社員の仕事

社員でやる決意をしてからは早かった。当時、中途採用の試験もなく、簡単な作文の提出と面談で採用は決まった。
同時に居酒屋のアルバイトはすぐ辞めた。楽しい仕事だったし、仲間にも恵まれた環境だった。でも、ここに未練はなかった。

パン屋の社員採用後、今の職場からの異動し、新たな職場の仕事となりM店の人生が始まった。M店は小さくスタッフも前の店の半分くらい、店長のいつそのさんは、定年間際のお爺さん、売場には出ない厨房専属の店長で、いろいろな事を教えてもらった。小さい店だから、社員は店長と自分の二人、あとはパートアルバイトでやるお店。自分の仕事は仕込みから成形、窯作業、パイ生地作業、全てだった。チーフがいないから、自動的にチーフの仕事もさせられた。大変というか、必死にやった。 仕事の意味や目的、何が正解かわからず、とにかく店が回る事だけ考えていた。

数ヶ月後、チーフ会に参加をしてくれと言われた。チーフ会とは、各店のパン製造チーフが集まる会議で、パンの品評や新商品の持ち寄り、社内連絡を共有するもので、社員なりたての自分は、チーフ会の存在すら知らず、他店のチーフは前職場のおだまさん以外誰一人と知らず、とにかくヤバイ、俺なんかが参加していいのかーと思った。しかも、新商品を考えて提出しなくてはならないときたから、ピンチ!何もやった事ない!エリアの看板商品を考えるというお題だった。どーする、何を作る??

これがパン屋人生、初めての新商品の開発だった。

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