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賃貸不動産経営管理士試験に臨んで

昨日11月20日(日)は、賃貸不動産経営管理士試験でした。
僕が宅建受験したのは平成28年。
それから既に6年経過して内容は記憶の彼方でしたが、今年一念発起して社労士試験後の8月末から勉強を開始しました。
期間としては84日間、3カ月弱です。


作戦立て

不動産関係の試験は久しぶりであり、また試験まで3か月弱ということで、最初に作戦立てを行います。

  1. 教科書を読むだけでは思い出せない部分もあるかもしれないので、安価でも良いので通信を受ける

  2. とにかく肢別みたいな問題集を解きまくる

  3. 問題集は絞らない、数種類をこなす

  4. 免除講習を受ける

  5. 毎度の自作botで嫌でも論点が目につくようにする

社労士試験前に受験申込だったのである程度の教材は揃えておきました。
スクーリングは調べてみるとキャリカレが安く、簡便そう。
パッと調べるためのテキストはTACのみん欲しとし、追加でこれまたTACの賃貸不動産経営管理士 出るとこ予想 合格(うか)るチェックシートを併用することとしました。
なお、賃貸不動産経営管理士試験では、5点免除講習というものがあり、これを受講したら50問中の5点は免除、つまり5点が自ずとゲットできるというものです。
調べてみると講習受講者と非受講者では特に合格率は変わらないようですが、試験中に5問解く時間も削減できるし、該当問題でポカして1,2点失うよりはマシなので、一応受けることとしました。
botに関しては社労士試験でも4つに分けて行ってきていましたが、アカウントの都合上健康保険法のbotをフォロワーさん達の投票の上で削除し、賃管botを立上げ。
これはテキスト読んだり問題集を解きながら「入力しよう」と思ったときに即座に入力するようにしました。
まあ一応フルタイムワーカーで時間も限られており必死だったわけ、でその分typoも増えます(笑)


まずは免除講習対策

免除講習を申し込むと、
「賃貸不動産管理の知識と実務」
という、アマで4,048円、1,066ページもある、まあこの資格にとってバイブルみたいな、協議会が作っている書籍を「購入し、読んでおけ、そして会場に持ってこい」という指示が出ます。
リモートならまだしも会場に集められてのことなので購入して読まざるをえません。
が、ひとつここではっきりと明言しておきたいと思います。
この分厚い、そしてダラダラと文章だけが続く、お世辞にもまとまって読みやすいなんて口が裂けても言えないような書籍ですが、僕がこの資格と業務を理解するのに最も役立ったのがこの書籍です。
どちらかというと僕は読書家であるのでこういったつらつらと続く日本語を読むのは苦手というわけでもないので何とか受講前までの2週間でページ数を決めて読破しましたが、これはほんとに役立ちました。

*とある方のツイートでアンケートを取っておられましたが、この書籍を購入した方々は5割程度だったようです。
金額高くて分厚くて読みづらい、という書籍ですが、僕個人としては読んでおいて損は無いという感想です。
いやむしろ協議会が何を言って何を望んでいるかを把握するには嫌でも一度読破しておくべきでしょう(笑)

ただ、免除講習については色々と思うところがあります。
とある会場で行われるわけですが、これが何とDVDを丸一日流すだけ、しかも8割方はこの「賃貸不動産管理の知識と実務」の内容をDVD内で各講師陣が棒読みするというとても褒められたものではない講習でした。
いくらなんでも・・・受講費(18,150円)を考えたらこれはアカンでしょう。
それなら半額以下にしてDVDとして販売し、買ってくれたら5点免除します、という方がまだマシです。
そしてこの5点免除についてはまだ言いたいことがあるのですがこれは後ほどで。


その後の勉強①

まずはキャリカレ申込み。
講座は動画+テキスト+問題集+添削問題集という構成。
これもまずはテキストを全て通そうということで、動画を見ながらテキストを全て読破する、という方式でいきました。
ひとつ残念だったのが、講師の先生の声や喋りはとても聞きやすいものの、これも免除講習と同じでほとんどがテキストをただ読んでいくだけ、というものだったことです。
他の予備校その他に関しても似たような動画があってこれについて苦言を呈している受験生の方々もおられますが、僕もそう思います。
これだと動画の存在の意味が(ほとんど)ありませんし、通信でテキストと問題集、そこにプラスアルファ(動画)という付加価値を期待して対価を支払う理由が失われてしまいます。
一応・・・僕は全て見ながらテキストを全部通しましたが、ここはキャリカレには大いに改善を求めたいところです。
ちなみに問題集の量は豊富で、いわゆる肢別問題集みたいな感じで僕の好みのものでした。
添削問題集もついており、これは4回に分けて入力送信します。
いずれも一応合格点は頂けました。
キャリカレのテキスト、問題集、添削問題、これらはとても有用なツールであると思います。
ただ繰り返しますが、動画はもっと講義調にしていただきたい。
今のままでは動画はあってもなくてもいいくらいの評価だと思います。


