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Ohio Players - Pleasure(1972)


Ohio Players - Pleasure(1972)/Westbound

朱莉TeenageRiotというブログで年間ベストをやって、そこで新譜ではなかったのでダイジェスト的に聴いてたアルバムの画像をつなぎ合わせてファンクにハマってましたという旨を書いたのだが、ここでその中に載ってたアルバムを簡単に記録していこうと思う。Ohio Playersの72年作。前記事のParliament後期で参加していたジュニーがメンバーだった頃のOhio Playersで、ボーカルも彼らしい。やっぱファンクにしては華やかでジャジーな雰囲気が強くて、Slyとかにあった土臭くてスモーキーな雰囲気とは全く違ったフレッシュさがあるし、それでいてビートに糸を引くようなねばついたグルーヴ感が両立していてここがめっちゃ良いんですよね。聞きやすくて。JBsとかP-FUNKとかにあったスロウペースのヘヴィ・ファンク的なねばっこさじゃなくって、もっと華やかで、風通しが良いけど全パートのレイヤーが微妙に重なりあってるアレンジの妙というか。オルガンがたくさん入ってるのも大きいと思うし、アルバム名を冠するM1のPleasureからそれはもうめちゃくちゃ出てるんだけど、中心だったジュニーがピアノもボーカルも担当している。なんかビートの作るパーツの隙間というか、全編通してバラバラのパーツをオルガンとホーンが歪に接続しあってるようなイメージがあって、だからこそゆったりとしたファンクのグルーヴ感とは全く違ったねばっちこさがあるんだと思う。あとはWalt's First Tripっていう4曲目が結構好きで、この中では特出してキレッキレなファンクナンバーで縦横無尽なキーボードの音色も気持ちがいい。サンプリングソースとして有名なヒットシングルのFunky Wormもスローペースでねちっこいグルーヴが怪しい雰囲気漂う名曲。今作、ジャズとかブルースの流れからも聞きやすいと思うので、ポップフィールドというか他のジャンルから入った人にもかなり聞きやすい作品であると同時に、ファンクとして聞くとかなり癖が強いというか、当時他にファンクと呼ばれたアーティストと比べてもかなり異臭漂う作品ではないかと思う。

このアルバムはWestboundから出ていて、この後ジュニーが脱退してシュガーフットがメインになってからMercuryに移行していくのだけど、そこで作風がまた変わったり、ジュニーがP-FUNKに合流して(その前にソロでも何枚かリリースしている)新しく頭角を現していく。Westbound、この時期だとFunkadelicとかも在籍していたため尖ったイメージがあって良い。でもMercury時代のOhio Playersも全然好きでSkint TihghtとAngelはベスト作。ただメロウなバラードがどんどん増えていってその路線がちょっと苦手だったりするので、単曲で見ると後期にも好きなものはいくらでもあるけど、全体通したアルバムの流れというか統一感で見るとWestboundが一番聞きやすい。


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