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人は話し方が9割

今回は、永松茂久氏の「人は話し方が9割」と言う本について紹介します。本書はビジネスでのプレゼンを上手く話せるようになるといった内容ではなく、あくまで日常生活の中(職場、家族、友人、配偶者、恋人、コミュニティの仲間など)といった身近な人達との人間関係を円滑にするための方法について説明している。

特別なことではなく、誰でも身につけることができるほんのわずかな「話し方」や「考え方」を理解して、心を磨くことで人生を豊かなものにできる気づきを与えてくれるものとなっている。

ただし、少しでも本書を気になった方に対して理解頂きたいのは、言葉のテクニック論やHow toを求めている人向けの内容ではないことは事前に理解頂いた方が良いかと思う。

■目次
第1章 人生は「話し方」で9割決まる
第2章 「また会いたい」と思われる人の話し方
第3章 人に嫌われない話し方
第4章 人を動かす人の話し方

第1章 人生は「話し方」で9割決まる

世の中には、すごくいいことを言っているのになぜか人に好かれない人と月並みのことしか言わないのに、なぜか多くの機会や縁に恵まれてうまくいく人がいるかと思う。これこそが冒頭に述べたほんのわずかな「話し方」や「考え方」の理解なのである。

■コミュニケーションの大三原則
・人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物
・本来、誰もが認めてほしいし、分かってほしいと熱望している
・人は自分のことを分かってくれる人のことを好きになる

つまりは、人は自分に深い関心を寄せてくれる人を好きになるということ。
そのために、まずは「聞くこと」が重要となる。話し方についての本ではあるものの、話す前には相手の話をよく聞く動作があり、その上で話をすることになるため非常に重要となる考え方である。

加えて重要になるのは、話を聞く際のリアクション(顔の表情、声の表情、体全体の表情)で相手に関心があることを示すこと。「拡張話法」でさらに相手の話を広げることである。拡張話法には以下の5つがあり、自分が積極的に話をするのではなく、相手に気持ちよく話をしてもらいそれを広げることで、結果として良い会話を生むことができる。

■拡張話法
感嘆、反復、共感、賞賛、質問

第2章 「また会いたい」と思われる人の話し方

また会いたいと思ってもらうために常に心懸ける必要があるのは、「自分の話したいことではなく、相手の求めている話をする」ということだ。時として正論を振りかざしただけでは受け入れられない、人間は好き嫌いといった感情論でものごとを判断することがあるからである。

そして、どんな会話であっても相手の立場にたつことで、受け入れられる。
前章で説明したコミュニケーションの大三原則の一つである「人は自分のことを分かってくれる人のことを好きになる」でいうならば、話がどれだけ上手くて笑わせてくれる人よりも、一緒にいて笑ってくれる、何に対してどう思っているのかを表面だけでなく心で感じて応えるの方が好きになられる傾向があるということだ。

第3章 人に嫌われない話し方

コミュニケーションに最も重要なことは、「好かれる前に、まずは嫌われないこと」ということである。信頼を築くのは一生。信頼が壊れるのは一瞬。と言う言葉があるように、話し方の上手い人は一度嫌われてしまうと、その後どんなに頑張ってもリカバリーが難しいことをよく理解している。よって、好かれることよりも嫌われない話し方をすることに最新の注意を払っているのである。

■嫌われない話し方のための注意点
・相手の気分を害する余計な一言を言わない
・正論は相手と自分を同じ目線に揃えて言う
・悩んでいる人には一緒に考え、感情に寄り添う
・相手の立場や肩書きで話し方を変えない

また、嫌われる人の話し方には共通点もあるため、こちらも紹介する。

■嫌われる話し方の共通点
・4つの「Dワード」を連発する人
・下ネタを言う人
・お笑いお芸人気取りでいじる人
・話をまとめようとする人
・相手の話を奪う人
・すぐになれなれしい口を聞く人
・負け惜しみを言う人

第4章 人を動かす人の話し方

第4章では人に対して「励まし、激励、時には叱咤」する際などに意識するべきことを個別説明しているが、それらすべて言葉の表面的な意味だけをとらえるのではなく、その奥にある相手の感情を読み取って話をすることの重要性を語っている。

これまで何度も言っていることだが、どこまで言っても「相手の立場にたつ」これに尽きると言うことである。
もし自分がこの人の立場だったら、もしこの人が目の前にいたら何と声を掛けるのかを普段から考えて相手が幸せになるように思って話をする。そうすることで、どんな言葉であっても相手の心に響く言葉となり、相手も自分に対して好意的な感情を持つようになり良い関係を築くことができるということである。


本自分自身の心が変わり、話し方が変わると、自分の周りには自然と心の姿勢が似た人が集まるようになり毎日が楽しく、人生を豊かになる、それこそが「話し方が9割」大切ということなのである。


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