その後の勉強②

キャリカレの動画とテキストを通したらあとはとにかく問題演習。

  • キャリカレの問題集

  • 2022年版 楽学賃管士一問一答

この2冊を主な問題集としました。
楽学賃管士の問題集はKenビジネススクールが出している肢別問題集で、社労士試験で言えばTACのツボのような感じです。
これもなかなか素晴らしい!
キャリカレ、楽学ともに裁断して、ScanSnapで取り込み、問題はiPad上で解くという毎度の方式としました。
9月下旬と10月いっぱいはほとんどこの2冊に費やし、途中途中でキャリカレの添削問題を解いて送信しました。
この2冊でおそらく6回くらいは回したと思います。
あと賃貸不動産経営管理士ドットコムという無料で問題を解けるサイト(アプリ)がありますので、これは寝る前に100問ずつくらい解くようにし、これは何度か解くというものだけ付箋をつけ、終盤はその付箋問題のみ解いていました。
この途中で、まとめ本たるTACのチェックシートも何度か通して読みました。
問題集を一度通したらまたこの本に返って読み直す、みたいな感じです。
ちなみにこの書籍の巻頭には素晴らしい穴埋め問題が収載されており、そこに自分でも追加したかっため、内容を全てコピーしてワードで別途文書作成し、テフレーヌにファイリングしました。


その後の勉強③

直前期は模試本2冊。

  • TACのあてる(黄色いやつでどの資格試験の模試本も難解)

  • LEC出る順

基本は毎度のこの2冊です。
いずれも3回分ありますので計6回分、これも裁断してScanSnapで取り込み、iPad上で解きました。
PDFの保存自体はOneDrive上に行っているので、知らなかったところや間違いやすい論点は別途コピペ等してワード上にまとめ、これもテフレーヌにファイリング。

問題集2冊は6回ほど通したと思いますが、このあたりで他の問題にも触れておきたいということで、実はみん欲しの問題集も購入し、11月上旬に2回通しました。
こちらは過去問主体なので見たことがあるものも多かったのですが、ある程度の論点の見直しにはなりました。
本気で受かりたいなら投資は惜しまない。
カフェに数回行くのをセーブすれば浮くお金です。
まあ僕はもともと行きませんけど(笑)


直前期

直前期はほとんど自分でまとめた資料の見直しです。
が、ここでどうしても日建学院の模試本が気になり、直前期(というか試験の前の木曜日だったと思います)に購入して解きました。

  • 賃貸不動産経営管理士 直前予想問題集 2022年度版 とことん学ぶ!

この本は一部では不評で、こんなん出るのか?みたいなコメントをよく見ました。
が、僕はこの模試本で初見のものも多かったので、これも他の模試本と同様、知らなかったところや間違った論点は別途コピペしてワードにまとめ、テフレーヌにファイリングしました。
(僕はこの模試本は評価しますよ!)

ここから試験当日までにやったのは、とにかくこの自分まとめの読み直し
6回くらいは読み直ししたと思います。


本番

会場に持っていったのは上記の自分まとめのみ。
1時間前に会場に入って、最後に一度通しました。

試験内容は受験された方々ご存知の通り、個数問題だらけ(笑)
昨年が有名講師陣は35点とか36点とかを予想していたところ合格点が40点となってしまったため、今回は超難化させたいというのはわかるのですが、こういうやり方というのは安直すぎて協議会の対応には甚だ疑問を感じます。
中には没問となりそうなものも数問あったりで・・・
さらに試験を解きながら僕が呆れたのは、免除問題の簡単さ(笑)
おそらくこの50問の中で最も簡単な5問を最後に持ってきて免除問題としたようなものでしょうが、これはあんまりですし、免除講習をそれなりのお金をかけて受講した意味が全くありません。
少なくとも重要論点、ここは難解だがよく理解しておけ、というところを講習でしっかりと講師の言葉で話して理解を定着させる、その上で免除すべきでしょう。
何というか・・・決めたことにはそれなりの理屈や目的が必要だと思うのですが、一体何のためにやっているのか、質を上げるためにやっているのか、お金を集めるためにやっているのか、単にどんな問題でもいいので免除するためにやっているのか、これでは少なくとも受験生側には意味もなく、質の底上げにもなりませんし、しかも講習内容(ただ書籍を読むDVDを流すだけ)を考えたらただのお金集めと言われても仕方がないかと思います。
こういったところはもう少し協議会側に考えてほしいものです。
もっと実のあるものにしていただきたいですね。

