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優しすぎる男、その弱さ。


やさしい麦茶

やさしすぎる麦茶

やさしすぎると言われ、選ばれなかった麦茶

麦茶は、男性のメタファーだ👴

当note記事
『優しすぎる麦茶、その弱さ。』より





「優しすぎる」という言葉は女性が男性を振る際にも非常に多く使われる。
「弱い」「頼りない」「取り柄がない」という言葉を包むオブラートとして「優しい」が使われる場面は星の数ほど存在するとされる。


かつてTwitterでこの話をした際、鍵垢の女性フォロワー複数人から「そういう人は優しすぎるんじゃなくて取り柄がないんだよね。」「オブラートなんだよ、結局。」という内容のエアリプが飛んでいるのを見て、柄にも無く小さな口笛を「ひゅう」と吹いてしまった。
現状は他人事だと思っているからこそ出た口笛なのだろうか。
矢が自身の頬を掠ったと感じたからこそ出た口笛なのだろうか。
思い出す事ができない。





マッチングアプリなどで、まだ浅い関係のうちにその言葉を言われるのなら「深く好かれないうちに、恨まれないように縁を切りたい」が本音である事が大半だ。
しかし、それを言われた男性側は言葉の内包する意味に薄らと気付きつつも『優しいと言われた自分』を心のどこかでポジティブに信じる事ができる。
そのため、別れ言葉として非常に効果的である。
マッチングアプリという、不特定多数の異性と交流を行える場では自然とコミュニケーションの場数を踏む事になるため、取り柄の無さ(というよりもマイナス面)が即座に見抜かれやすく、故にこの言葉が使われやすい。




他には、『不機嫌という名の無言の暴力を分かりやすく表に出し、周りに気を遣わせてコントロール下に置こうとする男性』から離れようとする際に有効だったりもする。
男女問わず存在する『傷付いた自分』という被害者感情を武器に優位性を取ろうとするタイプの男性版だ。
古来より、『優しさ』と『傷付きやすさ』は混同される。


そうしたタイプは他人(特に近しい仲)からの指摘や注意に対して高確率でヘソを曲げる傾向があるので、その者が抱える『優しさ(のナルシシズム)』を尊重しているように見せかけて効率的に関係を切る事ができる言葉「優しすぎる」が有効に働くのだろう。
相手が「優しすぎる自分」「優しすぎてしまった自分」「優しすぎちまった…オレ(泣)」という悲劇のヒーロー的幻想に浸り、妄想を膨らませる事は、距離を取るための時間稼ぎに繋がる。



男性は『枯れ行く己を見つめるナルシシズム』『己の哀愁へのナルシシズム』を大なり小なり持つ傾向もあるので、そこに当て嵌めるピースとしても相性が良いのだと思う。
悲劇のヒーローのストーリーに必要なピースだ。







女性側に向けた別れ言葉として「優しすぎる」が使われる事は稀だ。
今はまだ、『頼り甲斐のある男性』と『癒してくれる女性』が恋愛市場においての前提条件として扱われている時代であるためだろうか。この辺りは時間のある時に掘り下げて考えてみたい。




「優しすぎる」が別れの言葉として使われる理由に、以下のようなものもある。
別れ話の際、男性側に対して、今後直した方がいい欠点を指摘する。という行為は責任と影響力が伴い、男性側の人生を大きく左右する。
冷めた相手にそこまでの事を、利になる事を、してやるつもりはない。既にその義理も感じない。
『別れる時に正論を吐いて自分オレを変えてくれたオンナ』として男性側の思い出に残り浸られるのも癪なので、「何よりも優しく、そして無責任な言葉で自分自身を信じ込ませて、自分が優しいと勘違いしたまま野に放ってやろう」という心理で「優しすぎる」が使われる。

「コイツに振り回される事になる他の女の子には悪いけど、またどこかで同じ失敗をすればいい。」
「正してやるほどの情はもう残っていない。」

そうした思いから出される言葉が「優しすぎる」なのだと考えている。


「優しすぎる」

この言葉がかける呪いの効果は相当なもので、それを信じて生きた時間は「あの日誰かからお墨付きをもらった優しさ」として胸に残る。そうして自分自身を肯定し続けられるが、取り返しのつかない年月を過ごした末に、それが一気に反転して『勘違いして無駄に過ごした時間』として認識されるようになる。
『優しすぎる自分』、射精を伴わない心理的な自慰行為として利用し続けたその言葉。
寂しくも心地良いはずだったその言葉。
それが突如として己を追い詰める瞬間が来る。
一種の時限爆弾だ。




こんなところだろうか。
「優しすぎる」と言われて振られた経験はないが、仮に自分がそれを言われて、その言葉が内包する意味に気付かないまま生きて中年独身を迎えた場合どうなるか。を想像して書いた。


ワイ将トモロウも恐ろしくなってきたンゴねぇ。
どう考えても、明日は我が身だろう。



また、『優しすぎる自分』は、優しい自分というキャラクター作りによる『他人からの承認』を目的として、率先してお節介を焼くようになった人間の自己認識及び一人称であり、いつしか『ありがた迷惑』と呼ばれる妖怪になってしまう人の事を指す場合もある。
見返りを求めない立場を表明しつつも、内心では『関係性による見返り』『承認による見返り』を大きく求めており、本人だけではそれに気付かない傾向にある。
アダルトチルドレンと呼ばれる者に多い。

該当した者は、まず『アダルトチルドレン』というワードで検索してもらいたい。
見つかる情報には、優しすぎる人への処方箋が含まれている。

場合によっては、カウンセリングが必要となるだろう。気兼ね無く受けてもらいたい。

全ての弱者に、救済が在らん事を。










『やさしい麦茶』
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お店に、急ごか。








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