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スタッツ分析:シンシナティ・オープン2020 D. シュワルツマン vs R. オペルカ

こんにちは、トモヒトです。

今回は、2020年のシンシナティ・オープン「D. シュワルツマン vs R. オペルカ」の試合でスタッツ分析を行ってみます。

試合全体でのラリー数内訳

まずは、試合全体でのラリー数内訳を見てみます。

0-4%:0.811(116) / 5-8%:0.147(21) / 9+%:0.042(6)

今回の試合では、80%強のポイントが0-4ショットラリーで終わっています。

獲得ポイントでのラリー数内訳

次に、獲得ポイントでのラリー数内訳を見てみます。

0-4%:0.743(52) / 5-8%:0.229(16) / 9+%:0.029(2)

試合全体のラリー数内訳と比較すると、5-8ショットラリーの割合が増えていることがわかります。

第1セット D. シュワルツマン 3-6 R. オペルカ

【サーブ関連】

1stサーブ確率
D. シュワルツマン=0.348(8/23) - R. オペルカ=0.645(20/31)

サーブオンリーポイント獲得率
※サーブのみで終わったポイント(サーブオンリーポイント)のうち、獲得したポイントの割合(サービスエース/ウィナー・相手のリターンエラー)
D. シュワルツマン=0.667(4/6) - R. オペルカ=0.867(13/15)

獲得サーブオンリーポイント割合
D. シュワルツマン=0.174(4/23) - R. オペルカ=0.419(13/31)

1stサーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.750(6/8) - R. オペルカ=0.750(15/20)

2ndサーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.400(6/15) - R. オペルカ=0.364(4/11)

サーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.522(12/23) - R. オペルカ=0.613(19/31)

まず特徴的な点は、オペルカ選手の獲得サーブオンリーポイント割合の高さです。
このスタッツは、「獲得したサーブポイントに占めるサーブオンリーポイントの割合」を表しています。
オペルカ選手の数値が0.419であることから、獲得ポイントの約40%はサーブだけで取っていることを表しており、オペルカ選手のサーブが強力だったことを表していると考えられます。
実際に、シュワルツマン選手はオペルカ選手のサーブに苦しめられていたように感じました。

次に、シュワルツマン選手の1stサーブ確率です。
第1セットのシュワルツマン選手の1stサーブ確率は0.348とかなり低くなっています。
1stサーブの確率自体は、サーブポイント獲得率と強い相関があるとはいえないスタッツです。

ただし今回の場合、1stサーブポイント獲得率は互角となっています。
仮に1stサーブポイント獲得率を維持したままオペルカ選手の1stサーブ確率に近づけることができれば、より拮抗した試合展開になっていた可能性があると考えます。

1stサーブ獲得ポイント
0-4ショット=4 / 5-8ショット=2 / 9+ショット=0
2ndサーブ獲得ポイント
0-4ショット=2 / 5-8ショット=4 / 9+ショット=0
サーブ獲得ポイント
0-4ショット=6 / 5-8ショット=6 / 9+ショット=0

【リターン関連】

1stリターン返球率
D. シュワルツマン=0.350(7/20) - R. オペルカ=0.750(6/8)

2ndリターン返球率
D. シュワルツマン=0.818(9/11) - R. オペルカ=0.800(12/15)

リターン返球率
D. シュワルツマン=0.516(16/31) - R. オペルカ=0.783(18/23)

1stサーブリターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.250(5/20) - R. オペルカ=0.250(2/8)

2ndサーブリターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.636(7/11) - R. オペルカ=0.600(9/15)

リターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.387(12/31) - R. オペルカ=0.478(11/23)

シュワルツマン選手の1stサーブ返球率の低さからも、オペルカ選手のサーブに苦戦していたことがうかがえます。

1stサーブリターン獲得ポイント
0-4ショット=4 / 5-8ショット=1 / 9+ショット=0
2ndサーブリターン獲得ポイント
0-4ショット=5 / 5-8ショット=2 / 9+ショット=0
リターン獲得ポイント
0-4ショット=9 / 5-8ショット=3 / 9+ショット=0

【ラリー関連】

ベースラインプレーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.563(18/32) - R. オペルカ=0.423(11/26)

ネットプレー割合
D. シュワルツマン=0.000(0/54) - R. オペルカ=0.111(6/54)

ネットプレーポイント獲得率
D. シュワルツマン=None - R. オペルカ=0.5(3/6)

0~4ショットラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.357(15/42) - R. オペルカ=0.643(27/42)

5~8ショットラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.750(9/12) - R. オペルカ=0.250(3/12)

9ショット+ラリーポイント獲得率
None

ポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.444(24/54) - R. オペルカ=0.556(30/54)

ラリー数でみると、0-4ショットラリーではオペルカ選手、5-8ショットラリーではシュワルツマン選手が優位になっています。
ただし、0-4ショットラリーの割合がかなり大きいため、0-4ショットラリーで優位のオペルカ選手が全体のポイント獲得率でリードしています。

