見出し画像

Parliament - Motor Booty Affair(1978)


Parliament - Motor Booty Affair(1978)/ Casablanca

別に今のタイミングで特別記録する必要もない、個人的にハマっていた旧譜をその時々の感覚で記録していきます。2023年にSquidやOGRE YOU ASSHOLEの新譜を聞きながらその流れでファンクにハマり、PariliamentやPrince、Slyなどを一年中聞いていたのだけどその中でよく聞いてたアルバムの一つ。P-FUNK軍団の中で結構メンバーの変遷が色々あった時期のアルバムで、代表作とされているマザーシップとかと比べるとあまり名前を聴かないアルバムってイメージもあるけどサンプリング元とかで後に参照されることも多かった作品。個人的に最初にビビッときたアルバムがこれで(というかマザーシップが最初よくわかんなかった)、Parliament特有の漫画みたいな世界観は健在で今作も前作Funkentelechy Vs. the Placebo Syndromeのあらすじの続編、直球で同じ登場人物が参加するとのこと。ジャケットもP-FUNK軍団。フィジカルで買うと漫画を意識した飛び出す絵本みたいになってるジャケらしい。サジェストで流れてきたRumpofsteelskinという曲のカッチリとしたファンクらしいキレキレのリズムと、その合間に入る脂っこいシャウトで歯切れ良く曲を刻み、聞いてるだけでとにかく本能で体を踊らせてくれるような、カッチリしてるけとねばついたP-FUNKの濃厚な部分を十分に継承した大名曲でとにかく惚れた。ブーツィー・コリンズのベースラインも最高で等間隔にカッチリとリズムを刻みながら形を変えていくプレイやJBとかからブーツィーの経歴を辿って聞いた人にもすごいしっくりくるんじゃないかと思う(自分が割とその側面があったため)。

今作、分厚いコーラスワークとジャジーでうねりのある派手なホーンセクションがすごい印象的なアルバムで、この頃の70s後期Parliamentから参加してきた元Ohio Playersのジュニーがかなり曲のイニシアチブを握っていたらしく彼の要素が強いのではないかと思う。そもそもこういうジャジーな要素って実際初期Ohio Playersにもかなり色濃い要素だったし、自分はファンクをとくにシーン絞らず年台でまだらに聞き始めて、その中でとくに惹かれたアルバムって初期Ohio Playersがかなり多かったのでそこにシンパシーを感じていたのではないか、というかもう自分のフェチがそこにあるんだと思う。実際同じくジュニーがメインになっていた同時期70s後期のFunkadericも愛聴盤が多いし、貢献度が高かった割にはろくにクレジットされなかったり評価されなかったりで後に声を上げて問題になったりしたらしい。M1のMr.WigglesはP-FUNK特有の語り口調の曲で、実はマザーシップが苦手だったのもこの要素があまり慣れなかったからなのだけど、今聞くとこの曲でもホーンセクションがめちゃくちゃ最高。控えめながら隙間を覆いつくす妖艶なホーンの波からギターカッティングが鮮明に浮かび上がる後半のコントラスは本当に美しく、そして踊れる。この引き算で作るカタルシスみたいなのはファンクの醍醐味だと思う(Sly然り)。One of Those Funky Thangsは超ド派手な曲でP-FUNKらしいがP-FUNKにしてはプラネット要素が薄くなっててソフトな印象。今改めてディスコグラフィから眺めてみると、メンバーの入れ替わりも大きかったりジュニーが参加したのもあって軽いノリで聞けるわかりやすいファンキーな色が増した作品だと思う。ラスト手前のThe Motor-Booty Affairはテンポよくてグルーヴィーでっていうわかりやすいファンクのうまみが集約された最高のナンバー。先のRumpofsteelskinと並ぶ、この路線の曲がとにかく全部最高で、くねくねと地を這うようにうねりメリハリをつけ曲をけん引しながらしなやかに形を変え続けるブーツィー・コリンズらしさががっつり伝わる。P-FUNKの中で最もわかりやすいファンクアルバムではないかと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?