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ふみサロ8月課題≪絶滅危惧動作図鑑≫を読んで

2022年6月からエッセイ塾、ふみサロに参加しています。
早いもので、2年目になりました。
2年生ですね。

毎月課題本から得たインスピレーションをもとに800字程度のエッセイを書き、参加者同士で講評する。SNSで発信するまでが課題。

以下がエッセイ


絶滅危惧的生活?



16年前の8月、夫の祖父母が建てた家に引っ越してきた。昭和45年に建てられて、今年で築53年。友達は、「おばあちゃん家に来たみたい、懐かしい感じがする」とか、「実家に帰ってきたみたい」と、畳の部屋で足を伸ばしてくつろいでくれる。

私も昭和生まれだが、この家に来て、初めての体験がたくさんあった。タイルの洗面所、男女別のトイレ(床はタイル)、欄間、雪見障子、ピタッと閉まらない窓、などなど。庭でセミの脱け殻を見たのも初めてだった。

ピタッと閉まらない窓を見て、冬が恐かった。義母は「一酸化炭素中毒にならなくて良いじゃない」と笑っていた。お風呂やキッチンなどの水回りをリフォームしたが、窓までは余裕がなかった。冬はやはり、とてつもなく寒くて、様々な暖房器具を試したけれど、満足できるものはなかった。剪定した庭木を外で燃やしていて暖かいのに、部屋に入ったら寒いなんておかしい!どうせなら家のなかで燃やしたい!と、2014年から暖炉生活が始まった。

薪の調達が最大の課題で、最初の2年ぐらいは業者から買ったり、薪割りのイベントに参加して、情報を集めた。今では、近所で業者の方と知り合うことができたので一安心。薪割りは夫の担当。全身を使うのでストレス発散になるらしく、楽しいらしい。最近では筋トレに夢中な息子も、良いトレーニングになるからと、興味を示し、積極的に手伝ってくれる。難しいお年頃だが、夫と二人で協力しながら和気あいあいと力仕事をしているのを眺めていると、暖炉の火もより暖かみを増してくるようだ。

火を囲む生活は、想像していたより楽しい。何より部屋が暖かい。炎を眺めながら、ビールを飲み、のんびり読書するのもいい気分だ。大きな鍋で肉や野菜を煮込むだけでごちそうができる。アルミホイルに包んださつまいもを暖炉に乗せておくだけで、最高のおやつが完成。寒い冬は大嫌いだったが、最近では冬が待ち遠しいと思うようになった。

        おわり


やったことがない、日常生活でみたこともない動作 レベル5で最初に取り上げられていたのが、“井戸水をくむ” と、“薪を割る” でした。そして次のページでは“火をおこす”とあって、あれっ?我が家の生活は絶滅危惧レベル5?
そんな絶滅危惧的生活をすることになったきっかけを書きました。


課題本


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