夏は夜 その少し前
春はあけぼの。夏は夜。
あまり授業で詳しく扱った訳ではないのだが、大人になってからもよく思い出す。季節に関しての鋭い感性に感銘を受けると同時に、現代にも語り継がれる普遍性。「なんだ、大切なことは昔から変わっていなかったんだ」と、やけに親近感を感じたことを覚えている。
ただ、今は、夜の少し前。さらに言うと「特別な夕方」だ。
もう少しで今日のメインイベントが始まる。
しかし、強く心を動かしたのは、夕景のグラデーションだった。
昼間からイベントは盛況。出し物のようなものが多く、売店も豊富。珍しくお笑い芸人も来ていたことは、運営側の本気度を感じる。淡い階調は、そんな昼間の疲れを表現しているようにも見える。
同時に、メインイベントへの期待も含んでいることも間違いない。昔、夕暮れを「太陽の残り」と表現しているのを聞いて、これまた衝撃を受けたが、その無段階的な変化は、見るものの複雑な感情を重ねてしまう。
はるか遠くまで響き渡る轟音とともに、夏の風物詩が夜空に咲いたのは、数十分後だった。あっという間に、夜の闇が覆いつくしていたようだ。
混ざりあう一瞬が好きだ。
2024/9/25追記
過去作品でもOKということで、よづきさんの企画に応募させていただきました。
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