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逆張りで採用すな



駅ビルのデパ地下。
カチカチに凍ったウナギの蒲焼きが剥き出しで並ぶ冷凍魚介コーナー。
そこに置かれたラジカセから、クリスマスソングが爆音で流れていた。

一番遠くないか、組み合わせが。

26日からはどうなるんだろう。
いや、冷静に考えてみれば、普通にお正月の歌になるのか。




日本のクリスマスにおける「この日はカップルで過ごすもの」という風潮に対する異論として、「本来のクリスマスは家族と過ごすものだ」という言説が数十年近くは多用されている。
アメリカではそれが基本かもしれないが、日本のインターネットで見かけるそうした主張の多くは俗に『クリぼっち』と呼ばれた者達が行う軽めの反射的逆張りや僻み文句だ。

しかし個人的には「誰かと恋人以上の存在になる必要がある」 or 「同居する家族との関係が良好である」という事が大前提となるそちらの言説の方が遥かに難易度が高いようにも感じる。
恋人を見つける能力の有無よりもさらなる『普通』を要求されており、一人暮らしであれば尚更に叶いにくい。(実際、アメリカではその価値観が凄まじい重荷になっている場合が多く、従軍兵士の自殺にも影響している)

そうした「家族と過ごすものである」という言説を絶対の正義としてしまえば、当日に『孤独』となった際の惨めさがさらに強くならないかと心配になってしまう。

軽い気持ちの逆張りで自らの首を絞めていないか、その主張は。
現状の孤独に対する責任が先延ばしになっているだけだし、それは恐らく親が老い始めた辺りで己にじわじわと効いてくる。

反射的に出す反論としては背負うものが重すぎるので、「クリスマスは自由に過ごしていい」くらいアバウトな主張を採用しないと遅行毒になってしまうと思う。





ピカピカのホールケーキはすでに完食してしまったのでサムネ用ケーキを急遽入手しました。

ホールケーキよりも値下げしている安ショートケーキが合う内容の記事で良かった。

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