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ふみサロ2月課題《先祖探偵》を読んで

2022年6月からエッセイ塾、ふみサロに参加しています。
早いもので、2年目になりました。
2年生ですね。

毎月課題本から得たインスピレーションをもとに800字程度のエッセイを書き、参加者同士で講評する。SNSで発信するまでが課題。
以下がエッセイ


私は誰?

 課題本のタイトル『先祖探偵』を聞いた瞬間から、「まいったなぁー」というのが、正直な感想。

1ヶ月ずーっとモヤモヤしていた。
結局他にネタが見つからないので、書いてみます。

私に実父がいると知ったのは、婚姻届を出したとき、27歳だった。

物心ついたときから父はいて、何不自由無く暮らしていた。両親が事実婚であると知ったのは10歳ぐらいだったが、「へぇー、大人はいろいろ大変なんだなぁ」ぐらいにしか感じず、一応、書類上は母子家庭だと理解していた。

だから、婚姻届を書くときも、父の欄は空欄にした。
役所で、父の欄が空欄であることを指摘されても、「母子家庭なんで・・・」と答えただけだった。

しかし、そのままでは受理してもらえず、かなり待たされたあと、父の欄に知らない人の名前が記載されていた。

この人は誰?

その日、家に帰って母に聞いてもはぐらかされた。 

私の身体に流れている半分の血は知らない人だった。と知ったときの気持ち悪さ、聞いても教えてくれない母への不信感。
こんな大事なことをはぐらかすってどういうこと?

それから2ヶ月ぐらいたってから、実父のことを聞いた。

今さらなに?

身震いするような気持ち悪さ。
急に自分が誰だか分からなくなるようなぐらつく感じ。

母によると、実父は音楽が好きでギターを聞いたり、歌ったりするのが上手だったそうだ。

何それ。

何も知らずに、無邪気に音楽を志していた私を、事情を知っていた大人たちはどう見ていたのだろうか?

気持ち悪い。

本の中で
“風子は知らないところでもう一人の自分を発見したような不気味さがあった。
自分そっくりの人物が知らない土地の知らない場所で額縁に収められている。不気味であると同時に、妙な感慨を覚えた。”
とあるが、この“不気味さ”の感覚がよく分かるような気がする。

命があるのは実父のお陰だと頭では理解しているが
未だに実父に興味はない。
会いたいとも思わないし、話してみたいとも思わない。

       おわり


自分のルーツを聞いて、余計に混乱したエピソードです。
面白くは書けませんでしたが、いつかは向き合わないといけない題材だったので、今回勇気を出して書いてみて、これから向き合うきっかけになるのかなと思いました。

先祖探偵 (ハルキ文庫 し 18-1) 


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