スペクトラルウィザード


10代の頃web漫画をたくさん漁った理由って純粋に「金が無いから」で、2ちゃんまとめとかで確かおすすめweb漫画を貼りあうみたいなやつでたくさん読んだ覚えがある。模造クリスタルと言えば当時まさに金魚王国の崩壊がおすすめweb漫画としてよく名前を挙げられていて、そのときはあんまりハマれなかったのを思い出しながら、今さっき読み返したら普通に超ハマった。魅力しかないガタガタな線画と、当時まだスマホで見ることをあまり想定していなかったであろう、PC画面のサイズ感で見る見開き無しの1ページのサイズに最適化されたコマ割りが、自然にどんどん視線を誘導させてく構成でとにかく読むのが止まらなかった。当時は毎週読んでる少年ジャンプじゃちょっと物足りないなくらいの感じで、今は亡き数々のまとめサイトでweb漫画を追っていた。その数年後にワンパンマンは村田先生化したりペニスマンは東京喰種になったり、裏サンデーが出てきたりして、アングラだと思ってたものがどんどん大きくなってたことにわくわくした記憶があるし、学校の知人にマウントを取っていた記憶がある。中学生の頃ニコニコのボカランを毎週チェックしながら追ってたボカロPが数年後どんどんメジャーデビューしてくのを見守っていた時期を思い出したし、結構被ってて同じ時期にどちらも追っていた。今だったら逆張りしそうだなって思うけど、当時自分はそこが一番深い底だと思ってたし、話題を共有できる友人が増えることを純粋に嬉しいと思っていた。摸造クリスタルについては全然それ以降チェックしたことなかったけど、スペクトラルウィザードはツイッターのTLで結構名前を見たりして、ブックオフでたまたま見かけて作者を見て驚いた記憶がある。かわいすぎる女の子たちのかわいすぎるやり取りが最高なだけに、ディスコミュニケーションで徐々に亀裂が入ってく下巻がしんどい。キャラクターがデフォルメされてるのもあって別式を思い出すけどあれほど酷くはないです。ずっとダルそうで孤独なスペクトラルちゃんがかわいすぎる。一回故郷が滅んでるのもあってウィザード全体のぼんやりとした未来への希望のなさに共感してしまう。全員元気がないというか、やる気がないというか、うっすらと絶望してるような、そんなキャラクター同士の絡みが大変居心地がいい。もうちょっとうまくやれたはずなんだけど、人付き合いって怖いし後回しにし続けた結果無くなってしまった関係はたくさんある。元々コミティアでリリースしてた同人誌を単行本としてまとめたものらしいので、完結したか微妙なラインのとこで終わっているし、もしあるのなら彼女たちの今後を見れることを切に願う。いきなり第三話くらいのノリで始まるし、デフォルメされてるのもあってユルいノリで読める萌え漫画だと思っていると思ったよりシリアスで、でも確かにドライな質感は最初からずっとあったけど、自分が想像しているその化けの皮の奥が誤解じゃないことを信じたくて一瞬で読み終えてしまった・・・。

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