」の音価があてられており、標準日本語の「オ」の音は「円唇後舌中央母音」の音価があてられています

僕が、「エ」の口で「オ」の音を出してください、といっているのは

「エ」の口を作ることで母音を「非円唇」とし、「オ」の音を出そうとすることで「後舌中央」の要素を足すためです

これによって、とりあえず「非円唇後舌中央母音」の音が出せます

そしてこの音を口を少し狭めて発音すれば、「非円唇後舌半狭母音」の音が出せる、という寸法です

同じような方法で、「ü」の音も作り出しています

~~~~~~~~~~


いかがでしたでしょうか

少し練習の必要な音もあると思いますが、すぐできるようになると思いますよ

この記事が役に立った!と感じていただけたら、フォローやスキをしてくれると嬉しいです

次回もよろしくお願いします

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?