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サッカー仲間

僕が入っている市民リーグのサッカーチームは年間10試合ある。
集合時間は試合1時間前と決まっていて、遅刻はあまりない。三々五々集まり、お喋りしながらストレッチやテーピングを入念に行う。

老眼鏡をかけて登録シートに記入するTさん。試合15分ぐらい前になると彼がスタメンを発表。控え選手も必ず後半から出場できる。

「今日の相手は長いボールを蹴りこんでくるからテルさんのとこは気を付けて」
「ジョージさん、疲れたら交代していいよ」とか、そんな会話が飛び交う。

互いのプレースタイルは掌握している。だけどその日の出席状況によっていつも同じポジションとは限らない。

さあ試合。審判に召集されてセンターサークルのほうに歩きながら、「じゃあ俺センターバックやるわ」とか「俺は左の前でいい?」とか「ゴールキックは、とにかく遠くに蹴っちゃって」など皆呑気に言い、そのうちにキックオフの笛。

チーム初の飲み会があった。16人集まった。あれほど無邪気に楽しめた席は久しぶりだった。
さんざんお酒が入ってから、誰かが「自己紹介をやろう」と言った。皆そう思っていたらしい。だって実はろくに名前も知らないメンバーが多いのだ。

見た目で年齢がわからない年頃だ。意外に年下だったり年上だったり。
締めの挨拶で、最年長のヤナさんから来シーズンの目標が発表された。

 「来年の目標は勝ち点10点!個々にトレーニングしておくように」
一同拍手。

※2015年10月

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