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ふみサロ11月課題≪壁の乗り越え方≫を読んで

2022年6月からエッセイ塾、ふみサロに参加しています。
早いもので、2年目になりました。
2年生ですね。

毎月課題本から得たインスピレーションをもとに800字程度のエッセイを書き、参加者同士で講評する。SNSで発信するまでが課題。
以下がエッセイ


武者修行


20代の頃、音楽療法のスタッフとして、大学病院の精神科病棟に、週1回、7年間通った。

病棟での音楽療法は、歌を歌うことが主な活動だ。先輩が全体のプログラムを考え、会を進行し、私はピアノ伴奏でサポートするのが主な仕事だった。10代~90代の患者さんが入院しているため、取り上げる音楽は時代もジャンルも実に様々。クラシック音楽しか知らなかった私にとって、今のように、調べればすぐ分かるというわけにはいかず、CDを買って調べたり、楽譜を頼りに練習するしか無く、ピアノ伴奏をするだけでも、準備が大変だった。
ところが、時々先輩がお休みする時は、私が司会進行をしなければならず、ピアノ伴奏以上に困った。まず、普段ピアノを演奏するときは、お客様に右半分しか見せていない状態なので、正面を向いて立つのが恥ずかしい。それに話すことは大の苦手。季節の話題、歌のエピソード、調べて分かることはどんな順番で話そうか等と考えてから望むけれど、患者さんの発言で、思い通りの展開にならないことも多く、私がうまくリアクションを取ることができずに、変な間が出来てしまって、頭のなかが真っ白になった。

モジモジしている私を見兼ねた患者さんが、かえって気を遣ってくれることもあり、なんとか終えたときは、心から「助けてくれてありがとうございます」という気持ちになった。

しかし、終わってからも緊張が続く。参加者一人一人について、医師や看護師とミーティングをし、カルテに記録を残す。専門用語が飛び交うなかで、理解することも一苦労だが、音楽療法のスタッフとしてのコメントをすることは、かなりのプレッシャーだった。大勢の前で話すことも冷や汗だし、スッタフと話すことも冷や汗が止まらない。


けれどこの7年間で覚えたことは、分からないことは素直に聞いて、教えてもらう。自然体で接するのが一番。無理に背伸びして、知ったかぶりをしているときが一番冷や汗が止まらなかった。

           おわり



壁といえるほどのピンチになったことがない・・・と思っていたので、過去の大変だったことというよりも、先日経験したコンサートがまるで修行のようだったことを書きたいと思っていたが、うまくまとめられなかった。

著者が冷や汗をかくくらいスピーチが苦手なときは?という章からヒントを得て、
そういえば、私も人前で話すのが苦手だったけれど、やらなければならないときに、冷や汗をかきながら頑張った時のことを書きました。

病院での経験は、今の、音楽に対する考え方の原点にもなっているので、私のなかで大事な期間です。今後も音楽療法に携わっていた頃のエピソードを紹介できたらと思います。

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