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シン・エヴァンゲリオン(ネタバレ含む)

3月8日に公開されたシン・エヴァンゲリオンを仕事の都合もあって公開2日後に観てみました。2時間45分ぐらいの上映時間もあってか観劇終了後ホワホワした状態である。だからこの想いを記してみたくなった。なお、上映が終わってまだ1時間しか経っていない状態で書いている。

そもそも僕がエヴァを知ったのは今から約25年ぐらい前まで遡る。僕は両親の家業の手伝いをしていた。テレビを見ることが出来る環境だったのだが、ワイドショーとかが垂れ流されているような状況の中、夕方にとあるアニメの映像が入ってきた。作品も知らない中、海に浮かんだ軍艦の上で敵らしき者と戦う赤いロボットだけ印象に残っている。それがエヴァだと気付くのはテレビシリーズが終了し、劇場版が公開されるぐらいの頃だっただろうか。

当時僕は予備校に通っていたのだが、友人達がエヴァの魅力を語り合っていた。僕はそこまで興味を持てなかった。ただその話の中が印象に残っているのは「次回予告が次第に雑になっていく」だけだった。ただ何かの報道番組か何かでエヴァの現象について取り上げていて次第に興味を持ち始めた。そして決め手になったのは参考書か何かを買うために長崎市のステラ座の中にあった石丸文行堂(今はなくなってると思う)の中のモニターでエヴァのテレビシリーズの次回予告だけを編集した映像が流されていた。その映像を見ていくうち、友人の話が思い出された。本当に次回予告が雑になっていく過程が次回予告のみの編集で手にとるように分かった。そこで僕はエヴァを認知してしまった。ただストーリー等は知らぬままだった。

大学に進学し、僕はスーパーロボット大戦シリーズをやり始めて、ようやくストーリーの概要を知ることになる。さらに大学で知り合った友人が高校時代テレビシリーズを夕方リアルタイムで見て、かつ劇場版も見に行ったという話をし仲良くなった。ただ僕は特撮に夢中になり始めた時期でもあり、アニメを借りようとは思わなかった。ちょうどレンタルがビデオからDVDに移行する時期である。

社会人となり仕事で擦り切れ始めた頃、僕はパチンコ・パチスロを覚えてしまった。当時のパチンコ・パチスロはエヴァが主力機種だったので、出会うのは覚えた時の必然だったのかもしれない。

さてそんな中での新劇場版公開である。僕ははっきり言って期待すらしてなかった。理由は当時の序はテレビシリーズの焼き直しという謳い文句だったので、その前に公開されていたZガンダムの劇場3部作に近いものだと思っていたからだ。更には最新の映像に焼き直す事によってパチンコ・パチスロの流用をするのかというイメージだった。破の公開のときも確かにマリという新キャラが出ているが、SNSもメジャーではなかったのでイメージは変わらなかった。

しかしQ公開初日、Twitterを初めて間もない僕はTLに散見されたネタバレを含む投稿が見られた事により物凄い興味に惹かれ映画館に足を運んだ。

そう。何を隠そう僕は直接のエヴァの体験はQからである。違う言い方をすれば直接の体験をしなくてもゲームやパチンコ・パチスロといったもので体感をすることができたという事である。おそらくTwitterをやってなければ直接体験をしようとは思わなかったかもしれない。

さて、そんなこんなでようやく公開されたシンですが、自分自身居住地が長崎から福岡に変わった事もあり、更には住まいの近くに映画館があるから話題作が公開後すぐ行く事がよくある。今回も然もありなん公開後すぐの観賞となった。

(注)ここからネタバレ含みます

まずスタートのパリのシーンは先行公開イベントがキャナルシティ博多であったので先述の大学時代からの友人と観に行ったけど、こんなシーンだっけ?というのが第一印象でした。確かに観たのが約2年前だし、外でのイベントだったので絵のエモーションだけだったので実際にこんなシーンだったかはあまり覚えていなかった。パリを舞台にしていたのはハッキリ覚えていたが、そこまで記憶に残っていなかったのは事実である。

その後主人公の碇シンジ達がとある村で生活をし始めるのだが、シンジの状態を見て、シンを製作し始める頃の庵野秀明のコメントを思い出した。

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また奥さんの安野モヨコさんが作画したアニメ大きなカブを思い出さずにはいられなかった。

https://youtu.be/uqeU5a6YgCs

Qという作品で疲弊した監督がシンゴジラをという自らにとっては癒しの空間で自分を次第に取り戻していく過程を、シンジが村で自分を取り戻していくのを見せられている気がしてしょうがなかった。

そしてシンジが戦艦ブンターに乗り込むよう様が監督がこの作品に決着をつける為に挑む姿を投影しているように見えた。

僕自身戦闘シーンにはQの頃からあまりビビットに心に残ることはなかった。ただ艦隊戦は印象に残っていた。今回もエヴァの戦闘シーンよりも艦隊戦が印象に残っていて、ロボット戦を特撮的にしていてエンターテイメントとして見るのは良いかもしれないが、僕はあまり乗り気にはなれなかった。

そんな中、綾波レイ(今作ではアヤナミレイ)を皮切りに、加持、アスカ、冬月、更にはミサトが死んでいく。

ただマリとリツコはじめNERV(現在はVILLE)のクルーやトウジといったシンジのクラスメートは生き残っている。

決着のために既存のキャラを死に、新しいキャラが構築されたキャラクターは残っている。僕はなんでなぜリツコは死ななかったのかふと思ったが、物語の進行上はもちろん、Qでヴィジュアルが大きく変わったからという解釈で腑に落ちた。

そこまでしないと終わることが出来ない作品だったんだと感じている。

また巨大綾波が出てきたのは実際、当時の映画の劇場版で話題になったらしいのだが、まさか見れるとはと思っていたが、冷静に考えると元々旧作の焼き直しを序でやっているのでそれの拡大解釈版として見るようにしている。

そしてラストは監督の故郷、山口県の宇部新川駅で終わるのだがシンジとマリで終わるとは思わなかった。そして声が違うなあと思っていたら、最後のエンドロールで神木隆之介が表記され、他の観客も「え?」という声が聞こえてきた。

ともあれ、約25年という歳月をかけてようやく終了したシリーズであるが、過去作もそうだったが、間違いなくこれらの映像もパチンコ・パチスロで流用されるだろう(結局そういう視点になっちゃうけど←)。というのも、たまたまBS日テレでテレビシリーズをやっていたのだが、いわゆるビスタ版で左右が切れている状態だったからそれをHD化させるための新劇場版だったのかもしれないなあと思ったりもした。

冷静に1台10万円ぐらいする筐体が何百台も売買されるわけだから、そのロイヤリティや製作費で作れるんじゃないかと昔から思っていた。実際そういう作品も制作されていると思っている。だからこそ、その呪縛から解き放たれた時どういう作品を作るのか個人的には楽しみである。

まずはこの夏公開の「シン・ウルトラマン」を期待して待ちたい。

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