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Talking Heads - Sop Making Sense/Speaking In Tongues

2月にStop Making Senseが全国でリマスター版の上映したときに見てきたので感想と日記です。Stop Making Senseと言えばceroの高木昌平がフェイバリットとしてインタビューとかで何回も話してるイメージがあって今回公開に関してのトークイベントかなんかで抜擢されたらしくめっちゃ嬉しかっただろうな・・・となり素直に良かったね・・・と思った。弟がceroの大ファンで毎年ライブに行っている感じなので今回無理にでも連行した。あーみんとデヴィッド・バーンどっちが好きなんだろう?て聞かれてちょっとワロタ

Stop Making Sense、自分は元々海外の音楽を聴く方が日本語の音楽を聴くより圧倒的に割合が多くて、そして翻訳は毎度ちゃんと調べたり一々見たりしてるわけではない。今回、映画としてライブを一通り全部歌詞の字幕付きで見るというのがとても新鮮で発見が多すぎて当たり前のことだけど言葉がわかると音楽の認識が変わったり、ステージパフォーマンスに新しい目線を加えてくれる。ちゃんと歌詞を意識して音楽を聴く人ならもうとっくに無意識にやってたであろうことを、一応音楽聞くのが趣味ですみたいな感じで10年以上やってきた自分が今更気づくことになった。画面上に文字として出てくるっていうのがやっぱり大きい。

メンバーが一人ずつ参加してくって演出が熱いですね。サイコ・キラーの歌詞こんな感じなんだと結構驚きがあった。デヴィッド・バーンのこと自分はどんな人か熱心にインタビューを漁ったりしたこともないのでよく知らなかったが歌詞を見ながらパフォーマンスを見ているとすごく孤独で神経質な人なんだなと思ってしまう。そしてああいう歌詞を書く人が、こうやって大所帯でバンドやってるからこそ、名曲This Must Be The Placeのアウトロにおける一人電気スタンドで遊ぶシーンが本当にグッとくる。美しすぎて映画史に残る瞬間だろうと、本当に涙を堪えるのに必死だった。ライブ、やっぱパーカッションいるとめちゃくちゃシンプルに上がってしまうし分厚いコーラス隊の緩急とかも音源で聞くよりよりはっきり出てくるので、Slippery Peopleとか音源では気にしたことなかったけどめっちゃグッときた。その後にBurning At The Houseのシンセのフレーズが流れてきて観客が湧く瞬間とかめちゃわかりますよ。劇場で一緒に拍手したくなってしまった。あとファンにはもう当然周知の事実なんだろうけど、やってるしせっかくだし見ておくかくらいの感覚で来ちゃった視聴者なのでマジでビビったんだけど、バーニー・ウォーレル(P-FUNK軍団)が参加してたのかなり驚いた。本家じゃん。最後の一人ずつメンバーを紹介するくだりのとこです。昨年突然ファンクにハマって一年中Parliamentとか彼のソロを聞いていたので本当にタイムリーだったし、前も調べたときとかに名前を見てはいたんだろうけど当時気づけるわけもなく。それもあって大所帯だしファンクバンドのショーみたいな色も強くて、その辺のグルーヴが強く出たGirlfriend Is BetterとかMaking Flippy Floppyが今聞くと一番好きかもかもってくらいしっくりきますね。ていうかStop Making Senseってタイトルはこの曲の歌詞から来てたんだというのも初めて知った。

てわけで映画見た途端めちゃくちゃハマっているのがこのアルバム。This Must Be The Placeは元から好きだったけどそれ以外ほとんどしっくりきてなかったし、ファンクとして聞くにしても音がちょっと埋もれた感じするというかあんまり分離が良い楽器の生っぽさとが感じられなくて、もっとソリッドにしてほしいというのが正直な気持ちだった。今はライブ映像を見たりファンクをたくさん聞いたりしたことで色んな角度の目線をもらえて、このちょっと淡白で機械的な雰囲気が最高。プリンス辺りを聞いたおかげもあると思うし、逆にここハマってから聞くプリンスも発見が多かった。基礎のビートに絡みつく各パートが全然ねちっこくないのが良い。スライとかプリンスほどミニマルに整頓はしないでエレポップ風味なのも良いし、ディスコと距離を取ってあくまでロックバンドのショーとしてやろうとしてる感じもある(これはライブ映像を見たおかげかもしれないが)。昨年よく聴いたスティーリー・ダンとか、ブルーアイドソウル系のおかげで以前より理解度が増したと思うし、2ndとか3rd辺りのポリスとも並べて聞ける感じがする。むしろこれもまた相互補完でポリス聞き返すのが楽しいし、この辺からパンク(というかロック)サイドから80sポップとは別のラインでブラックミュージックでどういうアプローチがしたかったかが見えてくる気がする。

