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若さの特権を語れるのはベテラン

いつもの朝より30分早い時間に走り始めたら、思いの外涼しくて少しペースアップして走っていた。

20代ぐらいの男性がバネの利いた走りで、飛び跳ねるように追い越していった。
僕はあのスピードで100mも走れないだろう。

イヤフォンからは、ラジオが流すピアノトリオの軽快なジャス。
それなのに僕の頭に浮かんだのは、こんなこと。

彼は、僕がその軽快な走りをどんな風に見送っているかなんて考えるはずない。
キラキラと輝いて見える自分の背中を知らない。

若さの特権を語れるのはベテラン。
若い人に若さの特権を語ることはできない。


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