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宇宙人のかくしごと


宇宙人のかくしごと - ハミタ/ヤンマガweb/全3巻(2023~2024)

読んだ。つい先日発売された3巻にて完結。めちゃくちゃ面白かった。告白した相手が実は宇宙人でしたっていういくらでもツイッター漫画で見たようなフォーマットのはずが超面白い。サスペンスと銘打っていて確かにラブコメというよりその要素の方が強くて、宇宙人は倫理観が全く違うのでこれ大丈夫なのか?とか半笑いしながら読んでると全く大丈夫じゃない、しっかり崩壊して全てが連鎖して手遅れになってく様がめちゃくちゃ怖いし本当にハラハラする。でもラブコメとして見てしまう。だってヒロインである宇宙人のハルがめちゃくちゃかわいいから・・・。博愛主義の主人公を地球人とは違う視点でズバズバと切り込んでくるのも見てて痛快。説明が足りない、ていうのはあくまで受けての勝手であって、違う星、違う文化、違う倫理観で育まれた彼女の言うことが自分が思ってることと同じ言葉でも、同じことを意味してるわけではない。当たり前なんだよな。今作を読んでると自分がいかに漫画を読むときある程度今まで見た作品、よくある展開、キャラクター、あらゆるパターンを想像して型にハメ込んでしまってるんだなというのを実感するくらい、ことごとくそれを外してきて痛い思いをする。俺は「そういう物語を読ませてもらってる」と思い込んでいたけど、別にそれは勝手な思い込みでしかないし、普通に目の前にあったのに俺の想像力では手が届かなかった部分がしれっと出てきて、とっくに手遅れだし、いつの間にか全部が終わりになっていた。もう少しちゃんと考えていれば・・・ていうのは主人公である委員長が何度も本編で陥るが、まさに読者である自分にも同じ言葉がそのまま降りかかる。そして最終巻にて巨大なSFへと変貌していく。これも「どこかで見たことがあるようなフォーマット」の継ぎ接ぎではあるけど、だとしても不意打ちでやられるとこんなに効果的なのかと改めて考えてしまうくらい喰らった。決して気分よく読める漫画ではないけど、キャラクターが全員魅力的でそれだけ先が気になるし食らいつくようにして読み切ってしまったし、不思議な魅力のある名作だと思う。いや本当に好きです。3巻で完結って知ったときはもっと長く見たかったなと思ったけど実際に通して読むとしっくりくる。元々ハミタ先生はツイッターやFANBOXがメインのエロ絵師という認識で、そっちのファンでしたが、今作その部分とは全く関係ない漫画として完全にやられました。今作はエロ無いです。


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