あと一昨年にキンクリにハマって(しかも80s)、そこでよく聞いてたBeatとかあの周辺作が割とトーキングヘッズっぽい色が強くてそこから遡る形で好きになったのかもしれない。先日書いたプリンスと同様長いことあまり深くハマれてなかったバンドが何週かして戻ってしっくりくるということが最近は多く、新譜を漁るというより旧譜やライブラリ内を聞き返すのが楽しくてしょうがない。ソウルやファンクってのはロックやジャズの黎明期から密接でお互いに影響を受け合っていたルーツの基礎の基礎の部分だろうし、自分が好きな今の音楽から辿っても絶対どっかしらぶつかるのでその原初の部分を昨年たくさん聞いたのはかなり大きかったです。以下、別ブログ(朱莉TeenageRiot)で以前やったその頃のキンクリ感想のそのままコピペ。

ディシプリン期にハマり超聞いてた。体制も違うし70sとはもう別物で、元々苦手だったんですが知人がディシプリンを「トーキングヘッズみたい」と評したことでトーキングヘッズの亜種として数年ぶりに聞き返しました。そしたら世界が変わったかと思うくらい恐ろしく新鮮に聞こえてきて、なるほどマスロックの元祖として聞こうとしてたことが駄目だったんだなと理解し見方を変えることでこんなにしっくり来るのかと、そのまま未聴だったBeatとThree of a Perfect Pearを購入しドハマリ。プログレ時代に培った強靭なリズム隊とユニークなギターリフを下地にしたニューウェーブ的な雰囲気があり完全に新しい、彼らしかやってない音楽になってます。

以下聞き返すの楽しくなったアルバム

テクノデリックは邦楽でオールタイムベスト挙げろと言われたら真っ先に浮かぶアルバムだけど、今聞くと普通に体操がトーキングヘッズすぎて笑った。YMOメンバーの当時のラジオとかでも名前が上がってたらしい(当時ラジオを欠かさず聞いていたソース不明の父親情報)(他にも80sイエスやポリスやXTCなども名前が出てくることがあったとのことで真偽不明だけど結構それっぽい)。

自分は子供の頃からポリスを聞かされて育ってきたが親がポリス好きなのもYMOからの派生らしい。他にも上記の通りラジオを辿ってアンディ・パートリッジのこと知ってたり80sポップ期のイエスのレコードを持ってたりする。父親は音楽好きって感じでもなく、好きではあったと思うがライブとかも行ったことないし深いとこ掘ったり自分から情報を熱心に集めるタイプではなかったので、そんな父親でもラジオを欠かさず聞くくらい当時お茶の間にYMOが浸透していて世間への影響が強かったことがなんとなくわかる。しかもそっから父親に海外アーティストのレコード買わせるまでいってるし、メンバーは普通にバラエティとかにも出てたしアイドル的人気もあったみたいなので、今ではレジェンドだけど特別音楽好きではないライトなファンもたくさん付いて行けたのではないか。というのも、この前ツイッターの知り合いと飲んだら同年代のフォロワーさんの親が完全にそんな感じだったみたいで、親が若い頃集めたレコードのチョイスがポリスとかイエスとかYMOで今でも家にあるっていう奇跡的リンクを見て「うちと一緒だ!」となり、そういう層、そういう世代の人たちが一定数以上いたことがわかってちょっと面白かった。ネットもなかったし、音楽雑誌を買うほど熱心な人達でなくても、メンバーが有名すぎるから昨日の坂本龍一のラジオ聴いた?とかそんなノリで普通に中学校とか高校で繰り広げられていたのかなとか想像する。

超好きなアルバム。最近聞き返すのが楽しい。

これまたちょっと毛色が違うがGhost In The Machineがポリスでは最初に聞いたアルバムでこれも父親の棚にあったのをジャケで選んだ。これも好きです。

ちなみにThis Must Be The Placeが元から好きだった理由は向井秀徳のインタビューとかで名前を見たから、だった気がする。後にLEO今井とカバーした動画上げてますね。そもそもLEO今井を気に入った理由がボーカルがデヴィッド・バーンみたいだったとかだったはずだし、KIMONOSの1stはかなりトーキングヘッズみたいだったと思う。1曲目とか。

今聞いても超名盤。指が疲れたので終わります。最近は喧嘩商売を全巻借りて毎日読んでるけど面白すぎる。しまぶーネタがヤバい。白い三連星が好きです。あとKIMONOSはZAZEN BOYSのライブで来週対バンなので楽しみです。野音。

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