ベースライン・ネットプレーでのポイント獲得率からベースラインでのプレー割合を決める計算式
こんにちは、トモヒトです。
今回は、ベースライン・ネットプレーでのポイント獲得率からベースラインでのプレー割合を決める計算式を考えてみます。
値の定義
計算式を考えるうえで、必要な値について定義します。
サーブ時のポイント獲得率
サーブのみで終了したポイント(サービスエース・サーブウィナー・リターンミス・DF)の総ポイントに占める割合を、serve%と定義します。
サーブのみで終えたポイントのうち、自分の獲得ポイントの割合をserveA、相手の獲得ポイントの割合をserveBとします。
ラリー時のポイント獲得率
ラリーまで続いたポイントの割合は、(1 - serve%)で表すことができます。
また、自分と相手のポジションごとのポイント獲得率は、下の表のとおりです。
表の左側が自分のポイント獲得率、右側が相手のポイント獲得率を表しています。
また、自分のベースラインでのプレー割合をpとします。これによって、ネットプレー割合を(1 - p)となります。
同様に、相手のベースラインプレー割合をq、ネットプレー割合を(1-q)となります。
ポイント獲得率の計算式
それでは、ポイント獲得率の計算式を出していきます。
ラリー時のポイント獲得率
全体のポイント獲得率を出す前に、ラリー時のポイント獲得率を求めます。
これは、リターンが返った場合のポイント獲得率を表しており、「ラリー時のポイント獲得率」の値を使用します。
自分のポイント獲得率を計算すると、次のようになります。
$$
x_A{q - (1 - p)} + y_A(1 - p)+z_A(1 - q) \\
=(x_A - z_A)p + (q - 1)x_A + y_A (1 - q) + z_A \\
=(x_A - z_A)p + (y_A - x_A)(1 - q) + z_A
$$
全体のポイント獲得率を算出する
次は、サーブのみのポイントを考慮したポイント獲得率の計算式について考えていきます。
サーブのみでのポイント獲得率は、次のようになります。
サーブのみでのポイント獲得率=serve% * serveA
よって、全体のポイント獲得率は次のようになります。
$$
serve% * serveA + (1 - serve%){(x_A - z_A)p + (y_A - x_A)(1 - q) + z_A}
=(1 - serve%)(x_A - z_A)p + (1 - serve%){(y_A - x_A)(1 - q) + z_A} + serve% * serveA
$$
この式について、もう少し詳しく見てみます。
(1 - serve%)(x_A - z_A)p
(1 - serve%)は0以上になるため、xA - zAの符号によって直線の傾きが変わります。
xA > zA:xA - zA > 0
xA < zA:xA - zA < 0
これは、相手がベースラインにいるときに、ベースラインにとどまるかネットに出るかの割合をどう考えればいいのかを表しています。
xA > zA、つまりベースラインでのポイント獲得率がネットプレーでのポイント獲得率を上回るのであれば、Pの値を大きくする(=ベースラインプレーの割合を上げる)ことで全体のポイント獲得率を上げることができます。
(1 - serve%){(yA - xA)(1 - q) + zA} + serve% * serveA
この部分は、直線でいうと切片にあたります。
0 ≦serve%≦1, 0≦serveA≦1より、serve% * serveAは常に0以上となります。
(1 - serve%)≧0であることから(yA - xA)(1 - q) +zAの符号によって、(1 - serve%){(yA - xA)(1 - q) + zA}の符号が決まります。
この算出式で0.5以上になれば、ポイント獲得率で相手を上回ることができます。
ポイント獲得率で相手を上回ることができれば、90%以上の確率で勝利することができます。
ラリー時のポイント獲得率とプレー割合を変化させながら、0.5以上となる組み合わせで実現可能性があるものを、目安の値とします。
まとめ
今回は、ベースライン・ネットプレーでのポイント獲得率からベースラインでのプレー割合を決める計算式を考えてみます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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