見出し画像

夜な夜な夜な


夜な夜な夜な - 柴田康平/青騎士/全2巻(2022-2023)

ハルタを母体として刊行された青騎士の最初の連載作の一つで、昨年リリースされた2巻で完結。元々作者の柴田康平先生はレキヨミという姉妹もの超名作ギャグ漫画を描いていたことで知られていて(個人的にレキヨミはオールタイムベスト作品でもある)、またあのすごすぎる絵の連載作品を見れるというだけでも嬉しかった。しかも青騎士側の拘りから絵の迫力すごすぎるんで是非雑誌連載時の本来のサイズでお楽しみください、と単行本B5のワイド判で出されたくらいには本当に絵がかっこいい。その分高いけど。内容も最高です。描き込みが異常なのでこのサイズで見ると全てのページがイラスト集みたいな威圧感があるし、普通にこのサイズじゃなかったらごちゃごちゃしすぎていたかもしれない。舞台が箱根でレトロでちょっとスチームパンクっぽい世界観と個性的な衣装のキャラデザ、建築の造形とか小道具とか武器とかメカとか本当に全てに拘りが詰まってて本開いて出てくるページが漏れなくすごい。ここまで絵描きとして完成した個の世界観とそれを表現する画力を持っていることに畏怖の念すら感じる。全く真似できないが本当に憧れるし最も尊敬する絵描き(漫画家)の方です。日常ものだったレキヨミとはまた違った作品で、怪盗団を率いる主人公ヨナとその一味が警察が押収した高級な美術品を取り返す義賊もの。1巻は怪盗団の人物紹介的な側面が強いけど、全キャラ魅力がありすぎるしアクションも派手だしそれぞれ適材適所で個性を見せながらチームとしての掛け合いもよくて、ぐんぐんページを進めてしまってマジで面白すぎる漫画だ・・・となった。クズで人外の化け物な警察のボスが非道すぎてヤバい。女の子が全員かわいい。サイボーグメイドの炭々に萌えが止まらない。プリンセス・プリンシパルとか好きな人は是非とも。これから大きく話が動いていくんじゃないかというのを予感させる完璧な1巻。そしてそこから目まぐるしいくらいハイスピードで完結してしまった2巻。もう少し続きが見たかったがとてつもなく作画コストも高そうなので仕方ない・・・でも2巻も良かったです。本当に。妖怪の体内に取り込まれた女の子を救出するシーンにフェチズムを感じる。個人的にめちゃくちゃ刺さる。ラストも切ない。本当にどのキャラも好きなのでもっと掘り下げてほしかったという気持ちかなりあるけど、掘り下げが必要ないくらい1巻の時点でそれぞれが完成された雰囲気もあって改めてすごいなと思わされる。作者がfanboxで今でも四コマを描いていたりするけど、本当に土台がしっかりした漫画だと思うのでいくらでもスピンオフが作れると思う。扉絵の雰囲気がすごい好きなんで公式noteでも公開されてるやつを貼っときます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?