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遠野醸造 x ANTCICADA コオロギビール

虫食に興味があるかと言われると、そんなにあるわけでは無い。しかしそれがビールとなると俄然飲みたくなるものである。虫を食べることは虫からの蛋白源の摂取となる。近年、蛋白源を加えたビールも出てきてはいるが、泡立ちやすくなることからも積極的に使用される原料とは言い難い。大学生の時に虫や爬虫類が食べられるお店に連れて行ってもらった記憶はあるが、コオロギを食べたかまでは覚えていない。うまく苦味等になっているだろうし、生臭さなどは無いと思っていたのでまずは試してみることにした。

3月17日の夕方に渋谷PARCOに到着した時には、大サイズがsold outとなっていた。残念と思いつつ中サイズを購入し、まずは香りを嗅ぐ。ダークエールに使用されている焙煎された麦の香りがよい。泡を舐めつつ、一口まず飲む。思っていたよりもボディが軽い。軽いのでドリンカビリティはよい。副原料としてのコオロギの味を探すけれども見つからない。味として埋没しているか、モルトやホップのどちらかになっているのかは、コオロギを食べていないと分かりづらい。簡単にまとめると、ドリンカビリティの高いダークエールであった。モルトの甘みとホップのバランスも悪くない。思ってしまうのは、コオロギの個性がもっと前に出せるようなビールの作り方もあったのではと思う。バランスではあるが、副原料として使うからにはコオロギが全面にでてもいいと思うのである。

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醸造の流れに関しては、遠野醸造様のnote(https://note.com/tonobrewing/n/n5c350c2f7f3e)に記載があるのでそちらを参考にして頂きたい。作り方を見る限りでは無難な作り方に終始しているように見える。それを批判するわけではない。ただもっとコオロギの味を前面に出せないかという疑問である。とはいえ、コオロギ以外の虫を使用して作るビールが増えてもいいと思う。

また現地でお話を聞くと、養殖されているコオロギは、日本で主に見るコオロギとは別ということであった。今後は可能であれば日本のコオロギをうまく交配させて食用と養殖に適したコオロギを作ることも必要ではないかと思った。後は養殖されていない虫がどれだけ食用として使えるのかなど含めても課題は多いとは思う。

これを機に虫食にとは全く思わないのだが、虫ビールはこれからも出てきてもいいと思う。それは、ビールの可能性が広がることになるし、ビールに新しい風味をもたらす可能性があるからだ。

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