見出し画像

『はたらく細胞』実写映画化!

 永野芽郁さんと佐藤健さんのW主演で、人気漫画『はたらく細胞』(原作:清水茜氏/講談社)が実写映画化されます。
 佐藤健さんは、製作発表会見の中で、自身も演ずる細胞たちのことを「史上最小で、最も身近なヒーロー」と話しています。このコメントにとても共感し、昼夜問わず日々はたらいてくれている細胞たちに感謝の気持ちが湧いてきたので、今回は、自分と共にいる存在でありながら、スポットライトを浴びてこなかった「白血球」に焦点を当てて、自分なりに語りたいと思います!

 まずは、血液成分の割合から。ヒトの血液は、液体成分と細胞成分でできています。
液体成分(約55%)…血漿
細胞成分(約45%)…赤血球、白血球、血小板
 
細胞成分である赤血球は、全体の約44%と言われているので、血漿+赤血球だけで血液の約99%を占めていることになります。血液が赤色なのは、細胞成分のほとんどが赤血球だからなんですね。
 
すると、残りの約1%が白血球と血小板ということになります。
白血球は、体内に侵入してきた異物に対し、からだを守るいわゆる「免疫」のはたらきをしてくれていますが、それが血液成分のわずか1%に満たないことに驚きます。細胞の隅々にまで酸素を運搬する赤血球のおしごとが大切なのは、重々承知しているつもりでも、赤血球に比べて「史上最小のヒーロー(白血球)」の数の少なさに、驚きを禁じえません。
 
ですが、白血球数の異常な上昇は、細菌感染症や炎症性疾患などの何かしらのトラブルが疑われ、逆に少なすぎても病原体に対する抵抗力が下がった状態を意味します。白血球数が多すぎず、少なすぎない、この絶妙なバランスの保持によって、我々の平和(健康)が保たれているんですね。ちなみに白血球の寿命は、数日程度と言われていて、絶えず補充されています。少数精鋭で、日々からだをパトロールしながら、異物を未然に排除してくれている白血球のはたらきに感謝の念が堪えませんね。
 
 さて、そんな白血球は、主に次のとおり細分化することができます。
顆粒球…好中球、好酸球、好塩基球
単 球…マクロファージ、樹状細胞
リンパ球…NK細胞、T細胞、B細胞
 
このあたりで、原作『はたらく細胞』を知っている方は、擬人化されたキャラクターたちが目に浮かんでいるかもしれません。
それぞれ違った得意技を持った個性豊かな白血球たちですが、一つひとつ取り上げていると長くなってしまうので、今回は、生まれつきからだに備わっている自然免疫の中から、好中球、マクロファージ、NK細胞たちにフォーカスしていきます。

好中球…
全白血球のうち、約半数を占めています。佐藤健さんは、数ある白血球のうち、この好中球を演じているんですね。からだの中を常にパトロールし、ウイルスや細菌などの敵が出現したら、素早く自分の細胞内に取り込みます(これを「貪食」という)。
他の免疫細胞たちと連携をとり、炎症の現場に駆けつけるヒーロー的存在です。
 
マクロファージ…
好中球と同じく、貪食により異物を排除すると同時に、体内の老廃物を取り込む掃除屋としての役目も担っています。
『はたらく細胞』では、白を基調としたエプロンドレスを身にまとい、優雅に立ち振る舞う姿が印象的ですが、生体内をアメーバのように動き回っています(これを「遊走」という)。単球が、血管外の組織に移動するとマクロファージとなり、原作でも単球からマクロファージへと衣装チェンジするシーンが印象的です。
マクロ(大型)ファージ(食べる)の名のごとく、パワフルで大食漢なイメージです。
 
NK(ナチュラルキラー)細胞…
がん細胞やウイルス感染細胞などを攻撃し、排除してくれています。他の免疫細胞からの指令を受けずに単独行動を取るため、敵に素早く反応できるのが強みです。「笑うこと」により、NK細胞が活性化すると言われているため、ストレスを溜めないことが大切ですね。原作でも仲間の細胞たちとは群れない孤高の存在として描かれ、いざというときに強くて頼もしい姉御肌キャラとして登場します。
 
 ここでは語りつくせませんが、他にも白血球には魅力的なキャラクターたちがたくさん登場します。そんな素晴らしいはたらきをしてくれている白血球たちに、我々ができることといえば、良質な睡眠、バランスの良い食生活、適度な運動、ストレスを溜めない規則正しい生活など、ありふれたことばかりかもしれません。ですが、どれも日常の喧噪のなかで、つい忘れてしまいがちになります。そんな時は、「自分が約37兆2000億個の細胞たちを養っているんだ」という意識が持てると、いつもより大きく深呼吸しようという気持ちになります。

 佐藤健さん演ずる好中球は、原作に忠実な真っ白さで、再現度の高いはまり役です。数々のヒーロー役を演じてきた佐藤健さんならではのアクションシーンも期待大ですね。映画本編は、2024年12月に全国上映予定です。
 

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは、創作活動の糧にさせていただきます!