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シンシナティ・オープン2020 シュワルツマン選手のスタッツ分析

こんにちは、トモヒトです。

前回までで、シンシナティ・オープン2020のシュワルツマン選手の各試合について、スタッツ分析を行ってきました。

ラリー数内訳

まずは、試合全体でのラリー数内訳を見てみます。

ラリー数内訳

グラフや表を見ると、0-4ショット、5-8ショットで90%を占めていることがわかります。
言い換えると、9ショット以上のロングラリーは10%未満しかなかったということを意味します。

獲得ポイントでのラリー数内訳

先ほどは試合全体でのラリー数内訳でしたが、次はシュワルツマン選手の獲得ポイントでのラリー数内訳を見てみます。

獲得ポイントにおけるラリー数内訳

試合全体のラリー数内訳と比較すると、0-4ショットラリーの割合が減って、5-8ショットラリーの割合が増えています。
これは、0-4ショットラリーのポイント獲得率よりも5-8ショットラリーのポイント獲得率が高いことを表しています。

ラリー数別ポイント獲得率

ここまではラリー数内訳を見てきましたが、ここではラリー数別のポイント獲得率を見てみます。

ラリー数別+全体のポイント獲得率

まず、全体のポイント獲得率(黒点)をみると、負けたオペルカ選手との試合では0.5を下回っているのがわかります。
ポイント獲得率で相手を上回ることが勝利につながる」という点は、今回の試合にも見られます。

また、0-4ショットラリーのポイント獲得率は両試合とも0.5を下回っています。
ここで、両者の差は以下の2点です。

  1. 0-4ショットラリーポイント獲得率の0.5との差分

  2. 5-8ショットラリーと9+ショットラリーのポイント獲得率

1.に関しては、ルード選手との試合よりもオペルカ選手との試合の方が0.5との差分が大きくなっています(0.494 vs 0.448)。
これは、全体のポイント獲得率で0.5を上回ることを目指すためには、オペルカ戦の方が、他2つのラリー数でのポイント獲得率でより高いポイント獲得率を求められることを意味します。

そこで、2.の話になります。
全体のポイント獲得率と0-4ショットラリーポイント獲得率の差分をみると、ルード戦の方が大きくなっています。
vs C. ルード:0.052 / vs R. オペルカ:0.041
5-8ショットラリーのポイント獲得率は両者とも0.5を上回っています。
一方、9+ショットラリーポイント獲得率は、ルード戦では0.5を上回るのに対し、オペルカ戦では0.5を下回っています。
ここに、ラリー数内訳も合わさって、ルード戦ではポイント獲得率が0.5を上回る一方で、オペルカ戦では0.5を下回ることになります。

プレー種別内訳

最後に、獲得ポイントに占めるプレー種別を見てみます。

プレー種別は以下のように分類します。

  1. サーブオンリーポイント:サーブのみで獲得したポイント(サーブエース/ウィナー、相手のリターンエラー)

  2. リターンオンリーポイント:リターンウィナーで獲得したポイント

  3. ベースラインポイント:ストロークラリーで獲得したポイント数

  4. ネットプレーポイント:ネットプレーのポジションにいた際に獲得したポイント(ネットプレーのポジションでボレーを打たずに獲得したポイントも含む)

  5. 相手のDF

獲得ポイントプレー種別割合

これを見ると、ベースラインポイントが60%強、サーブオンリーポイントが20%強で、この2つで80%強を占めています。
仮に、このプレー種別割合を変化させない限りは、サーブとベースラインプレーでいかにポイントを獲得するかが、試合の勝敗に大きくかかわってきます。

また、プレー種別のポイント獲得率(相手のDFを除く)をみると、以下の通りになります。

プレー種別ポイント獲得率

まとめ

今回、試合全体のポイントや獲得ポイントに対して、ラリー数やプレー種別の割合やポイント獲得率を見てきました。

割合の大きなラリー数(0-4ショットラリー)やプレー種別(ベースラインポイント、サーブオンリーポイント)が、ポイント獲得率に及ぼす影響は大きくなります。
ただし、割合の大きな部分で0.5を下回っていたとしても、他の部分である程度リカバリーすることは可能です。
0-4ショットラリーや、ベースラインポイント・サーブオンリーポイントでのポイント獲得率を重視しつつ、他の部分でのリカバリーも頭の片隅に入れておくのがよいかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想あれば、コメントにお願いします。

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