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記録 10月7日・interlude

面会に向かう新幹線車中。

あえて最遅の各停に乗った。
少しでも早く会いたいというよりは、少しでも心を落ち着かせる時間を取りたい。
景気付けのハイボールもなかなか進まない。

今の気持ちは、すごく複雑だ。

父の病気はもう治らない。それはわかっている。
もう何年も闘病してきたし、きっと身体はぼろぼろだ。
もう頑張んなくていいよ、という気持ちもある。

でも。
あと何年も生きてほしいとまでは思わない、
ただもう少しだけ時間が欲しい。
願わくは、ちょっとだけ回復して痛みも引いて、退院できないまでもいつもの父に戻って、穏やかな時間を過ごしてほしい。
入院中もう1、2回面会に来て、普通の話をして。

そんな小さな奇蹟を願う気持ちもある。

…あかーん、車内なのに泣いてまう。。。

私、今日の面会、大丈夫だろうか。
父は自分の現状を知らないらしい。
来るか来ないかわからない未来の話を、素知らぬふりをしてするのだろうか。
ていうか、弱ってる姿見て、泣かずにいられるだろうか。

大切な人を何人も亡くしてきたけど、みんな突然だった。
こうして弱っていくのを見るのは初めてで、どうしたらいいかわからない。

この記録も、どうなるのかな。
だいたいこういうのって全てが終わってから書いたり公開するパターンが多いと思うけど、リアルタイムのものを、何かに書き留めておきたかった。
人に話したりはしているけど、それでも溢れるものを自分で抱え切れる自信がないからだ。

まだ面会前。

父の様子も、自分の心の動きさえ、予想できない。


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