あと、問題文によっては日本語が何となく玉虫色っぽいというかモヤモヤする問題も多かったと思います。
僕はこういう傾向は大反対です。
作問者の考えを優先し、どちらにも取れるような曖昧な日本語の表現で正誤判定を受験生に求めるのは甚だおかしい。
試験問題は演繹的に考えた上でAであるかBであるかというきっちりとした二分法での解答を求めるものが是でしょう。

こういったことを除けば、内容自体は基礎プラスアルファで、難化したと強く感じるのは個数問題のバイアスがかかっているからかもしれません。
僕自身は3カ月の勉強で初受験でしたが、協議会の実務本、キャリカレのテキスト、みん欲しのテキスト、チェックシートをしっかりと読んだ上では、問題自体が超難化、ということはないと感じています。
もちろん問32のような不可思議な選択肢のものもあってこういったところも難化のバイアスに働いてしまっているのでしょう。
全く違う試験になった、みたいに仰っている方もおられましたが、おそらくそう思わせているのは資格試験では類を見ない個数問題の多さからでしょうね。

問題自体は1時間超えないくらいで解き終わりました。
これまでいくつかの試験を受けてきているので、進ませ方を自分で定着させており(1問に要する時間は1分、とか決めておく)、その分慣れもあってそこそこ見直しの時間を確保できるようにしています。
宅建のときも大体同じだったと思います。
余程の見間違いとかでもない限り見直しでもほとんど修正はありません。
今回も修正ゼロ。
まあそれでも一定数は結果的に間違えているわけですが、これは気にしてもしょうがない。
ちなみに解く順番は一貫して順番通りで、高校受験の頃からほんと一貫してます。
宅建でも順番に言及することをちらほら耳にしていましたが、僕は全然気にしません。
途中途中で時計をチェックして一定配分するので、順番変更で何か有意差を出そうという試みは逆に余計な気を使うことになるので排除しています。

しかし・・・いろいろと言われる試験ですが、僕の会場は途中退席もできないし、トイレ退出もダメという今時ありえないようなルールでした。
正直言うと終了時は○胱が破裂しそうで終盤30分は見直しした内容すら覚えてないくらい我慢しておりまして、ましてや終わった後の回収と集計に職員の方々がえらく右往左往して時間がかかってしまってほんと参りました。
トイレ退出は認めてください。これは生理現象なのだから。
漏らしたり膀胱炎になったりしたらどうすんねん。
終わりを告げるとともに男性陣女性陣の別なくトイレに直行している人達との競争でしたね・・・
なんだか社労士試験とかと違ってまだまだ発展途上、問題文もフォントが違う部分があったりで何なのだろうみたいなところもあって、今後は賃貸不動産業の発展に伴い改善を期待したいところです。


結果

賃貸管理士試験ドットコムの採点入力では40点でした。
日建のメールサービスにも申し込みましたが、こちらは38点で当初入力間違いかと思われましたが、結局こちらも40点でまた戻ってきました。
僕のやり方と僕の頭だと3カ月弱で40点という結果になりました。
結果としては狙い通り、上出来だと思います。
あと3カ月くらいあれば、宅建は47点であったことからもう少し上の点数を狙えたと思います。


反省点

国土交通省から様々なガイドラインが出されています。
試験はそこから出されるわけですが、例えば原状回復のガイドライン等、僕は一度も目を通していませんでした。
時間があって余裕があれば「これは通しておこう」と気が回ったと思うのですがさっぱり頭から抜けていました(笑)
例えば現状回復におけるシリンダー交換等については今見るとガイドラインに記載されています。
(あと、シリンダーとは明記していませんが、「紛失」で交換ときたらシリンダーの交換でしかないわけで、実はこれもみん欲しのテキストにと原状回復について紛失と交換、借主負担の関係がしっかりと記載されていました。)
業法のQ&Aだけは読んでいたのですが、他は全く読んでいなかったこと、これが逃した点数にも繋がったと思います。
今後受験される方々はこういった国交省の文書にも十分目を通すことをおすすめします。


試験の合格発表は12月26日、まだ1カ月先。
これでも河野太郎さんのおかげだだいぶ早まったのかな?
良い締めくくりの年末を迎えられることを祈りたいと思います。

tomo拝

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