プレー種別でみると、ベースラインポイント獲得率では、わずかにシュワルツマン選手がリードしていることがわかります。
これは、リターンを返してラリーに持ち込んだ場合は、シュワルツマン選手の方がポイント獲得できる可能性が高いと捉えることができます。

第2セット D. シュワルツマン 6(4)-7 R. オペルカ

【サーブ関連】

1stサーブ確率
D. シュワルツマン=0.744(32/43) - R. オペルカ=0.457(21/46)

サーブオンリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.846(11/13) - R. オペルカ=0.800(16/20)

獲得サーブオンリーポイント割合
D. シュワルツマン=0.256(11/43) - R. オペルカ=0.348(16/46)

1stサーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.781(25/32) - R. オペルカ=0.857(18/21)

2ndサーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.455(5/11) - R. オペルカ=0.480(12/25)

サーブポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.698(30/43) - R. オペルカ=0.652(30/46)

1stサーブポイント獲得率・2ndサーブポイント獲得率ともにオペルカ選手がリードしていますが、差は縮まっています。
要因の1つとしては、1stサーブ確率の改善が挙げられます。
0.744に改善したことで、より獲得率の高い1stサーブポイントが増え、サーブポイント獲得率が上がったと考えます。

1stサーブ獲得ポイント
0-4ショット=19 / 5-8ショット=4 / 9+ショット=2
2ndサーブ獲得ポイント
0-4ショット=3 / 5-8ショット=2 / 9+ショット=0
サーブ獲得ポイント
0-4ショット=22 / 5-8ショット=6 / 9+ショット=2

【リターン関連】

1stリターン返球率
D. シュワルツマン=0.524(11/21) - R. オペルカ=0.688(22/32)

2ndリターン返球率
D. シュワルツマン=0.600(15/25) - R. オペルカ=0.727(8/11)

リターン返球率
D. シュワルツマン=0.565(26/46) - R. オペルカ=0.698(30/43)

1stサーブリターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.143(3/21) - R. オペルカ=0.219(7/32)

2ndサーブリターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.520(13/25) - R. オペルカ=0.545(6/11)

リターンポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.348(16/46) - R. オペルカ=0.302(13/43)

全体的に、各スタッツでの差が小さくなっているようです。
ただ、シュワルツマン選手のリターン関連スタッツが改善したというよりも、オペルカ選手のスタッツが悪くなっていることによると考えます。
シュワルツマン選手のサーブ関連スタッツの向上によって、相対的にオペルカ選手のリターン関連スタッツが下がっているということです。

1stサーブリターン・2ndサーブリターンの獲得ポイントを見ると、下のようになります。

1stサーブリターン獲得ポイント
0-4ショット=3 / 5-8ショット=0 / 9+ショット=0
2ndサーブリターン獲得ポイント
0-4ショット=12 / 5-8ショット=1 / 9+ショット=0
リターン獲得ポイント
0-4ショット=15 / 5-8ショット=1 / 9+ショット=0

【ラリー関連】

ベースラインプレーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.538(28/52) - R. オペルカ=0.408(20/49)

ネットプレー割合
D. シュワルツマン=0.022(2/89) - R. オペルカ=0.056(5/89)

ネットプレーポイント獲得率
D. シュワルツマン=1.000(2/2) - R. オペルカ=0.800(4/5)

0~4ショットラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.500(37/74) - R. オペルカ=0.500(37/74)

5~8ショットラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.778(7/9) - R. オペルカ=0.222(2/9)

9ショット+ラリーポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.333(2/6) - R. オペルカ=0.667(4/6)

ポイント獲得率
D. シュワルツマン=0.517(46/89) - R. オペルカ=0.483(43/89)

ポイント獲得率をみると、シュワルツマン選手がリード(得失点差+3)を獲得しています。
割合事態は数%程度ですが、テニス特有のスコアシステム上、ポイント獲得率で相手を上回っていてもセットを落とすことがあります。
このセットがそのケースに当たります。

ラリー数でみると、5-8ショットラリーではシュワルツマン選手、9+ショットラリーではオペルカ選手が優位を取っています。
0-4ショット:0 / 5-8ショット:+5 / 9+ショット:-2

プレー種別でみると、第1セット同様、シュワルツマン選手がベースラインポイントで優位(得失点差+8)を取っています。

まとめ

今回は、2020年のシンシナティ・オープン「D. シュワルツマン vs R. オペルカ」の試合でスタッツ分析を行いました。

今回、オペルカ選手のサーブが強力で、0-4ショットラリーの割合が大きな試合となりました。
いかに0-4ショットラリーで負けないか他のラリー数で優位を奪うかがカギとなる試合であったと感じています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想あれば、コメントにお願いします。

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